駒澤大は2年連続での3冠達成を狙う(C)産経新聞社 第100回を迎える箱根駅伝が1月2日、3日にいよいよ開催される。 今回の箱根の最大の見どころは、出雲駅伝、全日本大学駅伝と2大会を制した駒澤大が箱根駅伝を制して、2年連続での3冠達成するの…

駒澤大は2年連続での3冠達成を狙う(C)産経新聞社

 第100回を迎える箱根駅伝が1月2日、3日にいよいよ開催される。

 今回の箱根の最大の見どころは、出雲駅伝、全日本大学駅伝と2大会を制した駒澤大が箱根駅伝を制して、2年連続での3冠達成するのか否か、その1点に集約される。

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 駒澤大は、今シーズン圧倒的な強さで箱根を迎えようしている。

 昨年3冠を達成したチームから大エースの田澤簾(トヨタ)と山野力(九電工)の二人が卒業したが、今季は鈴木芽吹主将(4年)を中心に篠原倖太朗(3年)、佐藤圭汰(2年)の3本柱に加え、安原太陽、花尾恭輔ら過去最高最強ともいえる4年生が顔を揃えている。下級生にも佐藤を始め、昨年箱根5区3位の山川拓馬(2年)、6区区間賞の伊藤蒼唯(2年)がおり、各学年にエースが揃っている。

 今シーズンの駅伝は出雲も全日本も1区から首位を独走し、全区間をオール1位を実現している。駅伝ではありえないパーフェクトなレースを続けており、箱根でも1区の白鳥哲汰(4年)が快走すれば、出雲からの全区間オール1位という大記録を達成する可能がある。

 基本的に全員の走力が高く、エントリ―メンバー10000m上位10名の平均タイムは28分21秒17で出場23校中トップ。ちなみにチームには鈴木、篠原、佐藤と3名の27分台の選手がおり、山の特殊区間には山川と伊藤がいる。区間エントリ―では、篠原ら数名の主力が補欠登録に回っているが、2区鈴木、3区佐藤と主力が往路に配置され、最終的には隙のないオーダーが完成する。他大学は実業団のようなチームと対峙する感覚だろう。

 この駒澤大に対抗するのが、青学大、国学大、中央大だ。

 青学大は全日本大学駅伝で2位になるなど、ロング区間が入る駅伝に強く、とりわけ箱根駅伝に強さを見せる。メンバーもエース佐藤一世(4年)を筆頭に、出雲2区で駒澤大・佐藤と互角の走りを見せた黒田朝日(2年)、好調を維持する山内健登(4年)、昨年の箱根4区で駒澤大・鈴木と対マン勝負を挑んだ太田蒼生(3年)らロードに強い選手が顔を揃えている。5区の若林宏樹(3年)に襷を渡す際、駒澤大が見える、あるいは背中を見せられる展開になれば理想的だ。復路は駒澤大と互角の勝負ができるオーダーなので、勝てるチャンスは十分にある。

 中央大にしても国学大にしても、とにかく前半区間で駒澤大に離されないことだ。

 ここで先頭を行かれてしまうと出雲や全日本のように一方的な展開になってしまう。山の区間にどれだけ自信があろうが、とにかく前半区間で駒澤大に喰らいつく、あるいは前に出る展開を目指していけないと勝機を掴むのはなかなか難しい。

 駒澤大プラス3校に絡んで来そうなのが創価大と城西大だ。

 創価大は出雲駅伝2位、全日本6位と結果を出してきており、チーム状況がすこぶる良い。また、寮を始め環境面が素晴らしく、吉田響(3年)が入ったことで選手が刺激を受け、全体のレベルも上がった。吉田は5区に起用されているが、吉田までにいい展開で繋いでいければ往路優勝が見えてくる。

 城西大も出雲駅伝3位、全日本5位を安定した結果を残している。「俺たちはやれるんだという自信を掴んだのが大きい」と櫛部静二監督はチームの成長に手応えを感じている。5区に山の妖精こと山本唯翔(4年)がおり、2年生エースの斎藤将也、留学生のキムタイと3本柱が健在で、往路は優勝争いに絡んでくるだろう。

 おもしろい存在なのは、東海大だ。

 2019年の95回大会の箱根駅伝で初優勝をした後、チームは下降線をたどり、ここ2大会は11位、15位と2年連続してシード権を失っている。箱根予選会も10位通過で、一時期の強さを見せつけることができていないが、エントリ―メンバー上位10名の10000mの平均タイムは、28分32秒12で23校中4番目に早いタイムだ。エースの石原翔太郎(4年)が7区、越陽汰キャプテン(3年)は補欠に回ったが、次世代のエース花岡寿哉(2年)が2区に入った。強い2年生が1区2区に入ったが、どこまで上位に喰らいついていけるか。「復活の狼煙」がチームスローガンだが、2年生中心の世代が好走すれば大手町でシード権獲得の「勝ち鬨」をあげられるだろう。

 駒澤エクスプレスを果たして、どこのチームが止めるのか。それとも駒澤大が各校の刺客を跳ね除けて2年連続での3冠を達成し、100回大会の歴史に名前を刻むのか。

 どうやら過去最高の箱根駅伝を堪能できそうだ。

[取材・文:佐藤俊]

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