<大相撲一月場所>◇十一日目◇24日◇東京・両国国技館 幕内優勝争いで単独トップに立つ関脇・琴ノ若(佐渡ヶ嶽)が、前頭十一枚目・王鵬(大嶽)を押し出しで下して10勝目となる勝ち星を挙げた。大関昇進の目安である“3場所33勝”まで残り星3つと…
<大相撲一月場所>◇十一日目◇24日◇東京・両国国技館
幕内優勝争いで単独トップに立つ関脇・琴ノ若(佐渡ヶ嶽)が、前頭十一枚目・王鵬(大嶽)を押し出しで下して10勝目となる勝ち星を挙げた。大関昇進の目安である“3場所33勝”まで残り星3つと迫り、ファンも「顔つきが違う」「完全に一皮剥けた」と盛り上がった。
次代を担う“サラブレッド”対決は関脇が貫禄勝ちを示した。祖父は元横綱・琴桜、父は元関脇・琴ノ若の佐渡ケ嶽親方という親子3代で三役の琴ノ若。十一日目に対戦した王鵬も祖父が元横綱・大鵬、父が元関脇・貴闘力の3世代幕内力士だ。
1敗で優勝争いの先頭に立ち、大関昇進も目指す琴ノ若にとっては負けられない一番。立ち合い突き放されるも動じることのない琴ノ若は、相手の突き押しをいなしながら落ち着いた攻めを展開。はたかれても落ちず、堂々とした相撲で押し出しを決めた。勝った琴ノ若は二桁勝利となる10勝目を挙げ、大関昇進目安まで“マジック3”と迫った。敗れた王鵬は5敗目を喫した。
ABEMAで解説を務めた元横綱・白鵬の宮城野親方は取組前、ここまで十日間の琴ノ若の相撲について「心技体が揃っている。力強さ、巧さ、全部兼ね備えてますね」と評価。見事に王鵬を下して勝利すると「落ち着いていましたね」とコメントし、「前に出ながら手を伸ばして下からいく相撲がよかった」と勝因を分析した。さらに宮城野親方は「腰が高いから膝が曲がっていないように見えるけど、本人の中では曲がっている。重心が下にあるので、はたき込みについていけるし、押されてもしっかりと残すことができる」と琴ノ若の強さについて語った。
初の幕内最高優勝、そして大関昇進に向けてまた一歩前進した琴ノ若。堂々とした相撲で圧勝すると、ファンからは「これは強いわ」「万全ですな」「完全に一皮剥けた」「安定してきた」と称賛の声が殺到。取組後の穏やかな表情についても「顔つきが違う」「風格が出てきた」「貫禄出たよね」といったコメントが寄せられた。
ほか、十一日目の取組では、大関・霧島(陸奥)が関脇・大栄翔(追手風)の激しい突き押しに下がらず突き出しで勝利。新入幕の前頭十五枚目・大の里(二所ノ関)の挑戦を受けた大関・豊昇龍(立浪)は、圧力を受け止めると左四つに組んで下手投げで転がし新鋭を退けた。横綱・照ノ富士(伊勢ヶ濱)は前頭十四枚目・阿武咲(阿武松)と対戦、まわしを取ると一気に寄り切って危なげなく白星を挙げた。
十一日目の全取組を終えて、優勝争いは1敗を死守した琴ノ若が単独トップをキープ。2敗で照ノ富士、豊昇龍、霧島ら上位陣が追いかける展開となった。平幕の阿武咲、大の里は3敗に後退した。(ABEMA/大相撲チャンネル)