今週の京成杯(3歳・GIII・芝2000m)と3月の弥生賞ディープインパクト記念(3歳・GII・芝2000m)は、ともに中山芝2000mが舞台のクラシック前哨戦。しかしながら、レースの性質や春の大舞台への影響度には決定的な差がある。  …

 今週の京成杯(3歳・GIII・芝2000m)と3月の弥生賞ディープインパクト記念(3歳・GII・芝2000m)は、ともに中山芝2000mが舞台のクラシック前哨戦。しかしながら、レースの性質や春の大舞台への影響度には決定的な差がある。

 まずは時計面をチェックしたい。近10年に限ると、良馬場で行われたのは京成杯が9回、弥生賞ディープインパクト記念が7回。その勝ち時計、前後半3Fの平均を見てみよう。

・京成杯…勝ち時計2分1秒8、前半3F36秒5、後半3F35秒9
・弥生賞ディープインパクト記念…勝ち時計2分1秒2、前半3F35秒9、後半3F35秒1

 一目瞭然、全ての数字で弥生賞ディープインパクト記念が上回っている。もちろん、冬場の京成杯に比べて、春開催の弥生賞ディープインパクト記念の方が時計は出るのは当たり前。とはいえ、同舞台のクラシック第一弾・皐月賞もGIとあって速い時計の決着になる。したがって弥生賞ディープインパクト記念の方が皐月賞にリンクしやすいのは当然だろう。

 続いてメンバーレベルをチェックしたい。過去10年の出走馬が、3歳のうちに勝った重賞の数を目安とすると、京成杯はGI、GII、GIIIが2勝ずつ。ちなみにGIの2勝は昨年の皐月賞のソールオリエンス、同じくNHKマイルCのシャンパンカラーだった。

 一方の弥生賞ディープインパクト記念はGIが9勝、GIIが5勝、GIIIが2勝。14年のワンアンドオンリー、16年のマカヒキ、18年のワグネリアン、22年のドウデュース、そして昨年のタスティエーラと、日本ダービー馬が5頭も出ているのは凄いの一言。皐月賞トライアルでありながら、ダービートライアルの顔も持ち合わせているといえる。このデータからも、京成杯と弥生賞ディープインパクト記念でクラシックへの影響度に大きな違いがあることは明らかだ。

 今年も個性的なメンバーが揃った京成杯。弥生賞ディープインパクト記念に比べると存在感が薄い一戦ではあるが、昨年のソールオリエンスに続き、未来のスター候補が出てくることを期待したい。