「世界水泳ドーハ2024」8日目が2月9日に行われ、女子3m飛板飛込決勝では中国の昌雅妮が354.75点をあげ、金メダルを獲得した。ラストの演技で難易度3.0、5152B(前踏み切り2回半、1回ひねりえび形)を完璧に決めて締め括ったが、水…

 「世界水泳ドーハ2024」8日目が2月9日に行われ、女子3m飛板飛込決勝では中国の昌雅妮が354.75点をあげ、金メダルを獲得した。ラストの演技で難易度3.0、5152B(前踏み切り2回半、1回ひねりえび形)を完璧に決めて締め括ったが、水しぶきをほとんどあげない「ノースプラッシュ」のために、全身を限りなく細くした入水姿勢は、まさに神業レベルだった。

【映像】肩幅まで縮める昌雅妮の姿勢によって水しぶきは極小に

 昌雅妮は、前々回の世界水泳で銅メダル、前回が銀メダルと、1つずつ階段を上がってきた。今大会は、同じ中国の陳藝文としのぎを削る形となったが、4本目までに大きなリードを奪うと、この5152Bを大きなミスなく決めればついに金メダル獲得という状況だった。ただそんな心配をよそに、最終演技は文句がつけられないほどの空中姿勢から、余裕すら感じさせるタイミングで入水へ。採点の大きなポイントとなる入水時の水しぶきもほとんど立たず、水中に入っていった音だけが会場に響き、直後に大きな歓声が起こった。

 解説者から「素晴らしいです!」と絶賛された演技だが、スロー映像を見ると昌雅妮は入水直前に腕を真っ直ぐ頭上に伸ばしている様子が見られた。柔軟性の高さもわかるものだったが、これにより通常時の肩幅すら縮めているほどで、水面にぶつかる表面積を限界まで小さくしているようだ。

 単に姿勢を真っ直ぐするだけではなく、より細くしたり、力の入れ具合を変えたりすることで、水しぶきの大きさは変化する。細部にまで技術が施された演技だった。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)