2023年の2歳新馬戦も今週でラスト。スワーヴリチャード、ブリックスアンドモルタルといった新種牡馬が話題になった今年の2歳新馬だが、12月17日までの「種牡馬別成績」を振り返ってみよう。  17勝を挙げているエピファネイア、15勝を挙げ…

 2023年の2歳新馬戦も今週でラスト。スワーヴリチャード、ブリックスアンドモルタルといった新種牡馬が話題になった今年の2歳新馬だが、12月17日までの「種牡馬別成績」を振り返ってみよう。

 17勝を挙げているエピファネイア、15勝を挙げているキズナの2頭がちょっと抜けた存在。キズナ産駒に関しては、朝日杯FSが3着だったタガノエルピーダ(栗東・斉藤崇史厩舎)がすでにGIでも結果を出した。東京スポーツ杯2歳Sで4着だったショウナンラプンタ(栗東・高野友和厩舎)はメンバー最速上がりを使っていて、来年以降の活躍が楽しみな存在だろう。

 エピファネイア産駒ではジュンゴールド(栗東・友道康夫厩舎)が新馬、紫菊賞と連勝中。年明けの京成杯(1月14日・中山芝2000m)で重賞挑戦を予定。今年の京成杯は皐月賞馬ソールオリエンス(美浦・手塚貴久厩舎)が制したレースでもあり、注目の一戦となることは間違いない。

【12月28日(木) 阪神芝1800m】

◆ピアリ(牝、父ロードカナロア、母パーシーズベスト、栗東・安田隆行厩舎)

 おじに3勝を挙げているブレーヴジャッカル(父ダイワメジャー)がいる血統。そして、安田隆行厩舎は父であるロードカナロアを現役時代に管理し、その産駒ダノンスマッシュ、ダノンスコーピオンといったGIホースやレッドルゼルやダイアトニックといった重賞ウイナーも育て上げた。

 本馬については「普段から牝馬特有の気難しい面を見せていますが、追い切りでは活発に動ける馬。CWでの併せ馬ではしっかり先着していますし、レースに行ってのテンションはポイントだと思いますが、ここまでの調整を考えると初戦から楽しみ」と安田隆行調教師。鞍上は北村友一騎手が予定されている。

◆ブラックサンライズ(牝、父キタサンブラック、母テーオールネサンス、栗東・音無秀孝厩舎)

 半兄に同厩舎で管理され、ダートで2勝を挙げたサンライズグリット(父ダイワメジャー)がいる。母系には2005年毎日王冠を勝ったサンライズペガサス(父サンデーサイレンス)がいる血統。

 本馬の注目は追い切り。12月10日に4F51.8秒、12月14日に4F51.9秒と坂路での時計が素晴らしい。しかも4F目が13秒台ではなく12秒台というところが単なるスピード馬ではないところを示している。追い切り本数自体はさほど多くないが、これだけ動けていれば楽しみなのは間違いない。鞍上は松若風馬騎手が予定されている。

◆クレアツィオーネ(牡、父リオンディーズ、母ポケットチャーリー、栗東・辻野泰之厩舎)

 祖母シャイニンルビー(父サンデーサイレンス)は2002年クイーンCを勝ち、アローキャリーの勝った桜花賞で3着というGI実績がある。

 本馬は9月8日にゲート試験を合格。その後は牧場で調整し、11月下旬から栗東でデビューに向けた追い切りを開始。坂路とCWを併用して、しっかりと乗り込まれており、12月20日のCWではレースで騎乗予定の国分優作騎手が跨って、古馬1勝クラスを追走。少し遅れてしまったが、6F83.8秒という全体時計は及第点といったところだろう。

(取材・文:井内利彰)