【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい!血統表でよく見る名馬 【モガミ】  初年度産駒シリウスシンボリが日本ダービーを、2年目の産駒メジロラモーヌが牝馬三冠を達成し、80年代に大きな存在感を示しまし…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい!血統表でよく見る名馬

【モガミ】

 初年度産駒シリウスシンボリが日本ダービーを、2年目の産駒メジロラモーヌが牝馬三冠を達成し、80年代に大きな存在感を示しました。軽快なスピードには欠けるものの、スタミナと底力に強みがあり、道悪、ダート、障害でも強さを発揮しました。

 現代競馬に適応するようなスピードや切れ味に欠け、気性面でも難しさを抱えていたため、母方に入って扱いやすい血とはいえません。ただ、代を経ることでそうした臭みが抜け、スタミナや底力をサポートする役割を果たした場合、きわめて優れた産駒を出しています。その代表作がモーリスでありグローリーヴェイズです。前者の2代母メジロモントレーは重賞を4勝した名牝、後者の3代母メジロラモーヌは牝馬三冠馬。いずれもモガミの娘です。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「24年新種牡馬の産駒の馬産地の評判」

 芝中距離向きのナンバーワンはサートゥルナーリア。新種牡馬のなかで血統登録頭数142頭は第2位、ノーザンファーム生産頭数37頭は第1位です。母はシーザリオ、半兄にエピファネイアとリオンディーズを持つ超良血。当然のことながら繁殖牝馬にも恵まれており、一定以上の成功は約束されているといっていいでしょう。育成も順調に進んでおり、現時点で気になる点はありません。適度に気の強さがあるのもプラス材料。

 マイラータイプではアドマイヤマーズとモズアスコット。前者の仔はセリでの評価が高く、ノーザンファームのバックアップも十分。後者の仔はフランケル系らしい筋肉量豊富な馬体が目立ちます。日高の繁殖牝馬中心ですがちょっとおもしろいのでは、という声もあります。

 ダート向きではルヴァンスレーヴとゴールドドリーム。前者の仔は線が綺麗な馬体で、芝向きと思えるようなものも目に付きます。後者の仔は気性面の激しさも垣間見せていますが、それを負けん気の強さやスピードに転化できれば楽しみです。