2月18日(日)、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅠフェブラリーS(ダート1600m)が行なわれる。 このレースは今年最初のJRAGⅠレース。昨年の勝ち馬レモンポップなどは不在も、昨年のNAR(地方競馬全国協会)年度代表馬イグナイター、昨年…

 2月18日(日)、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅠフェブラリーS(ダート1600m)が行なわれる。

 このレースは今年最初のJRAGⅠレース。昨年の勝ち馬レモンポップなどは不在も、昨年のNAR(地方競馬全国協会)年度代表馬イグナイター、昨年の南関東クラシック三冠馬ミックファイア、昨年のGⅠチャンピオンズC(中京・ダート1800m)2着のウィルソンテソーロなど、初対戦の馬が多く混戦模様だ。

 予想は難しいが波乱も見込めるため、馬券的には非常に面白そうなレースだが、血統的視点から占っていこう。過去のこのレースの血統的傾向で目立つのがミスタープロスペクター系の強さで、過去6年のうち2018年ノンコノユメ(父トワイニング)、2019年インティ(父ケイムホーム)、2021、22年カフェファラオ(父アメリカンファラオ)、2023年レモンポップ(父レモンドロップキッド)と5勝。さらに直近3年は2着もミスタープロスペクター系で、過去6年で8頭が連に絡んでいる。

 今年も多くのミスタープロスペクター系の馬が出走を予定しているが、筆者が注目するのはシャンパンカラー(牡4歳、美浦・田中剛厩舎)だ。



昨年のNHKマイルCを勝利したc photo by Sankei Visual

 同馬の父ドゥラメンテはキングカメハメハ産駒。ドゥラメンテ産駒はタイトルホルダーやリバティアイランドなど芝中長距離タイプの大物が多いが、地方交流GⅠJBCレディスクラシック(大井・ダート1800m)を2022年はヴァレーデラルナが、昨年はドゥラエレーデが勝利している。また、ドゥラエレーデは昨年のチャンピオンズC(中京・ダート1800m)とGⅠ東京大賞典(大井・ダート2000m)で3着に入っているように、ダートの一流馬も出ている。

 シャンパンカラーは、昨年の勝ち馬レモンポップと血統構成が非常に似ている。父系のキングマンボ、母系のストームキャットとダンチヒが共通項だ。特にストームキャットの血はこのレースのポイントのひとつで、前述のカフェファラオが父系に持っており、2020年の勝ち馬モズアスコットも母系に持っていた。

 シャンパンカラーは昨年のGⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)勝ち馬。昨年のGⅠ安田記念(東京・芝1600m)で14着となって以来のレースで、ダートも初となるが、それだけに"狙い目"と言えるだろう。前述のドゥラエレーデはGⅠホープフルS(中山・芝2000m)の勝ち馬であり、アイコンテーラーは芝の重賞でもGⅢ愛知杯(中京・芝2000m)で2着に入っているように、ドゥラメンテ産駒は芝もダートもこなすタイプが少なくない。シャンパンカラーにもダートでの激走に期待する。

 もう1頭も同じく、ミスタープロスペクター~キングマンボ~キングカメハメハの系統からスピーディキック(牝5歳、浦和・藤原智行厩舎)を推す。

 同馬の父タイセイレジェンドは2012年の地方交流GⅠJBCスプリント(川崎・ダート1400m)の勝ち馬で、ドゥラメンテよりもダート色が濃い。母の父サイレントディールは2004年のフェブラリーSの2着馬。さらに祖母の父クラフティプロスペクターは、2002年のフェブラリーS勝ち馬アグネスデジタルの父と、このレースと縁のある血も揃っている。

 スピーディキックは昨年の同レースで6着と敗れたが、JRAの速いレース展開に対応できない感がありながらも、直線ではよく盛り返していた。慣れれば、上位争いも見込める走りだった。その後は、地方交流GⅢスパーキングレディーC(川崎・・ダート1600m)2着、JBCレディスクラシック4着など強豪相手に健闘。前走の東京シンデレラマイル(大井・ダート1600m)で1年ぶりの勝利を挙げるなど着実に経験を重ねてきただけに、2年越しの挑戦を応援したい。

 以上、今年のフェブラリーSは、キングカメハメハ系の2頭、シャンパンカラーとスピーディキックの2頭に注目する。