ネリとの対戦決定が報じられる井上。このモンスターに思わぬ指摘が飛んでいる。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext 日本が生んだ“モンスター”の次戦に熱視線が注がれている。去る1月9日、米スポーツ専門局『E…

ネリとの対戦決定が報じられる井上。このモンスターに思わぬ指摘が飛んでいる。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 日本が生んだ“モンスター”の次戦に熱視線が注がれている。去る1月9日、米スポーツ専門局『ESPN』は、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が、元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)と5月に東京で対戦することで「契約合意した」と報じた。

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 昨年12月26日にWBA&IBF王者だったマーロン・タパレスとの4団体統一戦を制し、史上2人目となる2階級での“完全統一”を果たした井上。多士済々の階級で圧倒的な強さを誇示するモンスターだが、海の向こうで思わぬ評価が飛んでいる。

 米専門サイト『Boxing247.com』は、開催実現が秒読み段階とされている“悪童”との次戦について「ネリはタパレスよりも爆発力が遥かに上を行くパンチャーだ」と強調。そのうえで、井上のポテンシャルに思わぬ疑念をぶつけている。

「イノウエは明らかにバンタム級、スーパーフライ級、ライトフライ級で戦っていた頃と同じファイターではない。世界を驚かせた“モンスター”が、ここまでの階級で持っていたパワーは、スーパーバンタム級で同じように発揮されてはいない」

 もっとも、昨年1月にスーパーバンタム級に転級後の井上は2戦2勝。しかも、2戦とも相手をリングに沈める議論の余地がない結果(TKOとKO)を残している。パワーの衰えを指摘するのは現時点では見られない。

 だがしかし、同メディアは対戦中に強烈なフックを被弾するシーンもあったタパレス戦の内容を受け、「イノウエは明らかに居心地の悪そうな表情を浮かべていた」と指摘。さらに強気に論じている。

「イノウエはノニト・ドネアと初めて対戦した時以来、久々に多くの打撃を浴びた。間違いなくネリはタパレスよりパンチが巧みで、爆発力も秘めている。さらに彼は一発に重みのあるパンチを打つタイプであり、イノウエに大きなダメージを与えられるだろう」

 たしかにネリも実績を十分に積み上げてはいる。昨年には2月にアザト・ホバニシャン(アルメニア)を、7月にフローイラン・サルダール(フィリピン)をそれぞれTKOで撃破。2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチとして山中慎介氏と対戦した際に犯したドーピング違反と体重超過などの問題行動も見られていない。とはいえ、井上のパワーがダウンしているとは考えにくいが……。

 果たして、世界が関心を寄せる対戦は実現するのか。東京ドーム開催が囁かれる勝負の行方をしっかりと見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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