カタールW杯はラウンド16で、クロアチアに延長PK戦の末に敗れて、4試合で大会を去ることになった。それでも26人のメン…
カタールW杯はラウンド16で、クロアチアに延長PK戦の末に敗れて、4試合で大会を去ることになった。それでも26人のメンバーで、フィールド選手23人のうち、試合に出なかったのは町野修斗と柴崎岳の二人だけだった。
今回のアジアカップでも、森保一監督はファーストセットをある程度用意しながらも多くの選手を起用するはず。就任から半年足らずで迎えた前回のアジアカップよりも”森保ジャパン”のコンセプトを理解している選手が多いことは強みになる。
仮にD組を首位突破して、ラウンド16で3位通過の相手に勝利すれば、準々決勝はA組2位とC組2位の勝者が相手になる。A組は開催国のカタールが本命、残りが中国、タジキスタン、レバノンと曲者揃いのグループ。C組はイランとUAEが二強で、香港とパレスチナが挑む構図になっている。ここまで来ると、完全に下馬評通りになるかは分からないが、UAEが来る可能性が最も高いか。UAEというと、オーストラリア開催だった2015年大会で日本が準々決勝での敗退に追いやられた因縁の相手だ。
もちろんカタールやイランが準々決勝の相手にならない確証はないが、D組を首位突破で行けば、ここまで優勝候補と当たらない可能性が高いのは大きい。もし2位通過の場合はラウンド16でE組の1位と戦うことになる上に、そこから中2日で準々決勝に臨まなければいけない。しかも、相手はイランになる可能性が最も高いのだ。繰り返しになるが、D組を首位突破することは決勝までの道のりを考えるとアジアカップの第一ミッションと言えそうだ。
■決勝トーナメントのキーマンは三笘薫
準々決勝は5試合目。ここまで勝ち上がってきた相手は大会中に経験値を上げているが、それは日本にも言えることだ。またお互いのスカウティングも進んでくる中で、システムや戦術の引き出しも問われてくる。日本の強みになり得るのが、怪我明けでの参加となる三笘薫の存在。森保監督もグループリーグでは三笘に無理させないはずだが、決定的な仕事ができる左サイドのアタッカーを決勝トーナメントのキーマンと想定しているのではないか。
準決勝まで行くと、もうどこが来ても難敵だろう。順当ならB組のオーストラリアかF組のサウジアラビアとなるが、どの国が相手でも一筋縄では行かないだろう。大事なのはここまでに、チームとして体力を残しつつ、選手層をさらに高めておくことが鍵になる。
前回の準決勝はイランと対戦。後半に大迫勇也の2得点、原口元気のゴールで3−0と勝利。「パーフェクトゲーム!」と振り返った長友佑都は当時20歳だった冨安健洋の獅子奮迅のディフェンスを称賛した。
今回のメンバーはカタールW杯を経験した選手が多いが、GKは3人全てが入れ替わっており、その中でも21歳の鈴木彩艶は正GKとしての活躍が期待される。FWもパリ五輪世代の細谷真大が名を連ねており、中盤では昨年11月に初招集された2000年生まれの佐野海舟がブレイク候補生。前回の冨安ではないが、そういった若手が大会中に突き上げてきていれば、準決勝、そして決勝と戦うための推進力になる。
■ファイナルに勝ち進むことは目標ではなくノルマ
日本にとってファイナルに勝ち進むことは目標というよりノルマに等しい。しかし、前回カタールに惨敗したように、アジアの頂点に立つというのは容易ならざるミッションだ。
当時は”森保ジャパン”もチームの練度が高いとは言えず、カタールの可変性の高いビルドアップに守備がハマらず、相手エースのアルモエズ・アリのアクロバティックなフィニッシュに対応できなかった。現在はチームの対応力も個の力も明らかに上がっているが、成長しているのは日本だけではないだろう。
2月10日に行われる相手は韓国になるのか、イランになるのか、前回と同じカタールになるのか。あるいは……そこはサッカーの神のみぞ知るところだが、この大会を通じてさらにタフになった日本がアジア王者に輝き、ここから続くアジア予選、そして世界での躍進への足掛かりになることを期待するとともに、新たなヒーローの誕生を期待している。
(取材・文/河治良幸)