<大相撲一月場所>◇十日目◇23日◇東京・両国国技館  角界の未来が見える“令和の名勝負”が繰り広げられた——。1敗同士の対決となった関脇・琴ノ若(佐渡ヶ嶽)と前頭十五枚目・大の里(二所ノ関)の一番は、琴ノ若が番付の差を示すように圧倒。いず…

<大相撲一月場所>◇十日目◇23日◇東京・両国国技館

 角界の未来が見える“令和の名勝負”が繰り広げられた——。1敗同士の対決となった関脇・琴ノ若(佐渡ヶ嶽)と前頭十五枚目・大の里(二所ノ関)の一番は、琴ノ若が番付の差を示すように圧倒。いずれも将来が嘱望される“大器”の初顔合わせに館内は今場所一番の盛り上がりを見せた。

【映像】大型力士のド迫力対決

 3場所連続で関脇の座につき、今場所では大関昇進を目指している26歳・琴ノ若。初日から5連勝と好調で、六日目に1敗を喫するもののその後は白星を重ねて九日目を終えて8勝を挙げていた。

 一方、今場所が新入幕の23歳・大の里は、昭和以降3位タイのスピードで幕内昇進を果たした期待の新人。圧力を活かしたスケールの大きな相撲で白星を重ね、やはり8勝を挙げて勝ち越しを決めていた。

 幕内優勝争いのトップである1敗同士、初顔合わせの一番。身長192センチ、体重183キロと大柄な大の里は、この日が初の役力士への挑戦だ。迎え撃つ琴ノ若も身長189センチ、体重177キロと大きな体の持ち主で、まさに“超重量級”の対決となった。

 今場所一番の盛り上がりを見せた両国国技館。客席から熱視線が注がれるなか、立ち合い大の里はもろ手突きで当たろうとするも、胸で受け止めた琴ノ若が圧倒。すぐに中に入ってもろ差しになった琴ノ若は、そのまま胸を合わせて一気に前進、大の里の圧力をものともせず力強く寄り切って勝利した。1敗を死守した琴ノ若は9勝目を挙げ、大関昇進の目安とされる“3場所33勝”まで残り星4つと迫った。敗れた大の里は2敗に後退した。

 ABEMAで解説を務めた元前頭・玉飛鳥の熊ヶ谷親方は、取組前に「本当に楽しみな一番」とコメント。将来が嘱望される両者の初顔合わせに、「この2人がこれから何度も幕内上位で対戦した時に、今日の相撲がその1番目として語り継がれるようなものになってくれると嬉しいですね」と期待を込めていた。

 琴ノ若が番付の差を示すように圧倒すると、熊ヶ谷親方は「やはり関脇ですね」と一言。「(琴ノ若は)立ち合いから落ち着いていました。もろ差しに行って、その後も何もさせませんでした。やっぱりこの体勢になってしまうと大の里もなすすべがないです」と解説しつつ、「大の里もここから勝ち星を積み重ねて、今度は優勝決定戦で(琴ノ若を)倒すぐらいの強い気持ちで後半戦に臨んでほしい」と語った。

 これからも繰り返し見たい“期待の大器”同士の初対決に、ABEMAの視聴者も「相撲界の未来を担う2人」「貫禄勝ち」「大の里は全く自分の相撲できなかった」「さすがプリンス」「役力士は強いわ」「経験の差やね」と大盛り上がりの様子を見せていた。
(ABEMA/大相撲チャンネルより)