例年6月に行われる日本学生個人選手権だが、今年はワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)の選考会を兼ねるため4月の開催に。1日目は、4月とは思えない冷え込みに加え、冷たい雨も降る中、110メートル障害と1500メートルに早大選手が出場。ユ…

 例年6月に行われる日本学生個人選手権だが、今年はワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)の選考会を兼ねるため4月の開催に。1日目は、4月とは思えない冷え込みに加え、冷たい雨も降る中、110メートル障害と1500メートルに早大選手が出場。ユニバ出場を目指したが、結果は振るわなかった。(記事 及川知世)

★石塚、決勝進出もユニバ出場は来年以降に(男子1500メートル)

 男子1500メートルには、石塚陽士(教2=東京・早実)が出場。予選では1組目で出場し9着に終わるも、タイムで決勝進出を決める。その後の決勝ではタイムも伸び悩み苦しい走りに。目標としていたワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)への出場は来年以降へと持ち越しになった。

  決勝進出の15枠(2組6着+6)を争う予選。石塚は序盤から集団の5、6番手に位置し、先頭を虎視眈々(こしたんたん)と狙う。ところが本人も「スパートが利かない」と振り返るように、終盤になっても集団の前方に出ることができないままレースが進行。9位に後退し予選のレースを終えた。それでも、1周およそ61秒のラップを刻んでいたタイムが奏功し決勝へと滑り込む。そして迎えた決勝。ここでも石塚は先頭集団のペースに食らいつき、後半での追い上げを狙った。しかし1200メートル手前で引き離されると、追いつくことができずにレースが終了。12着となり、タイムも予選より2秒以上落とすかたちとなった。

 レース後には終始反省を口にし、「実力不足」と自らを評した石塚。「ユニバとはかけ離れた結果」となり、「悔しさ」というより「虚無感」を感じる結果となった。しかし一方で、関東インカレでの健闘、日本選手権の標準記録突破を誓い、前を見据える姿勢も見られた。石塚のこれからの逆襲に期待がかかる。


最後の1周を走る石塚

(記事 横山勝興、写真 及川知世)

★早大勢は悔いが残る結果に(男子110メートル障害)

 男子110メートル障害には、早大デビュー戦となる西徹朗(スポ1=愛知・名古屋)と、池田海(スポ2=愛媛・松山北)が出場。上位進出が期待された2人だったが、池田が予選で、西が準決勝でそれぞれ失格となり、結果を残すことはできなかった。

  予選は両者対照的な結果に。1組で登場した西は、1度目はスタートを合わせられず警告を受けた。しかし、2度目はタイミングをうまく合わせ、14秒00の2着と好タイムでフィニッシュ。予想外のアクシデントにも動揺せず、予選は余力を残して突破した。一方、2組で登場した池田はスタートダッシュに成功するものの、7台目でバランスを崩し、その後も立て直すことはできず。ハードルを動かしたとして失格扱いとなり、悔しい予選落ちとなった。

 準決勝に進んだ西。強豪選手ひしめく組で着順上位で決勝進出を決めたいところだったが、再びアクシデントが待ち受ける。スタート合図の前に体が反応し、不正スタートに。失格となり、早大デビュー戦を優勝で飾ることはできなかった。しかし、西の挑戦は始まったばかり。今後の西、そして池田の活躍に期待だ。


ゴール後顔を覆う池田

(記事 森田健介、写真 及川知世)

結果

1日目 ▽男子

▽400メートル

予選

(5組2着+6)

眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)  48秒85(1組4着)

新上健太(人3=東京・早実)  48秒49 (2組2着)準決勝進出  

村木渉真(スポM2=愛知・千種)  48秒59(4組5着)準決勝進出

藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館)  48秒65 (5組5着)

準決勝

(2組3着+2)

新上  47秒96 (1組5着)決勝進出  

村木  48秒39 (2組5着)

▽110メートル障害

予選

(5組2着+6)

西徹朗(スポ1=愛知・名古屋)  14秒00(1組2着)準決勝進出

池田海(スポ2=愛媛・松山北)  失格

準決勝

(2組3着+2)

西  失格

▽1500メートル

予選

(2組6着+3)

石塚陽士(教2=東京・早実)  3分50秒23(1組9着)決勝進出

間瀬田純平(スポ1=佐賀・鳥栖工)  棄権

決勝

石塚(教2=東京・早実)  3分52秒43(12着)

▽1万メートル

決勝

井川龍人(スポ4=熊本・九州学院)  棄権

鈴木創士(スポ4=静岡・浜松日体)  棄権

▽女子

▽400メートル

予選

(5組2着+6)

新田望(スポ1=神奈川・法政二)  棄権

コメント

石塚陽士(教2=東京・早実)

――コンディションはいかがでしたか

決して悪いわけではありませんでしたが、調子が上がり切っていないなと感じていました。学年が上がってやることが増え、細かな疲労が蓄積していたのだと思います。

――どのようなレースプランを考えていましたか

1周60〜61秒くらいで回って、ラストで上げられればと考えていました。

――予選ではタイムで決勝進出を決めましたが予選のレースを振り返っていかがですか

スパートが利かないという印象でした。単発のスピードがなかったわけではないので、前々から課題に挙げていた切り替え能力の低さが露呈したと思います。最後も0・01秒差で競り負けましたし、良いとこなしの散々なレースだったと思います。

――決勝では予選よりタイムを落とすかたちとなりましたがレースを振り返っていかがですか

決勝前に、相楽さんから電話で「ラスト勝負では分が悪いから、中間疾走でどうするかだぞ」と言われていたので、走る前は残り600mくらいからスパートをかけられればと考えていました。しかし、予選の疲労が思いの外溜まっていたようで、スタート直後から体の状態としてはきつい状態が続いていました。とてもスパートをかけられる身体ではなかったです。1日に2本走るのが久しぶりで、以前よりレース間に疲労が抜けにくくなってしまったのかもしれません。

――雨と風の中でのレースとなりましたが影響はありましたか

天候はあまり影響なかったと思います。どちらかというと悪天候は自分にとってプラスにはたらく事の方が多いので。単純に実力不足です。

――目標とされていたワールドユニバーシティゲームズへの出場は来年以降に持ち越しとなりましたがそこについてはどう感じていますか

今回はユニバとはかけ離れた結果になってしまったので、悔しいというより虚無感がありました。来年に向けて一から作り直さないと、という気持ちです。

――今後の目標を教えてください

まずは関カレ(関東学生対校選手権)で勝ち切ること、そして関カレでトラックシーズンを終わりにしないように、日本選手権の標準を切れるように頑張りたいと思います。