ご存じの通り、浦和レッズはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を3度制覇している。 最初が2007年。坪井慶介(解説者…
ご存じの通り、浦和レッズはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を3度制覇している。
最初が2007年。坪井慶介(解説者)やマルクス闘莉王、長谷部誠(フランクフルト)、ポンテ、ワシントンといった面々が揃っていて圧倒的な強さを誇った。
直近は今年5月の22-23シーズンACLだ。アウェーで興梠慎三が挙げた同点弾をホーム・埼玉スタジアムに持ち帰り、第2戦はオウンゴールで1-0の勝利。西川周作や酒井宏樹、岩尾憲らベテランの力が大いに光った。
そして李忠成が参戦した2017年が2度目。ファイナルこそベンチ外になったが、ラファエル・シルバの決定力がさく裂。見事にアルヒラルを撃破し、FIFAクラブワールドカップ出場権を勝ち得ている。
「マウリシオの子どもが生まれる直前で、ロッカールームで円陣を組んだ時に『俺は生まれてくる子どもにアジア王者を取ったんだと言いたい』と熱っぽく言ったんです。その本気度がみんなに伝わって、チーム全体が凄まじいムードに包まれた。『俺ら本気でタイトルを取りに行くんだ』と全員が鬼気迫る様子でピッチに出て行きましたね。
その時の様子は今も忘れられません。いざという時に熱くなれる男たちが揃っていたから、当時のレッズは強かったのかなと僕は感じています」と李忠成は6年前の歓喜の日に思いを馳せた。
■格別の喜びを感じた「KLMのハーモニー」
西川、槙野、宇賀神友弥(岐阜)、森脇良太(愛媛)、梅崎司(大分)…と確かに当時の浦和には発信力のある選手が揃っていた。彼らの発言の1つ1つに重みがあり、それがサポーターに伝わって、大きな渦を生み出していた。強いチームというのはそういうもの。そこでピッチに立てた時間を李忠成は本当に宝物のように感じているという。
「僕は今年限りで引退しますけど、何が悲しいかと言えば、サッカー選手としてお金をもらえなくなることじゃない。うまい選手と一緒にサッカーできなくなることが一番つらいことなんです。
レッズ時代は『KLMトリオ』もそうですけど、自分たちのイメージが合致した状態でプレーできた。最高のハーモニーを6万人の大サポーターの前で見せられる喜びは格別です。それを実体験できるプロサッカー選手という職業は本当に素晴らしい。僕は貴重な時間を過ごさせてもらったなと痛感しています。
まだ槙野たちも引退試合をしていないと思うし、できたら当時のメンバーと一緒に引退試合したいですね。槙野、柏木陽介(岐阜)、那須さん、そして小野伸二さん(札幌)が一緒に共演できたら最高ですよね」
それが現実になれば、熱狂的サポーターも大歓迎のはず。第2次黄金時代とも言える面々の一挙手一投足を目の当たりにすれば、今の選手たちにも大いに刺激になるだろう。ぜひ形にしてほしいものである。
いずれにせよ、浦和が今年12月のFIFAクラブワールドカップに参戦する。2017年のチームは初戦でアル・ジャジーラに不覚を取り、5位に甘んじたが、今回のチームはそれを越えるべく、勇敢な戦いぶりを見せ、好結果を残してほしい。OBである李忠成も心から成功を願っているという。
(取材・文/元川悦子)