4年生にとっては引退試合となる早慶戦。今年は両校20名ずつによる勝ち抜き方式で行われた。試合は30試合超に及び、最後は大将・門間光児が慶大の副将に敗れ、2年連続での早慶戦優勝を逃した。優秀選手賞に早大からは5人抜きをした先鋒・横山冬馬(ス…

 4年生にとっては引退試合となる早慶戦。今年は両校20名ずつによる勝ち抜き方式で行われた。試合は30試合超に及び、最後は大将・門間光児が慶大の副将に敗れ、2年連続での早慶戦優勝を逃した。優秀選手賞に早大からは5人抜きをした先鋒・横山冬馬(スポ1=宮崎・日章学園)、3人抜きをした十五将・萩谷周平(商4=神奈川・鎌倉学園)そして2人抜きをした七将・山田大晴(スポ4=福島・安積)が選ばれた。


表彰される萩谷

 応援部による両校のエール交換が行われ、会場の雰囲気が最高潮になったところで試合が始まった。先鋒・横山は会場の空気に応えるように試合開始の合図とともに激しく打ちに行く。2回の延長戦の末に相手のメンに合わせてドウを奪い、早慶戦の1勝目を飾った。ここから横山は怒涛の5連勝を収める。途中に足を負傷するアクシデントや、後半には疲れが見えてきたが、5人抜きを達成。6戦目は2度の延長戦を経て敗れ1時間の死闘を終えた。これで早大有利かと思われたが慶大の十五将が4人抜きされ、早大は十六将・渡部倫太郎(スポ2=神奈川・桐蔭学園)をむかえる。

 渡部はコテで先制する。十七将の工藤晃申は先制した後に逆転されてしまったが、渡部はこのまま反撃を許さず流れを早大に引き寄せる。2人抜きをするが、慶大の十三将に敗れる。流れを渡したくないところで、十五将・萩谷は先制されるもすぐさまメンを奪い返し、さらに合いメンで打ち勝ち二本勝ちを収めた。次の試合も二本勝ち、その次の試合も勝利し3人抜きを達成。


コテを決めた横山

 ここまで早大は十五将、慶大は中堅と有利な展開で進んだが、慶大の中堅、九将に2人抜きをされ、十一将・今井翔悟(基理2=福岡・小倉)が2人抜きをし返すが、慶大の七将に4人抜きをされる。その間早大は一本も奪うことができず苦しい展開が続いた。しかし、七将・山田が2回の延長戦を経てコテで一本を奪いついに慶大の流れを止めた。

 山田はこのまま2人抜きを達成。続いて六将・石川将俉(法3=高知学芸)も2人抜きをする。慶大を三将まで追い詰めるが、早大も全日本学生剣道優勝大会に出場したメンバーがそろうも3人抜きをされる。三将・門田功成(社2=兵庫・育英)は6回にも及ぶ延長戦にを行う。膠着状態が長く続いた試合だったが、最後には綺麗にメンを決めて流れを断ち切った。続く試合も延長戦になるが、コテを決められ敗戦。早大、慶大ともに副将で並んだ。副将・外山大地(社4=神奈川・鎌倉学園)は粘って大将に何としても繋ぎたいところだったが、試合開始直後にドウを決められ、さらにすぐさまコテで二本目を決められてしまった。横山の5連勝から始まり有利な展開を作っていたが、遂に追い詰められてしまった。大将・門間光児主将(社4=熊本・九州学院)は上段の構えの相手に対し、粘り強く闘う。延長戦に入り、試合場の角に追い詰められ何とか粘ろうとするが引きコテを打たれ敗戦。慶大の大将には届かず早慶戦2連覇を達成することはできなかった。


構える門間

 試合後講評でも指摘があったように、上段の構えの相手への対応に課題が見られる結果となった。しかし、3年生以下が連勝することも多く、特に先鋒・横山の粘りは素晴らしいものだった。早慶戦で4年生は引退となり、来週末には新チーム初の大会として第17回全日本学生剣道オープン大会が開催される。早慶戦から得られたものを生かす試合が見られることを期待したい。

(記事、小島大典 写真 小島大典、植村皓大)

結果

横山ドー宮島
横山メー安藤
横山コー堀内
横山ドー梶原
横山コー小中
横山ーコ平岡
齋藤ーコ平岡
石谷ーメメ平岡
工藤メードメ平岡
渡部コー平岡
渡部メー笠原
渡部ーコ岩沙
萩谷メコーメ岩沙
萩谷ドコー中井
萩谷ドー河島
萩谷ーコ佐藤
増田ード佐藤
小野寺コメー佐藤
小野寺ーコ吉田
神谷ーメ吉田
今井コー吉田
今井ドー河津
今井ーメ野口
山本ーメ野口
宮原ーメメ野口
中村ーメ野口
山田コー野口
山田メー深野
山田ーメ多田
石川コー多田
石川コー齋藤
石川ード藤邨
指本ーメ藤邨
馬場ーメ藤邨
門田メー藤邨
門田ーコ小檜山
外山ードコ小檜山
門間ーコ小檜山

コメント

門間光児主将(社3=熊本・九州学院)

――早慶戦を通じて早大ベンチの雰囲気はいかがでしたか

 ベンチの雰囲気は、選手はもちろん選手じゃない人たちも必死に応援してくれてたので終始盛り上がっていたと思います。

――門間選手の前の19人の戦いぶりについてはいかがですか

 前19人は本当によくやってくれたと思います。1人1人が必死にやってくれたので私も見ていて勇気づけられました。

――相手は副将の場面でまわってきましたが、どのような思いで試合に臨みましたか

 どこでまわってこようと大将まで絶対抜いてやろうと思っていました。最後は早稲田の大将としてみんなの想いを背負って試合に臨みました。

――大学剣道4年間を振り返って

 4年間苦しい事ばかりで辛い時期もありました。それでも私についてきてくれた仲間たちがいたから乗り越えることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。

横山冬馬(スポ1=宮崎・日章学園)

―― 先鋒で出場して5連勝しました、振り返っていかがですか

先鋒戦が難しい相手で、なかなか上手く試合ができなかったのですが、体力的に厳しい中5人に勝つことが出来ました。

―― 1時間に及ぶ試合でしたが、体力面はいかがでしたか

体力に自信がないのでかなり難しかったのですが、4年生や他の先輩方、先生方も気持ちが大事だと言ってくれていたので、わずかな力でしたが振り絞って頑張れました。

―― 優秀選手賞に選出されましたがいかがですか

1年生でこんな賞をいただけて光栄に思っています。

―― 来週の全日本学生剣道オープン大会に向けて目標をお願いします

同期の仲間と出場するのですが、1年生だからと言って気負わず優勝目指して頑張ります。