世界陸上ロンドン大会で8月5日に男子100メートル決勝が行われた。今大会で現役引退を表明しているウサイン・ボルトは9秒95で3位に終わり、ジャスティン・ガトリンが9秒92で優勝した。勝敗を分けたのはスタートでの反応時間だった。1位のガトリン…
世界陸上ロンドン大会で8月5日に男子100メートル決勝が行われた。今大会で現役引退を表明しているウサイン・ボルトは9秒95で3位に終わり、ジャスティン・ガトリンが9秒92で優勝した。
勝敗を分けたのはスタートでの反応時間だった。1位のガトリンが0.138秒、2位のクリスチャン・コールマンが0.123秒だったのに対し、ボルトは0.183秒。この時点でライバルたちに遅れた。
ただ、ボルトがスタートで遅れ気味になるのはこれまでもあった。それでも勝ち続けてこれたのは中盤からの圧倒的な加速力。今回もスタートの遅れを取り戻して接戦に持ち込んだが、そこから抜き去るスピードがいまのボルトにはなかった。
「自分のスタートに殺された」とボルト。通常は予選からラウンドを重ねるごとに良くなってくるが、「今回はそれがなかった。それが敗因だ」と語った。
ロンドンは2012年の五輪で北京に続く個人種目2大会連続二冠を達成した思い出の地でもある。この場所で現役生活を終えることにボルトは感謝を示した。
「雑だった。少しストレスも感じていた。だけど、これまでの世界陸上と同じように出てきて、ベストを尽くせた。ありがとうロンドン。皆さんの愛と応援に感謝する。これは素晴らしい経験だ。勝利で締めくくれず申し訳ない」
ボルトの個人種目ラストランにファンからは、「ボルトには勝ち続けたまま引退してほしかった」「スタートで出遅れたのはそうだけど後半で差されてるから実際は後半の衰えのほうが目についた」「ガトリンも紆余曲折あったけど35歳で100メートル世界一はすごい」などの声が寄せられている。
ボルトは400メートルリレーで世界陸上通算12個目の金メダルを目指す。
世界陸上ロンドン大会 男子100メートル決勝(c) Getty Images
ジャスティン・ガトリン(左)とウサイン・ボルト(2017年8月5日)(c) Getty Images
ウサイン・ボルト(2017年8月5日)(c) Getty Images