冬季全国高校総体(全国高体連など主催、読売新聞社共催)の第73回全国高校スケート・アイスホッケー選手権大会が18日、開…
冬季全国高校総体(全国高体連など主催、読売新聞社共催)の第73回全国高校スケート・アイスホッケー選手権大会が18日、開幕する。スピードスケートは岐阜県恵那市で、フィギュアスケートは茨城県ひたちなか市でそれぞれ競技が始まり、全国から集まった高校生アスリートが熱戦を繰り広げる。
スピードスケート女子1000メートルで連覇を目指す帯広三条の河原莉緒選手(3年)は、「誰が相手でも全力を出して連覇したい」と決意を語った。
1メートル70の長身を生かした力のあるストライドで、スピードが落ちない滑りが強みだ。昨年12月、帯広市で行われた全日本選手権に高校生ながら出場し、女子スプリント総合部門で7位に入った。1000メートルでは1分18秒77の自己ベストを記録し、「自分らしい滑りができた」と笑みがこぼれた。
小学1年で競技を始めた。中学生になり、全国大会には出場できたものの、目立った成績は残せず、記録も伸び悩んだ。「活躍する同年代の選手を見ていてつらい時期だった」と振り返る。
それまで陸上の中距離種目にも取り組んでいたが、中3からスピードスケートに専念し、夏はロードバイクを使ったトレーニングに励んだ。成果はすぐに出て、中3の全道大会では大会新記録で1000メートルを制した。だが飛躍を期した全国大会は、新型コロナウイルスの影響で中止に。全国の舞台で表彰台に立つことはできなかった。
さらなる高みを目指し、高校は強豪の帯広三条を選んだ。後藤陽監督は「入学当初はそこまで目立った選手ではなかったが、まじめに練習に取り組んで成長した。膝が柔らかく、きれいな滑りをする」と評する。より低い姿勢で滑ることで、氷に効率的に力を伝えることができるようになった。
高2の全日本距離別選手権のジュニア部門では、500メートルと1500メートルの2冠を達成。昨年の高校総体も1000メートルで優勝した。力強さとスピードを武器に好成績を残してきたが、先月の全日本選手権ではスタートの加速がうまくいかず、「出遅れたのが最後まで響いた」と反省する。今の課題はスタートダッシュで、就寝前に練習の動画をスマホで見返し、気付いた反省点をノートに記録している。
18日から競技が始まる自身最後の高校総体は、1000メートルの連覇を狙うほか、1500メートル、リレー、チームパシュート(団体追い抜き)にも出場予定で、「最後は自分との戦い」と意気込む。目標は高木美帆選手で、「将来は五輪に出たい」。その先に広がる世界の舞台も見据えている。(牟田口輝)