【第3回】　男子ラクロス対談　平野義大×宮脇昇汰×森久優太×大見紳太郎

　昨年度は新型コロナウイルスの影響により開催することができなかった早慶定期戦。２年ぶりとなるこの早慶戦で、男子ラクロス部は最大のライバル慶大と対戦する。昨年の関東学生２０２０特別大会決勝、３月から４月にかけて行われた六大学交流戦で早大は慶大…

　昨年度は新型コロナウイルスの影響により開催することができなかった早慶定期戦。２年ぶりとなるこの早慶戦で、男子ラクロス部は最大のライバル慶大と対戦する。昨年の関東学生２０２０特別大会決勝、３月から４月にかけて行われた六大学交流戦で早大は慶大に敗れている。リベンジを誓うラクロス部の主要メンバー、AT平野義大主将（社４＝東京・早大学院）、MF宮脇昇汰副将（商４＝東京・早大学院）、MF森久優太（商４＝埼玉・早大本庄）、DF大見紳太郎（教４＝愛知・名東）に２年ぶりの早慶戦にかける思い、そしてこの試合に向けての意気込みを聞いた。

※この取材は５月４日にオンラインで行われたものです。

「何点差でもいいからとりあえず勝つこと」（平野）

ゴールを狙う平野主将

――まずは大見選手へ質問です。２年ぶりに開催される早慶戦についてどのように感じられていますか

大見　昨年は早慶戦は行われなかったのですが、リーグ戦（関東学生2020特別大会）の決勝で慶大と当たり負けてしまいました。今回はその借りを返すいい機会なので、昨年先輩たちを優勝させて引退させられなかった分、今回の早慶戦で自分たちが結果を出してＯＢや先輩たちに見ていただけたらなと思います。

――今年度のディフェンス陣の仕上がりについてどう感じていますか

大見　今年のディフェンスのメンバーは、昨シーズンの公式戦を経験しているメンバーが全くいない中での初の舞台となるので、個の技術も経験もかなり劣るところはあります。その分組織の連携のところには力を入れてきたのでチーム全員でボールを奪ってオフェンスにつなげることができたらなと思います。

――ディフェンス陣の強みはどこにありますか

大見　組織の力が強みになると思います。

――反対に課題はどこですか

大見　課題は特に個の実力、１ｏｎ１の部分がかなり課題であると思います。ロングだけではなく、ＭＦの１ｏｎ１もかなり今年は課題になるので、そこのディスアドバンテージをどれだけ組織の力でカバーできるかだと思います。

――早慶戦でディフェンス陣はどのような姿を見せたいですか

大見　慶應オフェンスに対して受け身にならず、自分たちが主導してボールを奪ってオフェンス陣にボールをどんどん共有していきたいと思っています。

――森久選手へ質問です。２年ぶりに開催される早慶戦についてどのように感じられていますか

森久　昨年は早慶戦はなかったのですが、（関東学生2020特別大会）ＦＩＮＡＬで慶大に負けて、自分たちは慶大に勝ちたいと思いました。今年の目標はまず慶大を倒すことなのでリベンジの意味で、早慶戦では慶大をぶっ潰したいです。個人的な思いとしては、早慶戦はみんなが憧れている舞台です。今年開催できるということで、楽しみにしている人が多いと思うので開催できたことは非常に良かったなと思っています。

ボールを運ぶM F森久選手

――早大はライドが強みであるとお聞きしました。今年のライドの完成度はいかがですか

森久　ライドの完成度は高いとは言えないのですが、昨年に比べて全員でライドへの意識は高く持ってきたので、意識の面では60、70％くらいだと思います。完成度はまだまだ50％くらいだと思います。

――どのようなところが足りていないのでしょうか

森久　今年も下級生が多くて、Ａ（チーム）にいた人が多いとは言えない状況なのでクリアライドへの理解度であったり、昨年落とし切る部分のフィジカルであったりそのような部分が昨年に比べて足りていないなと自分は思っています。そのような部分で50％くらいかなと思います。

――そのあたりは早慶戦に向けて何か修正してきたのでしょうか

森久　昨年に比べてクリアライドの練習は多めに入れて、定期的にミーティングを行いクリアライドへの理解というのは全員で共通認識を持って深めてきたなと思います。

――ライドとしてはどのような意識を持って早慶戦に臨みたいですか

森久　クリアライドの機会は多いと思うのでしっかりと常に狙う意識を持ち、ずっとオフェンスをやるくらいの感じで慶大にオフェンスをさせないように奪いまくりたいと思います。

――次に宮脇副将に質問です。昨年度早慶戦が行われなかったことを踏まえて、今年度にかける思いをお願いします

宮脇　個人的に早慶戦はシーズン前半の仕上がりを見る場だなと感じています。昨年はなかったのですが、その前とかはすごくいい試合ができたし、いい仕上がりを早慶戦で発揮できたというのはその年の仕上がりにもつながってくるかなと思っています。そのような面で昨年はそれが無かったのですが、今年はあるといったところでどれだけ自分たちの力を発揮して日本一に向けてどれだけ近づいていけるかがそれで決まると思っているのですごく楽しみです。

――副将として現在のチームの調子はどのように見ていますか

宮脇　シーズン最初に比べたらいい雰囲気で練習できていると感じています。声の量は多くなってきていると思います。

――ＭＦ陣の調子は現在どのような感じですか

宮脇　けが人がいるというのもあるのですが、ＭＦは下級生が主力として多く出るのが早慶戦で想定されるので、それを踏まえて、すごく頑張ってきてくれているなというのは感じています。下級生がすごくこの２、３カ月で成長してきてくれていて、それに懸けていた部分もあり、そこは少しほっとしているのですがもっともっと高いレベルを求めてやっていかないといけないと思っているので、完成度としてはまだまだですけど期待はできると思っています。

ゴールを決め喜ぶM F宮脇副将

――現時点でのＭＦの課題などがありましたら教えてください

宮脇　課題は１対１の強さというのが上からどれだけ強くかけられるかで慶大ディフェンスを崩せるかというところにつながってくるので、まだその１対１の強さというところが足りていないですし、そのあとの視野取りというところもまだ課題なのであと２週間くらいでどれだけ詰めていけるかにかかっていると思います。

――早慶戦ではどのようなＭＦ陣の姿を見せたいですか

宮脇　上からＭＦが崩してからＡＴのフィニッシュというのが自分たちの想定している攻め方です。自分たちで点が取れなくてもアシストであったり崩しであったりといったところでオフェンスに貢献できるような姿を見せていきたいです。DF陣でいったら大見から１対１が課題だとあったのですが、そういったところでショートから崩されないような１対１を期待して見てもらえたらと思います。

――平野主将に質問です。昨年度の早慶戦は行われなかった上で今年度早慶戦が行われることになってどのように感じていますか

平野　昨年度早慶戦が行われなかったということで、今のＡ（チーム）には宮脇以外５月の早慶戦を経験した人がいません。みんなが目標にしている舞台なので、みんなで雰囲気を楽しめたらいいなと感じております。

――六大戦が終わってから早慶戦までどのような準備をしてきましたか

平野　１ｏｎ１の強さといったところが全体の課題でもあったので個人、対人のところをしっかりフォーカスして練習してきました。またクリアライドにもしっかり時間を割いてお互いの組織面も強化を図ってきました。

――六大戦では初戦で慶大に惜しくも敗れてしまいましたが、今回もう１度慶大と戦うにあたって何か対策はされていますか

平野　特別な対策は特にはしていないのですが、相手の特徴を捉えてどうやって攻めるか、どうやって守るかはある程度話し合って決めることができているので、自分たちで考えた攻め方、守り方というのを早慶戦で見せられたらなと思っています。

――主将から見て現在のチームの状態はいかがでしょうか

平野　みんな早慶戦も近づいてきて、結構緊張感を持って練習に臨めているなというのは感じます。練習の強度は上がってきているし、プレッシャーもかなりある練習をできていると思うので激しさを早慶戦で見せられたらいいなと思っています。

――今年のチームの強みはどこにあると思いますか

平野　強みはオフェンスかなと思っています。理由としては昨年からＡ（チーム）で（試合に）出ていた選手、自分を含めて宮脇、森久をはじめとして結構去年のＡを経験していた人がオフェンスにいます。ある程度の経験値を持っている状態で今シーズンが始まったので、そこはオフェンスが強みかなと思っています。またオフェンスがしっかり仕事をこなさないといけないなという義務感というのをそれぞれ感じているかなと思っています。

――チームの課題はどこにあると思いますか

平野　球際の激しさがチームの課題かなと思っています。いい人が多い分、球際でちょっと遠慮してしまったりだとか、一歩引いてしまったり、ちょっと弱気な部分が出てしまうシーンが六大戦では多く見られたので、そこが課題かなと思いつつも今それをなくすためにみんなで強度を上げて練習している状態です。

――早慶戦でのチームの目標があれば教えてください

平野　チームの目標は、早慶戦といった大きな舞台では結果が全てだと思うので、何点差でもいいからとりあえず勝つことです。その上で無観客になってしまうかもしれないですが（５月４日時点では未定だった）、みんなが今までラクロスをするモチベーションだった早慶戦という場に立っているということを感じながら楽しんでくれたらいいかなと思います。自分も楽しめたらいいかなと思っています。

――最後に全員にお聞きします。この早慶戦はリーグ戦前の大一番に位置づけられると思います。その早慶戦に向けた意気込みをお願いします。

大見　慶大は昨年負けたというのもあるのですが、因縁の相手なので何としてでも勝つということにこだわりたいと思います。

森久　同じく慶大は因縁の相手でもありライバルなので圧倒した勝利を見せられるように頑張りたいと思います。

宮脇　チームとしてはもちろん勝ちにこだわるといったところはやっていきたいですし、個人としても得点を決めて勝利に導けるようなプレーをして行きたいと思います。

平野　この早慶戦での出来というのがリーグ戦に響いてくると思うので、やっぱりリーグ戦を踏まえた上で早慶戦をみると、みんなが言った通り絶対負けられないですし、絶対圧倒して勝ちたいと思います。

――ありがとうございました！

（取材・編集　山本泰新）

早慶戦への意気込みを語ってくれました