WRCは2月15日〜18日、スウェーデン北東部のバステルボッテン地方にある学園都市ウメオで第2戦ラリースウェーデンが開催される。ウメオを拠点にWRCのスウェーデンラウンドが開催されるのは、3年連続だ。今大会では、WRC2連覇王者のカッレ・ロ…

WRCは2月15日〜18日、スウェーデン北東部のバステルボッテン地方にある学園都市ウメオで第2戦ラリースウェーデンが開催される。ウメオを拠点にWRCのスウェーデンラウンドが開催されるのは、3年連続だ。今大会では、WRC2連覇王者のカッレ・ロバンペラが、今季初めてWRCに登場する。2023年に史上最年少でWRC連覇を果たした23歳のロバンペラは、2024年は限定参戦のプログラムを組んでいる。

ラリースウェーデンは、WRCが創設された1973年にカレンダーに組み込まれた一戦で、アクションが豪快なイベントのひとつとして親しまれ続けている。ドライバーたちは、タングステン鋼のスタッドがついたタイヤを履き、氷と雪で覆われた高速林道で高いグリップを得ながら思い切り攻めることができる。ステージ脇にそびえ立つ雪壁も、マシンを当てながら速度を維持しつつ安定したコーナリングができる武器になる。

今大会では、2024年のジュニアWRCが開幕。Mスポーツ・ポーランドが製作したフォード・フィエスタ・ラリー3にピレリタイヤを履く、若手対象のワンメイクシリーズとなる。このスウェーデンでは、この20年間で最大の19クルーが登録。うち4人のドライバーは、2023年のFIAラリースタートレーニングの卒業生だ。

今回のラリースウェーデンのエントリーは57台で、昨年よりも5台増加している。ステージの観戦ポイントには何千人ものスペクテイターが集まる人気イベントで、思い思いの方法でラリー観戦を楽しむ光景は、唯一無二。ウメオのサービスパーク、レッド・バーン・アリーナには、全4日間の最終ステージのフィニッシュが設定される。

■エントリー状況
トヨタ・ガズーレーシングWRT:2023年チャンピオンのカッレ・ロバンペラが今季初参戦。チームメイトのエルフィン・エバンス、勝田貴元はそれぞれ、総合、WRC2部門でスウェーデンの優勝経験を持つ。プライベーターのロレンツォ・ベルテッリは、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦する。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:開幕戦モンテカルロを制したティエリー・ヌービルは、ランキング首位でスウェーデンを迎える。同じくフル参戦のオィット・タナックとともにサードカーのヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドで戦うのは、エサペッカ・ラッピ。

Mスポーツ・フォードWRT:アドリアン・フルモーとグレゴワール・ミュンステールがエントリー。チームは昨年、オィット・タナックがスウェーデンで勝利を挙げている。

■サポートカテゴリー
WRC2部門は今季も、選手権ポイントの対象として7戦を選択する方式を採用。開幕戦モンテカルロをノミネート外で参戦したオリバー・ソルベルグは、母国ラウンドで選手権争いの初戦をシュコダ・ファビアRSラリー2で迎える。ソルベルグの幼なじみ、イザック・レイエルセンは、今回がWRC2デビューとなる。昨年のジュニアWRCチャンピオン、ウィリアム・クレイトンは、タイトル獲得の特典を活用してWRC2にステップアップ。モータースポーツ・アイルランドアカデミーの支援を受けて、フォード・フィエスタ・ラリー2で参戦する。フィンランドのサミ・パヤリと2022年のフィンランドチャンピオン、ミッコ・ヘイッキラは、トヨタGRヤリス・ラリー2で参戦。同じくGRヤリス・ラリー2でエントリーするTGR WRCチャレンジプログラムの2期生、小暮ひかると山本雄紀は、ラリー2で初のWRCラウンドに挑む。

2023年のコダスール選手権王者、ファブリツィオ・ザルディバールもWRC2に復帰。エミル・リンドホルムは、ヒョンデi20Nラリー2でタイトル奪還のシーズンに乗り出す。ラウリ・ヨーナ、昨年のWRC3チャンピオン、ルーペ・コルホネンもWRC2部門のエントリーに名を連ねる。

開幕戦モンテカルロでWRC3部門を制したヤン・チェルニーは、フィエスタ・ラリー3で連勝を狙う。

全5戦のシーズン開幕を迎えるジュニアWRC部門の筆頭は、昨年シリーズ2位に入ったディエゴ・ドミニゲス。昨年のERCジュニアチャンピオン、ノルベルト・メイヤーは、ジュニアWRCにステップアップする。トム・レンソネットはRACBナショナル・チームから、イーモン・ケリーは、モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーから参戦する。

■ラリールート





完全に新しいステージは、デイ2にリピート使用する15.65kmのVannasのみだが、ルート全体の3分の1は刷新された。競技は2月18日木曜日、Umea Sprintから始まる。

金曜日最初のステージ、Brattbyは#42 Brattbyに改名。昨年、No.42のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドでベストタイムをマークした故クレイグ・ブリーンを偲んだもの。Norrbyはスタート付近は変更はないが、その後はレイアウトが大きく変更された。Norrbyの後は、さらにFlodaまで北上。ラリー最長の28.25kmで、大会最北のステージとなる。金曜日はUmea Sprintで締めくくりとなる。

土曜日は、Vannas, Sarsjoliden and Bygdsiljumを2回ずつ走行する構成に、ウメオの1回目の走行が加わる。Bygdsiljumは、2023年のBostmarkの区間に、新たにより高速なセクションがスタートに加わり、フィニッシュも修正された。28.06kmと、ラリーで2番目に長いステージとなる。

最終日は、Vastervikを2回連続で走行した後、土曜日に走行したUmeaがパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2024年2月15日〜18日
サービスパーク設置場所:ウメオ
総走行距離:1202.11km
総ステージ走行距離:300.10km(SS比率24.96%)
総SS数:18

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
エルフィン・エバンス(#33)
勝田貴元(#18)
カッレ・ロバンペラ(#69)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
エサペッカ・ラッピ(#4)

[Mスポーツ・フォードWRT]
アドリアン・フルモー(#16)
グレゴワール・ミュンステール(#13)

■2023年ラリースウェーデン最終結果
1 O.タナック/M.ヤルベオヤ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1)2:25:54.5
2 C.ブリーン/J.フルトン(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)+18.7
3 T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +20.0

■近年のウイナー
2023年 O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1)
2022年 K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)
2020年 E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
2019年 O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC)
2018年 T.ヌービル(ヒョンデi20クーペWRC)