<大相撲一月場所>◇六日目◇19日◇東京・両国国技館 大相撲一月場所、六日目の結びの一番は取組後に、照ノ富士が土俵下の翔猿を鬼の形相で睨みつけるなど、あわや一触即発の事態に陥った。館内が騒然となる中、元嘉風の中邑親方は「(照ノ富士は)キレて…
<大相撲一月場所>◇六日目◇19日◇東京・両国国技館
大相撲一月場所、六日目の結びの一番は取組後に、照ノ富士が土俵下の翔猿を鬼の形相で睨みつけるなど、あわや一触即発の事態に陥った。館内が騒然となる中、元嘉風の中邑親方は「(照ノ富士は)キレてますよ。しっかりキレてます」と見解を示した。
横綱の照ノ富士(伊勢ヶ濱)が前頭四枚目・翔猿(追手風)を押し出して5勝目を挙げた。互いに出方を探るように諸手で立った両者、翔猿が照ノ富士の左腕をたぐって体勢を崩すと、照ノ富士を追いかけて右をおっつける。と次の瞬間、翔猿が蹴手繰りで照ノ富士の左足を一撃。
これに表情を一変させた照ノ富士は左、右と張り手を繰り出して応戦。さらに翔猿の右腕を抱えるように動きを止めると、左腕を振り回すように強引な小手投げを打つ。たまらず土俵際に追いやられた翔猿を追いかけた照ノ富士は強烈な押し出しで勝負を決めた。対する翔猿は3敗目を喫した。
照ノ富士は珍しく取組後にもヒートアップ。土俵下に転落した翔猿を鬼の形相で睨みつけると、勝ち名乗りを受ける際にも土俵の西方に立つ翔猿をまっすぐに見つめ、口をぐっと結んだ。横綱の珍しい一面に館内は拍手と歓声、どよめきが入り混じって騒然となった。
ABEMA解説の元嘉風・中村親方は「翔猿は極められないように簡単に懐に入らない。照ノ富士は外から外からですね。翔猿が抱えられたり、極められたりを嫌って警戒しているうちに、照ノ富士がどんどん攻めた。翔猿は押される、残す作業をしながら懐に入らないといけないので、やることが多い。常に土俵の中心に背を向けてるのは照ノ富士だった」と話し、終始横綱ペースで取組が進んだことを解説。
さらにファンから「照ノ富士、キレてないか?」との声が相次いだことについて話を振られると「キレてますよ。キレてるんですよ。しっかりキレてますね」と反応。続けて「冷静さが無くなるくらいキレていた。ただ土俵を割ってからキレていた。相撲を取っているときは冷静だった。だから相撲が雑にならない」と述べた。
翔猿が足を払うような攻めを見せたことについては「結果的にあの蹴手繰りが要らなかった。邪魔だった。何もかく乱につながらなかった。翔猿もよくやった。受けて立った照ノ富士も立派だった」と締めた。(ABEMA/大相撲チャンネル)