浦和レッズは2024シーズンに向けて沖縄県の金武町でキャンプを行っている。ノルウェーの名将として知られるペア=マティア…

 浦和レッズは2024シーズンに向けて沖縄県の金武町でキャンプを行っている。ノルウェーの名将として知られるペア=マティアス・へグモ監督が就任して1年目だが、年間60試合を戦った昨年から打って変わり、38試合に増えたリーグ戦と大会フォーマットの変わったルヴァン杯のみ。

 昨シーズンのキャプテンを務めた酒井宏樹は「もちろん!それしかないので」とリーグ優勝に全力を注ぐ気持ちを改めて示したが、新指揮官のもとでオーソドックスに、元々のサイドバックの特性を生かせることにやりがいと楽しさを感じているようだ。

「本来のプレースタイルに戻ってきたかなと。去年は至る所に顔を出してましたけど、すごい信頼を得ていたのでね。それはそれでやりがいありましたけど、時に1トップのようなポジションにいたので(笑)」

 4ー3ー3で左右のウイングがワイドに張り、中盤のインサイドハーフがサイドバックと大きなトライアングルを左右に作る。その形をあまり崩すことなくボールを前に前に運んで、基本的には左右のウイングが前を向いて縦かゴール方向に勝負する。オーソドックスではあるが、最近は可変性の高いスタイルが主流になっている中で、むしろ新鮮さを感じる。

 サイドバックの選手はシンプルに、ビルドアップに関わることとウイングを後ろからサポートすることが基本となり、あらかじめ高めの位置を取ることなく、タイミングを見て爆発的な走力を生かして攻撃参加する。酒井は攻撃に関わる時間が少なくなった代わりに「去年より自分が前に行かないといけないシチュエーションが少ないので。より選んで、行きたいと思った時に行ける」と語る。

 言いかえればウイングの力が非常にカギを握るスタイルであり、今年最初のトレーニングマッチとなった沖縄SV戦で右ウイングを担った前田直輝にそのやりがいについて聞くと「めちゃくちゃありますよ」と返ってきた。その前田は「本当にウイングの良し悪しで左右されると言っても過言ではないと、自分の中で責任感を持ちながらやっている」と語る。

■試合数の変化で意識にも違い

 今のところウイングのファーストセットは右が前田、左はベルギーのウェステルローから戻ってきた松尾佑介という組み合わせだが、ASローマからノルウェー代表のオラ・ソルバッケンを獲得しており、関根貴大や現在は怪我から回復中の大久保智明など、非常にハイレベルな競争になりそうだ。もちろん、そうした競争はウイングだけでなくFW、中盤、サイドバックなど各ポジションで発生する。

 酒井は「去年は競争できるような試合数じゃなくて、みんなでカバーしていく試合数だったので。1週間に1試合になるようなチームの試合数になると言うことは、またちょっと去年と違う意識をしていかないといけない」と語るが、逆に言えば試合後にしっかりと準備して臨めるとともに、選手たちは練習からバチバチの競争をしていくことができる。そこは大きな違いであり、へグモ監督にとってもリーグ優勝への後押しになるに違いない。

(取材・文/河治良幸)

(後編へ続く)

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