第29回関東女子サッカーリーグ早大11-0(前半)0-0(後半)0筑波大【得点】(早大)31分:崎岡由真(筑波大)なし …

第29回関東女子サッカーリーグ
早大1-0(前半)
0-0(後半)
筑波大
【得点】
(早大)31分:崎岡由真
(筑波大)なし

 関東女子サッカーリーグ(関東リーグ)は前期第6節を迎えた。前日に引き続き筑波大を相手取っての試合は、この日もア式蹴球部女子(ア女)が主導権を握る展開に。31分にカウンターからFW﨑岡由真(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)が決め先制に成功する。後半に入っても攻める時間帯は続いたが、その後スコアは動かず試合終了。盤石の試合運びで勝利を挙げ、チーム全体ではこれで公式戦4連勝となった。

 


クロスを上げるDF木南花菜(スポ3=ちふれASエルフェン埼玉マリ)。攻守両面でチームに貢献した

 前節(5月20日、VONDS市原FCレディース戦、〇1-0)、関東リーグ初勝利を飾ったア女。攻撃陣からスタートする強度の高いプレスは前節そのままに、より引いてくる相手を崩しにいく展開となった。13分、攻撃時1度失ったボールを回収したMF川本美羽(スポ1=新潟・帝京長岡)が思い切りよくシュート。惜しくも相手キーパーに阻まれたが、川本はその後も積極的にバイタルからのシュートを連発した。17分にも川本のミドルシュートがポストを直撃。残ったボールは崎岡の前にこぼれたが相手ディフェンダーにかき出され、それをさらに後ろからMF淀川知華(商2=山梨・日本航空)が合わせたが枠の上に飛んだ。チャンスを作りながらもなかなか得点に結びつかない中、迎えた31分。相手が上げたクロスをキャッチしたGK田村亜沙美(スポ1=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が素早く淀川へ。少し運んだ淀川が前線のFW千葉梨々花(スポ1=東京・十文字)に送ると、その千葉は裏に抜け出した崎岡にスルーパス。崎岡が最後はしっかりと決め、鮮やかなカウンターからのゴールで1-0とした。その後もア女は攻撃の手を緩めず、35分には川本、36分には千葉、39分にはMF大森美南(スポ4=東京・八王子学園八王子)と次々に際どいミドルシュートを放ったが、ゴールとはならず。1-0のまま前半を折り返した。

 


90分間で計5本のシュートを放った川本。ほとんどが良いコースに飛んだがゴールはならず

 後半開始直後こそ相手の攻撃を受けるかたちになったが、すぐにア女ペースに。リード「している」というより「されている」チームかのごとく、相手ゴールを攻め立てる。53分には左サイドに途中投入されたMF阪本環(スポ2=日体大FIELDS横浜U18)からゴール前に鋭いクロス。これには中で崎岡が合わせたが枠を外れた。63分にはまたも川本のミドルシュートがクロスバー。70分にも再び左サイドの阪本からクロスが上がり、千葉が飛び込んだが惜しくも触ることができない。なかなか追加点が生まれず迎えた終盤、次第に相手が勢いをもち始める。90分にはエリア内でシュートを許すが、クロスバーに救われ事なきを得る。追加タイムにもシュートを放たれると、ディフレクションしたボールがバーすれすれの際どいコースに飛んだ。それでも最後は全員がハードワークして守り切り、1-0で辛くも勝利。関東リーグ初勝利からの嬉しい連続白星となった。

 


得点を喜ぶ選手たち

 「自分たちで試合を難しくしてしまった」と木南。相手のシュート数4に対してア女は21と、ワンサイドゲームと言ってもよい内容ではあったが、その点差はわずかに1。終盤には失点してもおかしくないようなピンチも迎えた。選手にとっては、今後に向けての課題や教訓を得られるゲームとなったはずだ。とはいえ、前節同様無失点で試合を終えたのは特筆すべき点だろう。この日も好プレーでチームを引き締めた田村は、「レイア戦(5月14日、OSAレイア湘南FC戦、●2-3)、ラスト10分で3失点するという悔しい思いをした中で、その反省を今後に生かしていかなければいかないと考えていた」と、ここ2試合の戦いぶりを振り返る。関カレ同様、ソリッドな試合運びができている関東リーグ。両リーグとも上位進出に向け、調子は上々だ。

(記事、写真 大幡拓登)

 


スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK21田村亜沙美スポ1ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
DF田頭花菜スポ3東京・十文字
DF13木南花菜スポ3ちふれASエルフェン埼玉マリ
DF15小林舞美スポ2ちふれASエルフェン埼玉マリ
DF25杉山遥菜スポ1東京・十文字
→56分浦部美月スポ4スフィーダ世田谷FCユース
MF12大森美南スポ4東京・八王子学園八王子
→HT27新井みゆきスポ1埼玉・浦和レッズレディースユース
MF17藤田智里スポ4神奈川・大和
→HT22阪本環スポ2日体大FIELDS横浜U18
MF19淀川知華商2山梨・日本航空
MF29川本美羽スポ1新潟・帝京長岡
FW26千葉梨々花スポ1東京・十文字
→74分白井美羽スポ3ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
FW28﨑岡由真スポ1埼玉・浦和レッズレディースユース
◎=ゲームキャプテン
コメント

木南花菜(スポ3=ちふれASエルフェン埼玉マリ)

――連勝になりましたが、振り返っていかがですか

 結果として勝利できたのですが、最後は苦しい時間帯もありましたし、前半に決めなければいけないシーンもあったので、自分たちで試合を難しくしてしまったのかなと思います。ここから改善していければいいなと思います。

――前半から上下動を繰り返されていましたが、そこはチームに貢献できたポイントですか

 逆サイドのはる(杉山遥菜、スポ1=東京・十文字)が上がることも多かったのでそれを見ながら、というかたちにはなったんですけど、個人としてもサイドバックに入った時には後ろから攻撃参加できればいいなと思っていたので、積極的にいけたのは良かったかなと思います。

――中に絞って相手からボールを奪うシーンなどもあったと思いますが、前線からの守備に関しては手応えを感じる部分ですか

 前線の選手たちが切り替えとかで相手のパスコースを切ったりしてくれていたので、それができていたからこそ自分たちも狙いを定めやすかったです。

――攻撃に関してはもう少し得点が期待できたとも思いますが、いかがですか

 相手が結構引いていたので、ミドルシュートが多くなりました。そこに関しては個人の質を高める必要があると思いますし、前と後ろの関わり合いなど、上手くいっていない部分は試合中にもっと改善していくことができれば良いなと思います。

――前節は関カレでスタメン出場されましたが、振り返っていかがですか

 前節は関カレで出させてもらって、自分のプレースタイル的に縦突破とかが得意なタイプじゃない中で、これからどうやって関カレに食い込んでいくか、というところを考える良い機会になったかなと思います。

――今後の関東リーグ、どのように戦っていきたいですか

 史さんも言っていたのですが、自分たちが攻め込んでいる時こそ点を取って、リーグ戦なので得失点差ももちろん関わってきますし、ひとつひとつしっかり戦って、結果に結びつけていきたいです。

 

田村亜沙美(スポ1=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

――今日の試合を90分間振り返っていかがですか

 前後半通して切り替え早くシュートまでいけるシーンが多く、良いリズムを作れていた中でなかなか決め切ることができなかったです。自分の中では無失点というところを意識していたので、終盤押される時間もあった中でしっかり無失点で勝ち切ることができたのは良かったかなと思います。

――関東リーグここ3試合スタメン出場が続いていますが、ご自身の感触はいかがですか

 スタメンデビューしたレイア戦、ラスト10分で3失点するという悔しい思いをした中で、その反省を今後に生かしていかなければいかないと考えていました。最後まで粘り強く戦うところだったり、自分を中心に声をかけて守り切るところだったりという部分を意識してここ2試合やってきて、それが結果として出ているというのは良かったかなと思います。

――ア女に加入してから3、4ヵ月が経っていますが、チームの雰囲気などどのように感じていますか

 すごく明るくて、先輩方も優しいです。でも大事なところはちゃんと求め合う、とても良い環境で練習させてもらっていることが、自分の成長にもつながっていますし、ア女に入って良かったなと思います。

――キーパーとして、高校時代と異なることを求められたり、違いを感じたりすることはありますか

 1番感じるのは、高校時代に比べてボールのスピードが上がったところです。パスやシュートのタイミングが早まった分、自分の準備ももっと早く整えていかなければならないと感じていますし、試行錯誤しながらですが、ちょっとずつ慣れてきたかなと思います。

――今日の試合の終盤、良い反応を見せたシーンがあったかと思いますが、セーブに関してはご自身の武器だと感じていますか

 基本的にシュートストップは得意としている部分ですし、あのシーンではオフサイドだったかもしれないですが、しっかりと弾き切ってゴールを割らせないというところができたので良かったと思います。

――今後の関東リーグ、どのように戦っていきたいですか

 今勝てているこのムードを壊さずに、3、4連勝と勝ち点を積み上げていけるように、練習からみんなで頑張っていきたいと思います。