元日に発表されたアジアカップ(1月12日開幕)に向けた日本代表メンバー。5-0で大勝したタイ代表との強化試合から2時半後に開かれた会見で森保一監督は、「優勝を目指して大会に臨む」と強い覚悟を示した。 ただ、タイ戦で森保ジャパン2024年初…

 元日に発表されたアジアカップ(1月12日開幕)に向けた日本代表メンバー。5-0で大勝したタイ代表との強化試合から2時半後に開かれた会見で森保一監督は、「優勝を目指して大会に臨む」と強い覚悟を示した。

 ただ、タイ戦で森保ジャパン2024年初ゴールを挙げた田中碧をはじめ鎌田大地、古橋亨梧という常連組が招集外になったことについては、「招集できる条件の中でベストということで、このグループを作らせていただいている。詳しくは話せないが、置かれている状況は色々とある。チーム編成するにあたり、色々な条件の中で選んだとご理解していただければ」と言葉を濁した。欧州各国リーグがシーズン中なこと、そして冬の移籍市場が開いているという事情が、少なからずチーム編成に影響したようだ。

 また、選手登録枠が23人から26人に直前で増えたことも(試合ごとの登録は23人)、もちろんスカッドに影響。森保監督は「23人の枠だとバランス良くと考えたかもしれないが、プラス3枠になり、より攻撃的な特長を持った選手を増やせた」と語り、実際にセントラルMFがやや手薄に見える一方、2列目と前線はかなりの厚みが確保された。

 ポジション別に序列を見ていくと、GKはレギュラー格の大迫敬介が怪我で選外になっただけに、タイ戦でもフル出場した鈴木彩艶が間違いなく一番手。前川黛也は1キャップ、野澤大志ブランドンは未デビューと控えの経験値には不安があるだけに、パリ五輪世代の守護神にはフル稼働が期待される。

 最終ラインはこれまでの実績を考えれば、右から菅原由勢、板倉滉、冨安健洋、伊藤洋輝というカルテットがファーストセット。ただ、板倉、冨安、伊藤は怪我からの復帰直後で、グループステージは谷口彰悟、町田浩樹(左SBにも対応)、中山雄太などが先発を託される場面も出てくるはずだ。プラスワンとしてCB渡辺剛が加わっているのは、主力のコンディション的な不安、そしてオプションの3バックを想定して、層の厚みが欲しかったからだろう。

 セントラルMFは遠藤航と守田英正がもちろん主力。準レギュラーの扱いだった田中と鎌田が諸事情、成長株の伊藤敦樹が怪我で外れたため、バックアッパーは佐野海舟、旗手怜央という顔触れになった。前者はまだ2キャップ、後者は代表チームだと2ボランチではまったくプレーしておらず、ターンオーバーにはやや不安が残る。

 2列目は右から伊東純也、久保建英、三笘薫が序列上位。このいわば「夢のトリオ」は過去にスタメンでは一度も実現していないだけに、大きな期待が膨らむ。久保は右サイドを担う可能性もあるが、鎌田が不在だけに今回はトップ下がメインポジションになるだろう。

 ただ、怪我で戦線離脱中の三笘はグループステージ序盤を欠場する見込みで、まずは代表5戦・5発と決定力の高い中村敬斗がスタメンで大会に入りそうだ。その左ウイングは第2次森保ジャパンだと旗手、前田大然、浅野拓磨も起用されており、最も分厚いポジションとなった。堂安律も右サイドとトップ下/インサイドハーフ、南野拓実もトップ下/インサイドハーフと左サイドで起用でき、相手と状況に応じた様々な組み合わせが使い分け可能だ。

 CFは11月の2連戦で5ゴールを挙げた上田綺世が軸。ただ浅野も攻守で頼りになるし、細谷真大も成長著しい。カタール・ワールドカップにようにプラス強度の高い前田を最前線に置くオプションも当然ある。

 いずれにせよ、選手のコンディションがチーム合流日が異なりバラバラなうえ、グループステージ(1月14日のベトナム戦、19日のイラク戦、24日のインドネシア戦)から決勝まで全6試合の長丁場だけに、3大会ぶりの戴冠に向けては相手と状況に応じたターンオーバーが不可欠だ。

 森保監督も「ターンオーバーのプランを持ちながら、チーム状況や選手のコンディションも違うので、その都度で判断していきたい。カタール・ワールドカップのときもプランはあったが、状況で変えていった。今回もコンディションなどを考えながら戦っていきたい」と語っている。

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(ABEMA/サッカー日本代表)