12月24日は中山競馬場で秋冬競馬の総決算となるグランプリ・有馬記念(GI、芝2500m)が開催されます。創設以来一貫して同じ競馬場で施行が続く数少ないGIレースで、今年もグランプリに相応しいメンバーが揃いました。 今回は2000年以降の過…

12月24日は中山競馬場で秋冬競馬の総決算となるグランプリ・有馬記念(GI、芝2500m)が開催されます。創設以来一貫して同じ競馬場で施行が続く数少ないGIレースで、今年もグランプリに相応しいメンバーが揃いました。

今回は2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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■C.ルメール騎手で今年も決まり?

今年の有馬記念に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは14騎手。各騎手のデータは次の通りです。

有馬記念の騎手別成績(2000~22年)

GI中のGIだけあって複数の連対経験があるのは僅か3騎手しかいません。その3騎手がGI優勝請負人のC.ルメール騎手、グランプリ男の池添謙一騎手、競馬界のレジェンド・武豊騎手です。

まずC.ルメール騎手騎手のデータを見ていきます。

2005年のハーツクライ(4番人気)、16年のサトノダイヤモンド(1番人気)、22年のイクイノックス(1番人気)で3勝を挙げていますが、注目したいのは11年のエイシンフラッシュ(7番人気2着)、12年のオーシャンブルー(10番人気2着)、17年のクイーンズリング(8番人気2着)のように伏兵でも結果を残せていること。素の成績で連対率43.8%、複勝率56.3%ですから、有馬記念では絶対に欠かせない騎手です。

注目データは騎乗馬の年齢で4歳馬または5歳馬に騎乗時は【1.4.2.1】で連対率62.5%、複勝率87.5%にまで上昇。この条件で唯一圏外に敗れたのは19年のアーモンドアイですね。また前走レースにも注目でき、前走ジャパンC出走馬は【1.1.0.0】で連対率100%。こちらはハーツクライとエイシンフラッシュが該当するデータです。

なお、今年の有馬気記念でC.ルメール騎手は前日16時時点7番人気で「前走ジャパンC出走」の「4歳」牝馬スターズオンアース(牝4、美浦・高柳瑞樹厩舎)に跨ります。

枠順こそ有利とは言えない8枠16番になりましたが熱いデータに該当する以上、軸扱いするのが正解でしょう。ただし、勝率を考慮すると馬連や3連複の軸として取り扱うのがオススメです。

■人気の池添謙一騎手は買い

続いて有馬記念で歴代最多の4勝を誇る池添謙一騎手のデータを見ていきます。

同騎手は2009年のドリームジャーニー(2番人気)を皮切りに11年・13年のオルフェーヴル(ともに1番人気)、18年のブラストワンピース(3番人気)をそれぞれ優勝に導きました。

注目ファクターは人気で3番人気以内の馬に騎乗した際は【4.0.0.1】の勝率・連対率80%です。有馬記念で人気馬に跨った池添謙一騎手は絶対に買いと覚えておきましょう。

そして今年の有馬記念で同騎手が騎乗予定なのが前日16時時点で3番人気のスルーセブンシーズ(牝5、美浦・尾関知人厩舎)。GI未勝利馬ですが、宝塚記念でイクイノックスに迫った実力は本物と考えている競馬ファンが多いようですね。

データ的にも当日3番人気以内をキープなら1着が見えてきそうです。先ほどのC.ルメール騎手と同様に池添謙一騎手も軸扱いすべきでしょう。

■レジェンド・武豊騎手は馬券絡みに期待

続いて怪我からの復帰後、朝日杯FSで即結果を残した武豊騎手のデータを見ていきましょう。

同騎手は2006年のディープインパクト(1番人気)、17年のキタサンブラック(1番人気)で集計期間内に2勝を挙げています。両馬ともその前年は2着で見事リベンジに成功した形ですね。

注目ファクターは池添謙一騎手と同様に人気で4番人気以内の馬に跨った際は【2.3.1.3】で連対率55.6%です。ただし、単勝回収率は34%と奮わないため、2着や3着候補として考えるのがいいかもしれません。

なお、武豊騎手は今年の有馬記念で前日16時時点2番人気のドウデュース(牡4、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗予定。この人気が当日も続くようなら馬券絡みに期待できますね。

■1番人気のジャスティンパレス&横山武史騎手は…

最後に前日16時時点で1番人気のジャスティンパレス(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)に跨る美浦の若きエース・横山武史騎手のデータを見ていきます。

同騎手は有馬記念2度目の騎乗となる2021年にエフフォーリア(1番人気)に跨り勝利しています。人気通りと言えばそれまでですが、結果を残す騎手が少ない中でこれだけ早く勝利を収めるのは異例ですね。

過去3鞍の結果だけでは判断ができかねるため、集計対象を中山芝2500m戦に広げた結果は【2.1.3.14】の連対率15%。可もなく不可もなくといったところでしょうか。さらに重賞に絞ってみると人気不問で【2.0.0.4】連対率33.3%ですから悪くはありません。

C.ルメール騎手や池添謙一騎手と比べるとデータ上の検証材料にどうしても欠けてしまいますが、信頼できない騎手ではないというのが現状のジャッジです。

以上、有馬記念の気になる騎手データでした。データ注目騎手はC.ルメール騎手や池添謙一騎手です。池添謙一騎手1着、C.ルメール騎手2着また3着の3連単で勝負してみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。