【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【リファール】 大種牡馬ノーザンダンサーの息子たちは、名前からの連想で、ニジンスキー、ヌレイエフといった著名なバレエダンサーの名を授…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【リファール】
大種牡馬ノーザンダンサーの息子たちは、名前からの連想で、ニジンスキー、ヌレイエフといった著名なバレエダンサーの名を授けられるケースが目に付きますが、リファールもその一頭です。父ノーザンダンサーは北米で繋養されたため、主要な後継種牡馬のほとんどは北米血統で構成されています。リファールは珍しく母方が純粋なヨーロッパ血統。父と同様、コロッとした小柄な馬体で、現役時代はフランスでジャックルマロワ賞などを制しました。
同国で種牡馬となり、凱旋門賞馬スリートロイカスを筆頭にレーヌドサバ、ダンシングメイド、ファーリーなど次々と一流馬を出し、アメリカに移ってから80年代最高の名馬ダンシングブレーヴをはじめ多数の世界的な競走馬を送り出しました。
母方の欧州血統の影響から芝向きの産駒がほとんど。距離は万能で、瞬発力があり、大レース向きの底力に恵まれていました。サンデーサイレンスの代表産駒ディープインパクトとハーツクライにはリファールの血が流れています。日本では80年代にモガミとリィフォーという2頭の後継種牡馬が大成功し、前者は三冠牝馬メジロラモーヌや日本ダービー馬シリウスシンボリを、後者はGIを3勝したニッポーテイオーを出しました。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「種付け料が200万円→1500万円に! 改めてスワーヴリチャードの良さはどこにある?」
ジャパンCを勝利に導いたイギリスのマーフィー騎手は「本質的にはマイラーかもしれない」とコメントしました。手綱を通して伝わってきたのはスピードであり、それでいて2400mをこなすスタミナもありました。個体として優秀だったというわけです。
スピードの源泉は母の父アンブライドルズソング。2017年の米チャンピオンサイアーです。「2代父サンデーサイレンス、母の父アンブライドルズソング」という配合構成は三冠馬コントレイルと同じ。奇しくもコントレイルは、管理した矢作芳人調教師が「作り方ひとつではマイラーになっていただろう」と語っています。
スピードと瞬発力は、わが国においては種牡馬として成功するための重要な要素です。スワーヴリチャードは、それらをしっかりと伝えることができる種牡馬です。