リオネル・メッシ、セルヒオ・ブスケッツ、ルイス・スアレスの元バルセロナトリオが日本に凱旋するとあって、注目された2月7…

 リオネル・メッシセルヒオ・ブスケッツルイス・スアレスの元バルセロナトリオが日本に凱旋するとあって、注目された2月7日夜のヴィッセル神戸インテル・マイアミの一戦。

 高額チケットや厳寒の平日夜という試合日程も災いし、東京・国立競技場の観客動員数は2万8614人と半分も埋まらなかったが、4日の香港でのゲームを欠場したメッシが後半15分から登場するとスタンドはヒートアップ。足に吸い付くようなドリブルや敵の意表を突くスルーパス、後半34分にGK新井章太と1対1になった決定機など、世界最高峰のプレーで見る者の度肝を抜いた。

 そんなメッシ以上に目を引いたのが、昨季J1王者・神戸の現在地である。

 彼らは1月10日の始動後、19日~2月1日にかけて沖縄・西原町でキャンプを行っていたが、非公開が多く情報がほとんど表に出ていなかった。17日には川崎フロンターレとのFUJIFILM SUPER CUPが控えているが、30代の主力や新戦力が現時点でどうなっているのかは興味深い点だったと言える。

■組み立てにも参加

 特に気になったのが、2023年MVP&得点王の大迫勇也の状態だ。彼はオフ期間にアメリカで吉田麻也(LAギャラクシー)と自主トレを実施。肉体改造にも乗り出すなど、新たなトライを経てプレシーズン入りしたという。前日の6日には2026年までの契約延長も発表。スッキリした状態でインテル・マイアミ戦を迎えた。

 こうした効果か、この日の背番号10からはキレと鋭さが大いに感じられた。インテル・マイアミが組織的守備を仕掛けてこなかったこともあり、神戸は大迫に蹴り出してタテへの速さで攻め込むという昨季のスタイルではなく、ボールをつなぎながら攻撃を構築していく形で戦った。

 となれば、大迫も少し引いてパスを受けたり、組み立てに参加する場面も増えてくる。そういった仕事もこなしつつ、機を見てゴール前へ出ていく。その嗅覚は間もなく34歳になろうという今も健在だった。

 前半15分には鋭いシュートを左右のポストに立て続けに当てるという2度のビッグチャンスに直面。前半終了間際にもフリーの決定機を逃したが、大迫にボールが渡れば「点が入りそう」という空気感が漂ったのは確かだ。

「まだシーズンが始まっていないので。シーズン中だったら叩いてもらって結構ですけど、これからチームのためにしっかり決めきれるようになりたいですね」と本人は不敵な笑みを浮かべたが、上々の仕上がりだという感触を彼自身も抱いたのではないか。

宮代大聖はセカンドトップ的なポジション

 ある意味、神戸は今季も大迫次第という部分が少なくない。その大迫が進化を遂げているのは非常に前向きな要素と言っていい。先のアジアカップで8強止まりだった日本代表への復帰待望論が出てもおかしくないレベルなのは間違いない。

 ただ、大迫への依存度が高ければ高いほど、チームとしてのリスクも上がる。この日、武藤嘉紀はアクシデントがあってベンチ外になっており、今後も不透明な部分がある。途中から井出遥也と代わって入った新戦力・宮代大聖もセカンドトップ的な位置づけで、大迫の代役という位置づけではなさそう。となれば、大迫不在時の備えは万全とは言えない。その課題も見え隠れしたインテル・マイアミ戦の90分間だった。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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