完璧に成功するのも素晴らしいが、失敗を失敗にしない技術もまた職人技だ。「世界水泳ドーハ2024」7日目が2月8日に行われ、男子10mシンクロ高飛込決勝では、イギリスのデーリーとウィリアムズのペアが422.37点で銀メダルを獲得。最終演技で…
完璧に成功するのも素晴らしいが、失敗を失敗にしない技術もまた職人技だ。「世界水泳ドーハ2024」7日目が2月8日に行われ、男子10mシンクロ高飛込決勝では、イギリスのデーリーとウィリアムズのペアが422.37点で銀メダルを獲得。最終演技では109C(前宙返り4回半抱え型)、難易度3.7という大技に挑むと、入水のタイミングでデーリーが素人目にはわからない技を使いこなしてみせた。
今夏のパリ五輪に向けても、気持ちよく大会を締め括りたかったイギリスペア。最終6本目は、個人種目で用いても難易度が高い109Cで決めにいった。勢いよく助走をつけてから、タンッと強く踏み切ると、空中では勢いよく4回転半。高速で回転しつつも入水に向けての角度調整が必要になるが、ここでデーリーはトップ選手だからこそわかるという微細な回転不足があり、入水への角度が甘くなった。
角度が乱れれば、当然水しぶきが大きく上がり失点の対象になる。ところがデーリーは回転不足を補うように、入水直前で力の入れ方を調整。解説の寺内健がスロー映像を確認しながら「これが見せ方なんです」というように、体が回り切っていないまま全力で水面にぶつからないように、非常に細かい技術をほんの一瞬の判断の中で入れ込んでいたと解説した。
ウィリアムズが完璧な“ノースプラッシュ”だったことに比べれば、デーリーはやや水しぶきが上がったものの、大きな失敗に見せない技が高得点へとつながっていた。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)