1月14日は京都競馬場でハンデ重賞の日経新春杯(GII、芝2400m)が開催されます。京都競馬場の大規模改修工事に伴う開催日割り変更のため、本重賞は2021年から23年にかけては中京競馬場で開催され、京都競馬場で行われるのは実に4年ぶりです…

1月14日は京都競馬場でハンデ重賞の日経新春杯(GII、芝2400m)が開催されます。京都競馬場の大規模改修工事に伴う開催日割り変更のため、本重賞は2021年から23年にかけては中京競馬場で開催され、京都競馬場で行われるのは実に4年ぶりです。

今回はその中京施行時を除く2000年から20年の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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■軸は池添謙一騎手で決まり

今年の日経新春杯に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは6騎手。各騎手のデータは次の通りです。

日経新春杯騎手データ(2000-20年、21-23年の中京開催を除く)

3場開催でかつ同日に中山競馬場で重賞・京成杯が組まれる関係上、有力騎手が分散しやすく今年は騎乗経験のある騎手がかなり少なくなりました。

また、日経新春杯で複数の勝利経験がある四位洋文元騎手、福永祐一元騎手は既に調教師に転身済みです。

その状況下、はっきり好成績を残せているのがベテランの池添謙一騎手。同騎手は2004年のマーブルチーフ(8番人気2着)、05年のマーブルチーフ(7番人気2着)、10年のメイショウベルーガ(2番人気1着)、20年のモズベッロ(2番人気1着)で4度の連対。15年のサトノノブレス(1番人気11着)のように人気を裏切ったケースもありますが、集計期間内で武豊騎手より連対している事実は重みがあります。

そんな池添謙一騎手の注目ファクターは騎乗馬の「年齢」で4歳または5歳馬に騎乗した際は【2.2.0.5】で連対率44.4%を記録します。複勝回収率は132%ですから、3連複やワイドの軸に指定した場合、配当面もそれなりに期待できるでしょう。

そして今年の日経新春杯で同騎手が跨るのが前日16時時点2番人気のサヴォーナ(牡4、栗東・中竹和也厩舎)。熱いデータに該当するため強気に軸扱いが正解ですね。

■川田将雅騎手は人気と馬主に注目

続いて川田将雅騎手のデータを見ていきましょう。

同騎手は2016年のレーヴミストラル(2番人気)を勝利に導いていますが、集計期間内の馬券絡みはこの1度だけです。2009年のアドマイヤモナーク(2番人気5着)、19年のムイトオブリガード(2番人気6着)では人気に反していて、2番人気では【1.0.0.2】連対率33.3%。これをいかに考えるかとなりそうです。

ちなみに同騎手がJRA重賞で2番人気に推された際は2000年以降、【22.19.27.59】で連対率は32.3%ですから、ほぼ全体の数値と重なります。

この数字だけなら馬連の軸より3連複の軸向きかなと判断しますが、さらに「馬主」を組み合わせて見ていくと面白いデータが発見できました。

「川田将雅騎手×重賞2番人気×サトミホースカンパニーまたは里見治氏」の組み合わせは【3.0.0.1】で勝率・連対率75.0%。

2015年京都新聞杯のサトノラーゼン、16年スワンSのサトノアラジン、18年京都大賞典のサトノダイヤモンドが勝利を挙げていて、その3頭とも「京都」が舞台だったのは興味深いです。

そんな川田将雅騎手が騎乗予定なのが前日16時時点4番人気のサトノグランツ(牡4、栗東・友道康夫厩舎)。混戦の中で最終的に2番人気ないし3番人気になると見ていますが、データ的に熱いのは2番人気に推されるケースですね。発走ギリギリまでオッズを見極める必要はありますが、2番人気なら馬単や3連単の頭で勝負してみてください。

■ハーツコンチェルト&松山弘平騎手は?

前日16時時点3番人気のハーツコンチェルト(牡4、美浦・武井亮厩舎)に跨る松山弘平騎手のデータを考察していきます。

表に同騎手の名がないこともあって「おや?」と思われた方が多かったかもしれませんが、なんと松山弘平騎手は集計期間内に日経新春杯での騎乗がありませんでした。

そのため、同じ距離で行われる京都大賞典の結果を算出してみると、2000年以降は【0.0.0.7】連対率0%です。ただし、京都大賞典は5番人気以内の馬に騎乗した経験がなく、注目ポイントは連対率よりも平均着順と平均人気かもしれません。京都大賞典では平均着順8.7に対し平均人気8.9ですから、データからはほぼ人気通りの着順が見込めると考えられます。

以上、日経新春杯の気になる騎手データでした。データ注目騎手は池添謙一騎手、川田将雅騎手の2名です。

先週の中山金杯ではデータ注目騎手として取り上げたM.デムーロ騎手が跨る6番人気のマイネルクリソーラが3着に好走。今週もデータ注目騎手の活躍が見られるのかご注目ください。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。