<大相撲一月場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館 体重110.4キロの20歳力士と、体重60キロの34歳力士の対決は、強烈な浴びせ倒しで20歳力士に軍配。勝負が決する際には「ドスッ」と館内に鈍い音が響き、どよめきが起こったが、20歳力士…

<大相撲一月場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

 体重110.4キロの20歳力士と、体重60キロの34歳力士の対決は、強烈な浴びせ倒しで20歳力士に軍配。勝負が決する際には「ドスッ」と館内に鈍い音が響き、どよめきが起こったが、20歳力士がみせた咄嗟のファインプレーに称賛の声が相次ぐ一幕があった。

【映像】20歳力士が見せた咄嗟のファインプレー

 序二段七十枚目・柾富士(伊勢ヶ濱)が序二段六十六枚目・宇瑠寅(式秀)を浴びせ倒しで下して3勝目を挙げ、宇瑠寅が今場所5敗目を喫した。

 立ち合い、体格差で不利な宇瑠寅が素早く柾富士の懐に潜り込むと、右足を掴んで足とりの体勢に。しかし、これをうまく切った柾富士が宇瑠寅の右腕を抱えると、さらに左を差して動きを封じる。

 動きを止められ苦しくなった宇瑠寅だが、右上手、左下手を引いて懸命の応戦。さらに左足を柾富士の足にかけて内掛けを狙うも、自身より50キロ重い柾富士の重心を崩すことができず。逆に110キロの体を預けられ、強烈な浴びせ倒しで、勢いよく背中から土俵に倒れ込んだ。

「ドスッ」

 鈍い音が響くと同時に館内には悲鳴にも似たどよめきが。と次の瞬間、柾富士が倒れた宇瑠寅の後頭部を咄嗟にかばうと、優しく抱き起す仕草を見せた。宇瑠寅は土俵に頭を打ったようで、後頭部の頭髪には土俵の土がたくさんついていた。

 その後、立ち上がった宇瑠寅が本来とは異なる東方面に歩き始めると、柾富士にそっと「違いますよ」といった様子で制される一幕も。宇瑠寅は所定の西方で一礼をして土俵を降りたが、土俵を降りる際にも方角を間違える一幕があり、ファンからは「フラフラやないか」「ちょっとクラクラ」「方向感覚」など心配の声が。

 一方では、柾富士の咄嗟の振る舞いに対しては「頭を気遣う」「やさしい首を抱えて」など称賛の声が寄せられた。土俵を降りた宇瑠寅は問題ない様子で、自らの足で花道を下がっていった。(ABEMA/大相撲チャンネル)