川崎フロンターレは今季、3年ぶりにホーム・アンド・アウェイ方式が復活したACLで、3度のアジア遠征に挑んだ。その3試合…
川崎フロンターレは今季、3年ぶりにホーム・アンド・アウェイ方式が復活したACLで、3度のアジア遠征に挑んだ。その3試合は2勝1分と無敗。日程的に厳しい中で、見事に結果を出した。
来期、川崎フロンターレはプレミアリーグのCL出場チームをも凌駕する過酷な日程をこなす予定になっている。今季のACLグループステージを無敗で勝ち上がり、そして天皇杯を制したことで、来季のACL出場も決まっているからだ。そんなシーズンを前に、今季のACLアウェイ試合の舞台裏を紹介したい。
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川崎のACLのアウェイ2戦目の相手は、タイのパトゥムだった。まさかの、チャナティップとの再会マッチである。チームにとっては20日のアビスパ福岡戦(20日=等々力)から中3日での試合となった。
この試合も、”敵”の一つが暑さだった。ちなみに、後に選手の話では、今季の一番暑かった試合について、天皇杯の高知戦や新潟戦、ACL・JDT戦など、意見が分かれて聞こえた。暑さは気温と湿度だけで測れるものではなく、疲労具合コンディション、また、その人のもともとの感じ方で大きく感じるのだなと感じさせられた。
この試合は今回のACLの中で最も友好的な空気であり、“緩め”の現場レギュレーションでもあった。前日会見のためにスタジアムを訪れると、その会見の合間にパトゥムスタッフがランチメニューを持ってきて隣に座り、「お昼を食べに行こう」「どれがいい?」「オススメはこれだけど……」と話しかけて来たのはいい例だ。
さすがに、「今、会見中だから待ってほしい」とお願いするも、再び訪ねて来る。それを何度かはねのけるも、会見が終わるやすぐに外に連れ出されることとなった。
■“お偉いさん”が自家用車で案内
さらには、筆者の取材パスをどうやらパトゥム側で紛失してしまったという。通常、取材パスがなければ取材ができないどころかスタジアムに入ることすらできないのだが、その場にたまたま居合わせたスタッフ5人が、「ここにいる人はあなたの顔を覚えたから、もうどこに行っても大丈夫。好きに取材して」と、“微笑み”とともに“顔パス”を与えてくれたのだ。
“さすがにそれではどこかで捕まって時間を取られるな……”と思ったが、実際、最後まで誰かに“職務質問”されることなく、無事に取材することができた。この時ほど“微笑み”の強さを感じたことはない。
川崎の今季のACLのアウェイ3試合を取材したのは基本的に3人。『エルゴラッソ』のT氏、フリーランスの江藤高志氏、そして筆者だ。JDT戦は『時事通信』の記者が日本から来ており、パトゥム戦では同通信社の現地記者が取材したが、それ以外の日本人取材者はいない。
ミックスゾーンで取材した日本人は以上の3~4人がいるが、ピッチ横でカメラ撮影をした日本人は筆者だけ。そのため、3戦いずれの現場でも珍しがられ、いろいろと話しかけられたり、記念撮影を求められた(JDT戦では現地カメラマンがなぜか弟を連れて来て、3人で撮影をお願いされた)。特にパトゥム戦ではそれが強く、試合前後を通してタイ人カメラマンから水3本(3人から1本ずつ)とお菓子数個をもらった。
“微笑みの国”の優しさに驚いたが、前日練習の際にはタイサッカー協会の“お偉いさん”が、T氏、江藤氏、筆者をわざわざ自身の車に乗せてパトゥムのクラブハウスに連れて行って見せてくれるなどもしていただけに、常に驚きの中にいる感じだった。
(取材・文/中地拓也)