今年の有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)では、16頭中11頭が乗り替わりでの参戦となる。これは86年以降では史上最多。どの馬にどの騎手が乗っているのか分からないというファンも多いのではないだろうか。確かに近年のGIではトップジョッキ…

 今年の有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)では、16頭中11頭が乗り替わりでの参戦となる。これは86年以降では史上最多。どの馬にどの騎手が乗っているのか分からないというファンも多いのではないだろうか。確かに近年のGIではトップジョッキーや短期免許の外国人ジョッキーへの乗り替わりでの勝利が目立つ。今年の日本ダービーでタスティエーラのD.レーン騎手が69年ぶりのテン乗りVを決めたのは、その最たる例といえるだろう。しかし、有馬記念の乗り替わりはどうなのか。近年を振り返って検証したい。

 結論から言うと、有馬記念では驚くほど乗り替わりの馬が苦戦している。直近の勝利は14年のジェンティルドンナ&戸崎圭太騎手。15年以降の8回では[0-4-4-45]と未勝利。また、単勝オッズが10倍未満の馬は[0-0-3-5]と1頭も連対できていない。同10倍以上に目を向ければ、20年サラキア(11番人気)、21年ディープボンド(5番人気)、22年ボルドグフーシュ(6番人気)と目下3年連続2着なので、大きく割り引く必要はないが、人気馬は過信禁物。今年はスターズオンアース、ソールオリエンス、タスティエーラ、ドウデュースあたりが上位人気に推されそうだが、データに逆らってまで買うべき馬なのかどうかは、慎重に考える必要がありそうだ。

 このデータを活用して推奨馬を挙げるならジャスティンパレス(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。昨年の有馬記念にはT.マーカンド騎手への乗り替わりで挑んで7着。しかし、今年は前走の天皇賞(秋)2着から横山武史騎手の継続騎乗となる。これはデータ的に大きな後押し。昨年の悔しさを晴らすことを期待したい。