今週は京都競馬場で、第62回京都金杯(GIII、芝1600m)が行われる。久々の京都開催で迎える名物重賞。“5億円ホース”ドーブネをはじめとした18頭が新春のマイル戦に挑む。 ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。 …
今週は京都競馬場で、第62回京都金杯(GIII、芝1600m)が行われる。久々の京都開催で迎える名物重賞。“5億円ホース”ドーブネをはじめとした18頭が新春のマイル戦に挑む。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。
◆【京都金杯2024予想/前走ローテ】“連対率50.0%”人気の盲点となっている明け4歳馬とは……
■京都金杯2024 出走予定馬全頭診断
・アヴェラーレ
重賞ウイナーの立場で臨んだ前走。結果は7着に終わっており、今となっては1400mの距離は短いのだろう。距離延長は歓迎も、右回りでは【0.0.0.2】掲示板内なし。テンにいけない脚質も含め、中心に据えるには躊躇してしまう。
・アルナシーム
1000m通過57秒6のハイペースとなった前走。2歳時から折り合いに不安を抱えていた同馬にとって、淀みない流れは絶好のシチュエーションと言えるものだった。モーリス産駒は京都芝外回り1600mで【0.0.1.5】。舞台替わりでの連対圏突入は至難の業と言える。
・アンドヴァラナウト
今回が初の牡馬混合重賞。陣営が意図的に牝馬限定戦を使ってきた印象で、強調材料は乏しい。
・コレペティトール
前走は1-3着馬が道中10番手以下という極端な差し追込決着。その展開利が向いた点は否めず、1500mや1800mなど非根幹距離に好走が集中しているのも気がかりだ。
・サヴァ
芝での馬券内は道悪の2走前に限定。もともとダートを使われていただけに時計のかかる馬場が合う印象で、開幕週の京都芝が向くとは思えない。
・シャイニーロック
3走前のマイラーズカップはシュネルマイスター、ガイアフォースら強豪相手に0秒1差。京都芝外回り1600mへの高い適性を示した。とはいえ近走は大敗の結果以上にテンのダッシュ力が鈍っている感あり。休み明けを一度使われてまた休む、というローテーションもプラスとは言い切れないだろう。
・セッション
この馬で注目したいのは2走前。マイルで1分31秒台の勝ち時計もさることながら、直線で最内に進路をとり抜け出したレースぶりが過去の京都金杯における勝ちパターンに合致するのだ。良績に乏しい左回りかつ、外枠から終始外々を回らされた前走は参考外。馬番ひと桁番を引き当てることができれば大きく評価を上げたいところだ。
・セルバーグ
3走前に人気薄で中京記念を逃げ切り勝ち。3勝クラス勝利時が稍重だったことから、開催が進んだタフな中京芝もマッチしたのだろう。オール野芝で時計の速い関屋記念は先手を奪うも掲示板外。当時と遠からぬシチュエーションが想定される開幕週の京都芝では割り引きたい。
・タイムトゥヘヴン
キャリアを通じて関西圏での経験がない馬。近走好調な関西馬相手では分が悪い印象を受ける。
・ダノンタッチダウン
昨年使われた3戦はいずれも馬券外。極端な戦法しかとれない現状の脚質を考えると、ここは様子見が妥当か。
・トゥードジボン
逃げの手に出た近2走は上がり3F33秒台での勝利。いずれも今回と同じ京都芝外回り1600mでのパフォーマンスだった。スロー逃げの展開利があったことは確かだが、当舞台の成績【2.0.0.0】は新装された京都芝外回り経験ゼロの馬が少なくない状況にあって大きなアドバンテージ。再度の好走を警戒したい。
・ドルチェモア
復調の兆しがうかがえない現状。厳しい。
・ドーブネ
リステッド競走での複数勝利、中山記念3着と実績はメンバー中上位にランクされる馬。連勝の近走内容から本格化と捉えてよい1頭だが、気になるのは好走時の頭数だ。12頭立て以下の成績【6.1.0.0】に対し、13頭立て以上は【0.1.1.5】。出走時の距離を考慮してもその差は歴然だ。斤量58.5キロかつマークを受ける立場であることを考えたとき、思わぬ凡走の可能性も頭に入れておきたいところだ。
・ビューティフルデイ
3勝クラス以上の好走は芝1400mに限定。マイルでは厳しい印象だ。
・フリームファクシ
休み明けの前走チャレンジCは8着。結果だけをみれば凡走だが、道中は頭を上げるシーンがあるほど折り合いに苦労したなかで先頭に立つ場面があったのは能力の証明と言えるだろう。同馬の兄リューベックは2000→1600mの臨戦過程で重賞馬券内歴あり。叩き2戦目かつ距離短縮ローテでの一変は警戒したい。
・マテンロウオリオン
3歳春を最後に馬券内から遠ざかる現状。斤量58キロも楽とはいえず、苦戦は免れられないか。
・メイショウシンタケ
重賞を使われた3戦はすべて4角10番手以下。開幕週の京都芝においてテンにいけない脚質はマイナス材料だ。
・ルプリュフォール
こちらもテンにいけない脚質がネック。厳しい。
◆【中山金杯2024予想/全頭診断】想定6人気以下に「2.2.1.1」 ゴールデンハインドは“消し”も
◆【フェアリーS2024予想/全頭診断】「重賞即通用の可能性は十分」想定5人気以下の馬とは
◆【シンザン記念2024予想/全頭診断】「朝日杯FSでも重い印を……」GI通用級と評した未勝利勝ち馬に注目
UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年1月4日 18:02公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。