「平成29年度全日本学生テニス選手権大会(男子85回/女子61回)」(岐阜県・岐阜メモリアルセンター/予選8月3~5日、本戦8月7~13日/ハードコート)の本戦4日目、8月10日は男女シングルス3回戦と男女ダブルスの2回戦、また昨日順延とな…

「平成29年度全日本学生テニス選手権大会(男子85回/女子61回)」(岐阜県・岐阜メモリアルセンター/予選8月3~5日、本戦8月7~13日/ハードコート)の本戦4日目、8月10日は男女シングルス3回戦と男女ダブルスの2回戦、また昨日順延となった男子シングルスと女子ダブルス2回戦の一部が行われた。これでシングルス、ダブルスともにベスト16が出揃った。◇   ◇   ◇

 男子シングルスでは、昨年チャンピオンの小林雅哉(早稲田大2年)が第10シードの太田悠介(法政大4年)を7-6(2) 0-6 7-5で下して16強入りを果たした。最終セットは3-5まで追い込まれたが、そこから一気の4ゲーム連取で逆転勝利を勝ち取った。

 最後は「もうあとがない状態でしたが、焦りはなかった。ギアを上げるしかないと気合いで押しきった」と小林。昨年の王者ながら今年は予選からの挑戦。勝利を決めた瞬間は両手を高々と上げ、優勝を決めたように喜びを爆発させた。

「あと少しでした」と太田。小林対策は十分に成功していたが、最後に着地することができなかった。「あそこで集中力を上げてくるところがすごいです」と勝者を称えた。昨年の準々決勝でも小林と対戦し、4-6 1-6で敗れている。「リベンジして、もっと上を目指したかった」。太田にとって最後のインカレが終わった。

(写真)小林を追い詰めた太田

 男子のベスト16には小林を含め、早稲田大が10人も残った。その中で目立つのは千頭昇平、田中優之介、ふたりの1年生の力強さだ。この日、千頭は同じ早稲田大1年生の藤井颯大を6-2 6-2で退け、田中は6-1 6-1で松本樹(近畿大2年)を寄せ付けなかった。ふたりは決勝まで対戦しないドロー。2年連続1年生ファイナルの可能性も残されている。

 第7シードの逸崎凱人(慶応義塾大3年)は山尾玲貴(関西大1年)に第1セットをタイブレークで失ったが、気合いの逆転勝ち。6-7(5) 6-1 6-2で4回戦に駒を進めた。ベスト16には慶應義塾大から、ただひとり残った。欠場したエースの上杉海斗(4年)の分まで頑張り、頂点を目指して突き進む覚悟だ。

(写真)逆転勝利を飾った逸崎

 女子シングルスは第1シードの上唯希(早稲田大3年)がまさかの敗退。加藤慧(日本大2年)に3-6 7-5 3-6。「やることはわかっていたのにできなかった」と上。「気負う必要がないのに気負ってしまった」と肩を落とした。4回戦を前に男女の第1シードが消えることになった。

(写真)第1シードの上は3回戦敗退

 接戦をものにした加藤は「心からうれしい」と満面の笑み。自分のミスをできるだけ少なくしようとコートに入り、それを実行した。簡単ではなかったが、第1シードを相手に向かっていく気持ちを最後まで忘れず、金星を手に入れた。

 早稲田大は第9シードの金井綾香(4年)、第10シードの大矢希(3年)も3回戦で敗れた。男子とは対照的に16強に残ったのは、ただひとり。しかも1年生の清水映里だ。清水はこの日、第16シードの高橋玲奈(亜細亜大3年)とのレフティー対決を6-3 6-3で制し、4回戦に進んだ。

 昨年のベスト4で第7シードの西田奈生(慶応義塾大3年)は予選から勝ち上がった横川仁美(山梨学院大3年)に6-0 2-6 0-6で敗れた。横川は「自分のやりたいテニスをやるのではなく、相手の好きなプレーをさせないように展開した」と勝因を語った。予選からで疲れは溜まっているが、勝利への執念は増すばかりだ。

(写真)フルセット負けに終わった第7シードの西田

 西田は敗れたが、女子シングルスのベスト16にもっとも送り込んたのは慶應義塾大。第3シードの押野紗穂(3年)、第14シードの向井マリア(2年)、第15シードの江代純菜(4年)、そして城間安実(2年)の4人だ。

 大会第5日は、男女シングルス4回戦、男女ダブルス3回戦が行われる。試合開始時間は10時の予定。(テニスマガジン/編集部◎牧野 正)

※トップ写真は、4回戦進出を決めた瞬間の小林雅哉(早稲田大2年)