12月26日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女…

 12月26日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決定した。27日にメインコートで行われる準決勝は京都精華学園高校(京都府)vs東海大学付属福岡高等学校(福岡県)、札幌山の手高等学校(北海道)vs岐阜女子高等学校の2試合。奇しくも前回大会と同じ顔合わせとなった。

◾️挑戦者の東海大福岡はインサイド陣がキーマン


 大会連覇を目指す京都精華学園高校は、ここまでの3試合を危なげなく突破した。注目された浜松開誠館高校(静岡県)との初戦を20点差で勝利すると、続く県立下妻第一高校(茨城県)戦も95−67で快勝。インターハイ8強の聖和学園高校(宮城県)との準々決勝では、2試合連続で全選手がコートに立って27点差で勝利を収めた。

 一方の東海大福岡は、シード校の京都精華学園よりも多い計4試合を勝ち抜いた。準々決勝では大阪薫英女学院高校(大阪府)と対戦し、競り合いながらもリードされる展開が続いた。残り1分30秒でスコアは58−63。しかしここから浜口ゆず(1年)の連続得点で同点に追いつき、チャラウ アミのブロックショットから伊東友莉香(ともに2年)が逆転弾を沈めて試合をひっくり返した。

 前回大会では70−47で京都精華学園に軍配。再び挑戦権を手にした東海大福岡は、昨年も先発を担ったガードの境さくらと伊良部由明(ともに3年)、パワーフォワードの伊東がチームをけん引したい。カギを握るのはインサイド陣。相手のエースである八木悠香(3年)へのマークが予想される伊東、2人の留学生センターを相手にするチャラウがどこまで対抗できるか。

 京都精華学園としては、思い切りの良さが光るルーキー2人を勢いに乗せたくない。先発の浜口だけでなく、ベンチスタートの東口紅愛も攻守で存在感を示しているため、橋本芽依、桃井優の2年生コンビの働きが重要。相手が敷いてくるゾーンディフェンスを打開するには、司令塔・堀内桜花(3年)の発想力も問われる。

◾️岐阜女子は札幌山の手の攻撃力を抑えられるか


 準々決勝では、千葉経済大学附属高校(千葉県)相手に95−54の大差で勝利した札幌山の手。今大会の山場となったのは県立足羽高校(福井県)との3回戦だ。この一戦では第4クォーター終盤に5点差を追いついて延長戦へ突入。オーバータイムでは得点源の1人である大山瑚南菜(3年)が12得点の活躍を見せ、最後は94−79で接戦を制した。

 岐阜女子はベスト4をかけて桜花学園高校(愛知県)と激突。試合は第1クォーター中盤からペースを握られる展開となり、第4クォーター序盤で21点ものビハインドを背負った。だが、タイムアウトを挟んで絈野夏海(3年)の3ポイント攻勢に出ると、エースが期待に応えてノーミスで7本の3ポイントをマーク。終了残り40秒で1点差まで詰め寄ると、同10秒にはジュフ ハディジャトゥ(3年)がオフェンスリバウンドから決勝点を挙げ大逆転でメインコートに辿り着いた。

 10月の「U18日清食品 トップリーグ」の対戦では、32点差で岐阜女子が勝利している。しかし、昨年のウインターカップ準々決勝を振り返ると、札幌山の手は16点差で勝利を収めて多少の余力を残し、岐阜女子は3点差の競り合いを制して勝ち上がった。その差もあってか、準決勝は98−68で札幌山の手が完勝。今大会の岐阜女子は札幌山の手より1試合多いため、相手以上にチーム一丸で戦わなければならない。

 ともに堅守を持ち味としながらも、札幌山の手は大山、谷口憂花(3年)の両フォワードを軸に3試合連続で85点を超える得点をマーク。引き続き高いオフェンス力を発揮するか、それとも岐阜女子が強固なディフェンスでロースコアゲームに持ち込むか。注目の準決勝は、京都精華学園vs東海大学付属福岡が10時、札幌山の手vs岐阜女子は11時40分ティップオフだ。

文=小沼克年