全国高校サッカー選手権注目選手紹介 GK&DF編12月28日から始まる全国高校サッカー選手権大会の注目選手を、育成年代の…

全国高校サッカー選手権注目選手紹介 GK&DF編

12月28日から始まる全国高校サッカー選手権大会の注目選手を、育成年代のサッカーを長年取材してきているフリーライターの土屋雅史氏、森田将義氏のふたりに挙げてもらった。ここではそのなかからGKとDF11人を紹介する。

高校サッカー選手権注目選手 MF&FW編>>

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前橋育英のGK雨野颯真 photo by Tsuchiya Masashi

雨野颯真 
あまの・そうま(GK/3年/前橋育英・群馬県/185cm、79kg)

「昨年度のインターハイで日本一になったGKで、昨年から残る数少ないレギュラーの選手。プレミアリーグ(高円宮杯JFAU-18プレミアリーグ)で前橋育英は今シーズン4本のPKを与えたのですが、彼は3本止めています。かなり勝敗に影響を与えるセーブをしている。今大会のGKでも間違いなく1、2を争う実力を持っています」(土屋氏)

「昨年のインターハイも含め、大舞台に強い選手です。今シーズン話を聞いた際は、『自分のキックから、チャンスを昨年より多く作りたい』と話していました。守れるだけのGKではなくなったのは、今年の進化かもしれません」(森田氏)



岡山学芸館のGK平塚仁 photo by Morita Masayoshi

平塚仁 
ひらつか・じん(GK/3年/岡山学芸館・岡山県/183cm、76kg)

「昨年度の選手権優勝に貢献したGKですが、新チームになってからは苦しんでいました。昨年は上級生がDFラインを占めていたので、自らのプレーに集中すれば良かったのですが、今年は総入れ替えとなり、うまく行かない時期が続きました。

 そこから、コーチングの重要性に気づき、GKとしてワンランク上がった気がします。彼も昨年の選手権でPKを止めていましたが、今年も勝負強さは健在です」(森田氏)



静岡学園のGK中村圭佑 photo by Tsuchiya Masashi

中村圭佑 
なかむら・けいすけ(GK/3年/静岡学園・静岡県/187cm、85kg)

「静岡学園のGKなので足元のうまさはもちろんありますが、反応の速さがピカイチ。守備範囲が広く、1対1で相手の足元に飛び込んでいくスピードと思いきりはかなりあります。

 今年はキャプテンをやっているのが大きなポイント。チームの基準を上げるため、お互いが要求し合える環境を作りたいと春先に言っていましたが、神田奏真選手と高田優選手が『圭佑がいるから、高め合えた』と話していました」(土屋氏)

「シーズン途中から主力の離脱者がかなり出て、DFラインが変わり続けたなか、最終節までプレミアリーグ優勝の可能性を残せたのは、ずっと稼働し続けた中村選手の影響力が大きかった。すごくたくましくなった気がします」(森田氏)



青森山田のDF山本虎 photo by Tsuchiya Masashi

山本 虎 
やまもと・とら(DF/3年/青森山田・青森県/183cm、78kg)

「1、2年生時はケガが多くて期待されたような結果が出ないなか、今年はキャプテンに就任。彼のリーダーシップが青森山田に与えた影響は大きく、松木玖生(FC東京)とか、藤原優大(FC町田ゼルビア)みたいに声で引っ張るタイプのキャプテンではないのも面白いです。

 正木昌宣監督が『チームのなかで一番信頼されているのは虎』と話していました。ある意味、生粋のリーダーというか、自然とみんなが集まってくるリーダーシップを持っています」(土屋氏)

「のほほんとしているイメージがあります。早生まれなので昨年の国体に選ばれていたのですが、1個下の選手にいじられている姿が印象的でした。選手としての特徴は左右両足での正確なフィード。あとはプレミアリーグでもチーム2位の7得点を取っています。今年の青森山田は190cmの小泉佳絃選手を含めた両センターバック(CB)がかなり強力です」(森田氏)



神村学園のDF吉永夢希 photo by Morita Masayoshi

吉永夢希 
よしなが・ゆめき(DF/3年/神村学園・鹿児島県/177cm、69kg)

「昨年度の選手権でも活躍しましたが、この1年でワンランク上の左サイドバック(SB)に成長しました。元々、前方でタメを作る選手と絡んでオーバーラップしていくタイプ。個人での打開力は苦手にしていたのですが、1列前のポジションにもチャレンジした結果、プレミアリーグでは左サイドの仕掛けが止まらなかった。もうひとつの課題だった守備も改善が進んでいます」(森田氏)

「プレミアリーグ前期の履正社戦は3アシストしたのですが、試合後、有村圭一郎監督は『中の選手が決めていれば7、8アシストしていた』と話していました。クロスの質がいい。浮き球だけでなく、グラウンダーでも出せるし、ラストパスのようなボールも出せる。球種がかなり豊富で状況と中の選手に合わせて、いろんなボールを供給できるのが強みです」(土屋氏)



飯塚のDF藤井葉大 photo by Morita Masayoshi

藤井葉大 
ふじい・ようた(DF/3年/飯塚・福岡県/180cm、70kg)

「元々は右利きですが、小学生の頃から左足を練習していくうちに利き足が変わっていたという異色の選手。売りはフィジカルの強さと身体能力。入学当初は左サイドハーフだったのですが、高1の冬に左SBに転向し、その3カ月後には世代別代表入りしました。代表活動やファジアーノ岡山の練習を経験し、意識が変わって、今年はCBにも入るほど守備がより強固になりました」(森田氏)

「春先に取材した際は、吉永夢希選手(神村学園)に対するライバル意識を話してくれました。吉永選手と違ってプレミアリーグに所属していない分、日頃から高い意識を持たなければいけないと。今年は国立競技場でサッカーがしたいとも口にしていて、早くから目標設定を高く置いているのもすごく頼もしいと思いました」(土屋氏)



市立船橋のDF佐藤凛音 photo by Tsuchiya Masashi

佐藤凛音 
さとう・りおと(DF/3年/市立船橋・千葉県/176cm、68kg)

「今年の市立船橋はストライカーの郡司璃来選手とキャプテンの太田隼剛選手がかなり注目されますが、佐藤選手も昨年から右SBとしてゲームに出ていた実力者で、とにかく攻撃力がある。プレミアリーグのなかでもかなり上位のSBだと思っています。

 野心があって、世代別代表もどんどん狙ってきたいし、自分の名前がどんどん知られるような活躍がしたいと話していました。上位に勝ち進むと、注目を浴びる選手になるのではと思います」(土屋氏)



立正大淞南のDF西口大稀 photo by Morita Masayoshi

西口大稀 
にしぐち・だいき(DF/3年/立正大湘南・島根県/180cm、67kg)

「とにかく身体能力がすごい。元々は左SBで昨年の途中からレギュラーとなり、今年はCBでプレーしています。身長は179cmとCBとしては小柄なのですが、ジャンプ力がかなり高くて競り合いで相手より頭一つ上回るほど。

 試合をパッと見るだけで、『あれが西口か』とわかるぐらい圧倒的です。競り合いの強さは攻撃でも発揮され、セットプレーで点が取れます」(森田氏)



近江のDF西村想大 photo by Tsuchiya Masashi

西村想大 
にしむら・そうだい(DF/3年/近江・滋賀県/182cm、71kg)

「パッとゲームを見た時にすごく目立つ選手。対人と高さも強いけど、一番の特徴はフィードです。本人もプリンスリーグ関西で思いどおりのフィードが何本も出せていると話していました。昨年の選手権、今年のインターハイと初戦敗退が続いていますが、今年の近江はプリンスリーグ関西でも2位になるぐらいすごくいいチーム。そのなかでも彼の存在感は大きい。"いいヤツ"で、愛されるのがわかる選手です」(土屋氏)

「前田高孝監督が『絶対に良くなる』と1年生からスタメンで使い続けていた選手。最初は足元のテクニックの部分で『練習についていくだけで精一杯』と言っていたのですが、3年間の練習で向上し、今年は『自信がついてきた』と話していました。今年の近江はDF金山耀太選手を含めて、後ろの選手がうまいですね」(森田氏)



大津のDF田辺幸久 photo by Tsuchiya Masashi

田辺幸久 
たなべ・よしひさ(DF/3年/大津・熊本県/180cm、67kg)

「いつ世代別代表に選ばれてもおかしくないぐらいの左SB。ガンガン上がって、自分がゴール取ってやる! みたいな気持ちが見えます。今年の夏はキャプテンの碇明日麻選手が、長期間水戸ホーリーホックの練習参加に行っていた際、チームをまとめていたのが田辺選手だったと山城朋大前監督が話していました。この夏は田辺がいろんな意味で成長してくれたと教えてくれました」(土屋氏)

「元々はFWで、1年生の冬にコンバートされた選手です。キャラクター的には攻撃出身らしい強気な性格がいいですね。今年の九州は吉永夢希選手(神村学園)、藤井葉大選手(飯塚)と左SBが豊富で話を振ったら、『ふたりはまだ下の代でしか世代別代表に入っていない。自分たちの代で入れば、自分が上だと証明できるので勝負したい』と返す感じが好きです」(森田氏)



京都橘のDF池戸柊宇 photo by Morita Masayoshi

池戸柊宇 
いけど・しゅう(DF/3年/京都橘・京都府/181cm、73kg)

「今年の京都橘は点が取れないことが課題だったのですが、夏以降は2トップが前からプレスをかけたり、スペースに飛び出す機会が増えて、CKを取る回数が増えていきました。その結果、池戸選手のヘディングシュートが開花し点が取れるチームになった。

 憧れとして挙げるのが、鹿島アントラーズの関川郁万。中学1年生の時に選手権で関川のヘディングの強さを見て、この人になりたいと思ったみたいです。関川も選手権決勝で点を決めていたので、彼の得点にも期待したいですね」(森田氏)

<土屋雅史氏の注目選手>
GK:雨野颯真(前橋育英)、高村裕(早稲田実)、中村圭佑(静岡学園) 
DF:山本虎(青森山田)、長谷川幸蔵(明秀日立)、佐藤凛音(市立船橋)、西村想大(近江)、田辺幸久(大津)

<森田将義氏の注目選手>
GK:平塚仁(岡山学芸館)、森本真幸(東海大仰星)、尾崎巧望(米子北) 
DF:吉永夢希(神村学園)、藤井葉大(飯塚)、西口大稀(立正大淞南)、金山耀太(近江)、池戸柊宇(京都橘)