今週は、春の長距離戦線を見据える伝統のハンデ重賞、第71回日経新春杯(GII、芝2400m)が京都競馬場で行われる。 今年は、神戸新聞杯を制したサトノグランツをはじめ、サヴォーナ、ハーツコンチェルト、リビアングラスといった、明け4歳馬が中心…

今週は、春の長距離戦線を見据える伝統のハンデ重賞、第71回日経新春杯(GII、芝2400m)が京都競馬場で行われる。

今年は、神戸新聞杯を制したサトノグランツをはじめ、サヴォーナ、ハーツコンチェルト、リビアングラスといった、明け4歳馬が中心のメンバー構成。対して、ブローザホーンやディアスティマなど、5歳以上世代が迎え撃つが、核となる馬は不在で波乱含みの一戦となりそうだ。

そんな中、菊花賞5着のサヴォーナが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■注目すべきは着差、その罠に引っ掛かるな

サヴォーナは重賞勝ちこそないものの、デビューから11戦して掲示板を外したのはわずか1回という堅実派。2走前の神戸新聞杯では、勝ったサトノグランツとアタマ差の2着、前走の菊花賞では、スタートがひと息で前半は後方から進めたが、向正面からマクリ気味に進出し、直線では見せ場を作って5着に好走するなど、同世代では地力上位の存在だ。

しかし、その菊花賞では、勝ったドゥレッツァが強すぎたとはいえ、1秒0差と大きく離された点はいただけない。過去10年の日経新春杯で、前走・菊花賞組は【3.0.1.9】と最多勝利を挙げているが、1秒0以上離された馬は【0.0.1.8】で複回収値はわずか「26」。馬券に絡んだのは、中京で行われた昨年のプラダリア(3着)のみ。京都開催の日経新春杯では掲示板を確保するのがやっとで、過去の傾向から考えると、今回勝ち切ることは難しいと考える。

また、サヴォーナは菊花賞での上がり3F順位が17頭中11位だったわけだが、過去10年の日経新春杯で、前走の上がり3F順位が6位以下だった4歳馬の成績は【1.0.1.10】。馬券に絡んだのは、中京で行われた一昨年ヨーホーレイク(1着)と、上述したプラダリアの2頭。京都開催では2020年レッドジェニアル(1人気7着)など、すべて馬券圏外に敗れており、京都開催に戻る今年は上がり性能も要求されるレースと言えそうだ。

加えて、主要4場におけるキズナ産駒の芝2400m以上の成績は以下の通り。 東京【2.6.6.35】 中山【1.1.1.9】 京都【0.1.4.11】 阪神【8.7.4.20】 阪神コースではめっぽう強いのに対し、京都コースではそれなりに馬券には絡んでくるが、いまだ未勝利という点も気になる材料だ。

今回は菊花賞から直行する4歳馬が中心の様相だが、サトノグランツをはじめ、どの馬も勝ち馬から大きく離されており、過去のデータから紐解くと信頼を置ける馬は不在だ。なかでもサヴォーナは、より不安材料が多く、人気を集めるようなら妙味はないと考え、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。