史上2人目の快挙に挑む井上。タパレスは難敵だが、この日本の最強戦士を押す識者は少なくない。(C)Getty Images 歴史的快挙に向けた決戦がいよいよ間近に迫り、緊張感は否応なしに高まっている。 12月26日、世界スーパーバンタ…

史上2人目の快挙に挑む井上。タパレスは難敵だが、この日本の最強戦士を押す識者は少なくない。(C)Getty Images

 歴史的快挙に向けた決戦がいよいよ間近に迫り、緊張感は否応なしに高まっている。

 12月26日、世界スーパーバンタム級WBC&WBO王者の井上尚弥(大橋)は、東京・有明アリーナでWBA&IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一戦に臨む。日本が生んだ「モンスター」が、この師走の大一番に勝利すれば、史上2人目となる2階級での4団体統一達成となる。

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 まさにヒストリカルな一戦に向け、双方ともに最終調整に入っている。井上は現地時間12月13日にWBCが実施した2週間前計量で、前日計量のリミット(55.3キロ)に迫る57.9キロを記録。残る2本のベルト奪取に向け、順調さを感じさせている。

 タパレスについて「一発の番狂わせを狙う気持ちが怖い」と警戒を口にする井上。だが、29歳の日本人の勝利を予想する声は尽きない。それは“ボクシングの本場”のレジェンドたちも同様だ。現地時間12月9日に米YouTubeチャンネル「TRU SCHOOL SPORTS」の取材で、元WBC世界スーパーライト級王者のティモシー・ブラッドリー氏(米国)は「俺はタパレスに悪意があるわけじゃないけど、次の試合は6ラウンドもいかないんじゃないかと思う。でも正直言って、イノウエはレベルが違うよ」と断言した。

「もちろん、タパレスも良い選手だ。フィリピン人らしいパンチ力と、技術、そしてタフネスが備わっている。でも、イノウエはこれまでの相手とは違うよ。これは言いづらいけど、イノウエはタパレスを難なく倒す。本当に、本当に簡単にね」

 かくいうブラッドリー氏も米ボクシング界が生んだ名手だ。2010年代には、世界最強と謳われたマニー・パッキャオ(フィリピン)と3度の対戦し、1度だけ勝利(判定)した経験がある。

 そんなボクシングの酸いも甘いも知る元スター戦士は、以前から井上を高く評価してきた。今年7月にスティーブン・フルトン(米国)に8回TKOで勝利した際には「スピードとパワーは、俺が初めてパッキャオと戦ったとき以来の衝撃があった」と絶賛してもいた。

 タパレス戦に向けても「井上有利」の予想を展開したブラッドリー氏は「イノウエは異次元なんだ」と強調。「誰も言わないけど、彼は本当に進化し続けているんだよ。アメリカでやったモロニー戦よりも今は遥かに強くなっている」と続けた。

「イノウエは一度犯したミスを繰り返さない。彼はファイターとして技術をより高みへ持っていこうと努力を重ねて、伝説的なファイターになろうと挑戦もし続けてる。それってクレイジーだろ? アマチュア時代の成績を見ても、偶然なんかじゃないんだよ。それぐらいに彼は特別なんだ」

 百戦錬磨の元選手に「異次元」と言わしめる井上。次のタパレス戦では、世界が認める“違い”を見せつけられるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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