忙しい毎日を生きるビジネスパーソンにとって、健康管理には何が重要で、毎日どのようなことに気をつけながら健康を維持していくことが必要なのでしょうか。健康管理のメソッドを知るために今回の企画では、女子フリースタイルスキー・モーグル元選手で、オリ…

忙しい毎日を生きるビジネスパーソンにとって、健康管理には何が重要で、毎日どのようなことに気をつけながら健康を維持していくことが必要なのでしょうか。健康管理のメソッドを知るために今回の企画では、女子フリースタイルスキー・モーグル元選手で、オリンピアンの上村愛子さんからお話を伺いました。全5回のうち最終回の今回は、心身ともに健康な生活に欠かせない、適度な運動についてお話しいただきます。

ノウハウその①:「良い姿勢」を確認しよう

毎日デスクワークに勤しむ社会人とは切っても切れない”座り方”の重要性について、上村さんに話を伺いました。まず、良い姿勢で座るためには、骨盤が重要だそう。

胸を開いて骨盤を立てて座ることを意識してみてください。良い姿勢で座れたと思ったら、それを自分で確認してみましょう。椅子に座ったら、横に鏡を置いて座り方をチェックしてみるのが簡単で効果的だと思います。また、特に女性は、骨盤が前に傾き腰が反った状態である“反り腰”の方が多いと言われているので、自分の腰がどれくらい反っているかを一度確認してみても良いかもしれません」

▲「体の前に板があることをイメージして」と上村さんが説明する様子

 「"骨盤を立てる"という感覚を掴むのは難しいかもしれませんが、まずは動きの確認をしてみるだけでも良いと思います。椅子に浅く座った状態から、身体の前面に固い板があることをイメージしながら立ち上がろうとすると、体幹が意識されて"骨盤が立っている"状態になります。楽な姿勢でデスクワークをしていると背中が丸まってどんどん骨盤が寝ていってしまうので、常に意識を持つことが重要です」と、元アスリートとしての身体感覚を教えてくれました。

 また、良い姿勢を保とうとするだけで、手軽なリフレッシュにもなるとのこと。「現役生活を終えた今でも、よく骨盤を立てることを意識しています。日常生活ではついつい忘れがちになりますが、たまに姿勢や身体のことを意識することで、リフレッシュするためのスイッチになる気がしています」

「姿勢を正すと、肩の力が抜けて胸が開き、呼吸がしっかりと深くできるようになります。呼吸がうまくできれば頭もスッキリするはず。ぜひやってみてくださいね」

ノウハウその②:座っている時間が長いと感じたら、時々立ち上がって10回だけスクワットしよう

良い姿勢を作るために上村さんがおすすめするのは、”理想的なスクワット”です。実際にやり方を教えてくれました。

椅子に浅く座り、脚を地面に対して90度(着く脚が地面に垂直になるように)にして、そのまま身体を前に倒すと、お尻がスッと上がって立ち上がることができます。実は、これが理想的なスクワットの形なんです。体幹を意識したまま手はだらんと下げて、だいたい足首に手が当たるくらいまで倒せば、スススッと体重が移動して身体が立ち上がるんです」

 「スクワットをしようとすると、慣れるまでは膝が出てしまったりお尻が下がりきらなかったりすることも。身体の変なところに負荷がかかってしまいますし、トレーニングを始めたばかりの頃はなかなか"正しいフォーム"の感覚が掴めないこともあるので、そんな時に理想的な動きができるこの方法がおすすめです。初めは椅子を使って10回程度からスタートしてみて、だんだんと道具を使わずに理想的なスクワットができるようにしていくのが一番良いですね」まずは椅子を使うことで動きを繰り返し、身体で覚えていくのが重要だそう。

 また、仕事中に座っている時間が長いと感じたときは、スクワットがリフレッシュにもつながるとのこと。「オフィスでずっと座っていると、なかなか下半身を動かすこともないと思いますが、このスクワットなら自分の席でも気軽にトライできるのではないでしょうか。また、スクワットの動作を覚えることで、自然と“良い姿勢”もつくられていくんです」

スクワットの動きを思い出すだけでも理想的な姿勢づくりにつながるというのは、アスリートならではのアドバイスですね。気持ちをリフレッシュさせるためにも、ぜひ"10回スクワット"に取り組んでみましょう。

▲上半身を板のように保ったまま前に倒していく
▲倒れる勢いのまま体重を前に移していく
▲そのまま立ち上がる

ノウハウその③:1フロア分だけ階段を使ってみよう

現在、長野在住の上村さん。生活のほとんどの場面で階段を使うことを心がけているそうです。

「今住んでいる部屋は5階にあるのですが、よほど大きい荷物を持っている時でなければ、エレベーターを使わずできるだけ階段を使うようにしています。降りる時も階段で降りているんです」

 「実は、普段はランニングなどのトレーニングは全くしていないんです。だからこそ、普段の生活の中でできるだけ身体を動かすようにしています」元アスリートらしく、効率的にカラダを鍛えるためのアイデアですね。

 ただし、自分が辛くなりすぎない頻度で続けてみることが大事だそう。

「時間にゆとりがある時にやってみるくらいの意識で良いのではないでしょうか。すごく忙しい中で『この運動をどうしてもやらなければ』と思ってしまうと、運動すること=苦しいことになってしまうので、余裕がある時にちょっとやってみよう、と気楽にいることが最初は良いのかもしれないですね」

身体のためにとは言っても、プレッシャーを感じすぎないように適度なタイミングや方法で続けていくことが大事だと言う上村さん。忙しいビジネスパーソンだからこそ取り入れたい考え方ではないでしょうか。

ノウハウその④:最寄り駅から1駅手前で降りて歩いてみよう

現在は長野にお住まいの上村さんですが、普段からできるだけ歩いて移動する生活をしているそうです。

「よほど急いでいる時は車や電車を使うこともありますが、基本的には『ゆっくりでも良いから歩いていこう』と思って生活しています」と話します。食事に出かける時もスニーカーを持って行き、帰りは一駅歩いて家路につくこともあるそうです。

 しかし、それらはダイエットなどのために意識しているのではなく、現役時代から続けている当たり前のルーティンなんだそう。

「普段の生活で歩くか歩かないかの判断するときに、『歩いてよかったと思えるのはこっちだ』という選択肢をできるだけ持てるように生活しています。実際、ほど良く歩くことが逆に身体の回復につながることもあります。現役時代も、『トレーニングで疲れが溜まっているな』と思った時にこそ、軽い有酸素運動をすることもありました。さらに食事で栄養をきちんと摂って良く寝れば、次の日にはスッキリと起きられた経験もあるんです」

 初めは歩くのを億劫に感じても、まずは続けてみることが大切とも話します。「慣れない動きは、最初はすごく疲れるのですが、続けていくうちにかえって心地良くなったり、自分の身体につして新たな発見があったりもするんです」

まずは無理のない範囲で続けてみてはいかがでしょうか。

ノウハウその⑤:朝起きたら5秒間太陽の光を浴びて、体を伸ばそう

上村さんがルーティンとして続けているのは、毎朝5秒間、太陽の光を浴びて身体を伸ばすことだそうです。それを始めたきっかけは意外なことだったんだそう。

「知り合いの方からおすすめしてもらったのがこのルーティンを始めたきっかけです。現役時代、海外遠征が増え始めた20歳ごろ、5時起きの生活をしていたことがあります。そんな時、『その日昇ってきた太陽の光を、自分が起きてからすぐに浴びるようにすると、目覚めがすごく良いよ』と教えてもらったんです。難しいことではないし、せっかくだからトライしてみようと思って、そのシーズンは毎朝続けてみたんです。やはり寝ている時は光を遮っているので、朝起きた瞬間に光を浴びることで、『朝が来たんだな』という感覚を身体全体で感じられる、それがやっぱり良いと思ったんです」

 上村さん曰く、太陽の光をしっかり浴びながら身体を伸ばすことが重要なんだとか。

「太陽の光を浴びると体内でビタミンDが作られますし、やっぱり太陽の光ってぽかぽかして気持ちが良いですよね。人間の身体は寝ている間は冷えていたり、循環が悪くなったりしています。お風呂に入ったり寝る前にストレッチをしたりすることでも身体は温められますが、手のひらを太陽に5秒間かざすだけでも、血の巡りが良くなるような感覚があります」

「太陽を浴びるだけではなく、私は背中が丸まりやすいので、起きた時にそれを伸ばすような動きもしています。朝目覚めたときは身体全体が固まっているので、1日の始めに太陽の力をもらえるようにできるだけ身体を伸ばしています。もう20年以上続けている習慣ですね」と話してくれました。

上村さんとお送りしてきた本連載最終回。元アスリートならではの身体感覚を共有していただきました。毎日を元気に生きていく心身を保つためにも、やはり適度な運動は重要です。
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■プロフィール
上村愛子(うえむら・あいこ)。スポーツビズ所属。1979年12月9日生まれ。兵庫県伊丹市出身、長野県北安曇郡白馬村育ち。冬季オリンピックでは、5大会連続(1998年長野・2002年ソルトレークシティ・2006年トリノ・2010年バンクーバー・2014年ソチ)で女子モーグル日本代表として出場し、いずれも4~7位の入賞を達成する。さらに日本人では史上初めてのワールドカップ年間総合優勝も成し遂げた。2014年4月に現役引退。現在はスキーや雪との触れ合いの楽しさを伝えるため、広くメディアやイベント等で活動を行っている。