Jリーグが2024年シーズン開幕に向けて動き始めている。進化を続けるJリーグは、今季もレギュレーションにいくつかの変更…
Jリーグが2024年シーズン開幕に向けて動き始めている。進化を続けるJリーグは、今季もレギュレーションにいくつかの変更が加えられた。そうした変化は、リーグの行方にどんな影響を及ぼすのか、サッカージャーナリスト後藤健生が読み解く。
■変わるルヴァンカップ
1月23日に2024シーズンJリーグの試合日程が発表され、各クラブも各地でキャンプを本格化。トレーニングマッチの情報なども入って来るし、2月に入るとプレシーズンマッチも始まる。
各クラブのサポーターにとっては、新シーズンに向けて期待が高まる時期だろう(開幕前は、全チームのサポーターが“夢”を抱ける)。
さて、今シーズンのJリーグはレギュレーションなどにいくつかの大きな変更があった。そこで、今回はそうした変更点などについて考えてみたい。
まず、今シーズンの大きな変化の一つはJリーグYBCルヴァンカップの大会方式の変更である。
昨シーズンまでJ1クラブだけが参加していたルヴァンカップだが、今シーズンからJ1リーグからJ3リーグまでの全60クラブが参加する大会となった(ACLのノックアウトステージに出場する3クラブは9月以降の「プライムラウンド」つまり準々決勝から参加)。
Jリーグクラブが参加する大会は、Jリーグ、天皇杯全日本選手権大会、そしてリーグカップであるルヴァンカップと3つの大会がある。それは熱心なサポーターにとっては当たり前のことなのかもしれないが、3大会が並行して行われる時期もあるので一般のファンにとってはさぞかし分かりにくいことだろう。
3大会の差別化が必要不可欠だ。
■ルヴァンカップの差別化
企業チームやクラブチーム、大学チームがJリーグクラブに挑む天皇杯は分かりやすい。だが、Jリーグクラブ同士が戦うルヴァンカップと通常のリーグ戦の区別は分かりにくいのではないか。
その点で、ルヴァンカップをJ3クラブまで含めて行うことで、リーグ戦との差別化が図れる。
そして、「ファーストラウンド」の試合は、原則として下位リーグのチーム(同一リーグの場合は2023シーズンの順位が下位のチーム)のホームで行うことになっている。
リーグ戦とリーグカップではリーグ戦のほうが重要な大会であり、当然、ルヴァンカップへの関心は低く、観客動員数も伸び悩んでいる。
しかし、試合が下位リーグのホームで開催されるようになれば、下位リーグのサポーターにとっては自分たちのクラブがJ1リーグの強豪に挑む姿を見られるだけに、サポーターを引き付ける魅力になるだろう。そして、下位リーグのホームで試合が行われれば、ジャイアントキリングの可能性も高まるはず。
ルヴァンカップという大会自体の注目度を高めることにもつながるし、下位リーグに所属する地方クラブにとってはローカルメディアでの露出も増やせるようになるはずだ。
昨年までの方式では4チームずつのグループステージでホーム&アウェー6試合を戦っていたが、新方式では「ファーストラウンド」で3試合、「プレーオフラウンド」で2試合、合計5試合でノックアウトステージ進出となるので、各クラブの試合数は1試合減る。
昨シーズンまでの方式では、グループステージはホーム&アウェーだったので、一発勝負化はリーグ戦との差別化に役立つ。
参加チーム数を増やし、大会の差別化を図りながら、各チームの負担を減らせるのだから、新方式の導入は歓迎すべきなのではないか。
■もう一つの変更点
ルヴァンカップには、もう一つの変更があった。
それは、「エントリー可能者の上限人数」つまりベンチ入りの人数の変更だ。
昨シーズンまで、J1からJ3までのリーグ戦およびルヴァンカップでは選手7人、スタッフ7人がベンチ入りできた。
それが、2024シーズンではリーグ戦では選手7人、スタッフ9人。ルヴァンカップでは選手9人、スタッフ9人までと変更されたのだ。
スタッフ増員の変更理由は「チームスタッフの役割の多様化(コーチング領域の細分化、複数言語の通訳対応)」とされている。その通りだと思う。
また、ルヴァンカップではベンチ入り選手数が増員されたが、その理由は「戦術の幅の拡大、育成や経験のためのベンチ入り機会の増加」だという。それも、その通りだろう。
しかし、J1からJ3までのリーグ戦では、ベンチ入りスタッフは2名増員されたが、ベンチ入り選手数(つまり交代要員)は7人のままに据え置かれた。
リーグ戦では「戦術の幅の拡大、育成や経験のためのベンチ入り機会の増加」は、必要ないのであろうか?