12月10日(現地時間9日)に行われた「NBAインシーズン・トーナメント」決勝で、インディアナ・ペイサーズを撃破し、初代王者…

 12月10日(現地時間9日)に行われた「NBAインシーズン・トーナメント」決勝で、インディアナ・ペイサーズを撃破し、初代王者に輝いたロサンゼルス・レイカーズ。決勝戦で41得点20リバウンド5アシスト4ブロックと大爆発したアンソニー・デイビスは、今回のカップ戦制覇で新たな偉業を達成した。

 デイビスは、NCAA、NBA、インシーズン・トーナメント、ワールドカップ、オリンピックの5大会すべてで優勝を成し遂げた、歴史上ただ1人のプレーヤーとなった。2020年にNBAチャンピオンとなった時点でNCAA、NBA、ワールドカップ、オリンピックをすべて制した唯一の選手となったのだが、その偉業に新たな栄冠が加わった形となる。

 ケンタッキー大学時代に2012年の「NCAAトーナメント」を制し、同年にロンドンで行われた「第30回オリンピック競技大会」ではアメリカ代表として金メダルを獲得。NBA入り後も快進撃を続け、2014年にスペインで行われた「第17回FIBAバスケットボール・ワールドカップ」でアメリカ代表を金メダルに導いた。2019-20シーズンにニューオーリンズ・ペリカンズからロサンゼルス・レイカーズへ移籍。同シーズンに悲願のNBA初制覇を成し遂げた。

 ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)やカイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)は、NBAを制覇し、ワールドカップとオリンピックで世界一に輝いたが、大学時代はNCAAチャンピオンになれなかった。“神様”マイケル・ジョーダン氏(元シカゴ・ブルズほか)やビル・ラッセル氏(元ボストン・セルティックス)、マジック・ジョンソン氏(元レイカーズ)といったレジェンドたちはNCAA、NBA、オリンピックで優勝を飾ったが、プロが国際大会に出場すること自体が貴重だった当時の風潮もあって、ワールドカップの受賞歴はない。

 インシーズン・トーナメント制覇を成し遂げた直後の会見で、40得点20リバウンドとすさまじい記録を残したことについて聞かれたデイビスは「(スタッツには)あまり特別な意味を感じてない」としながらも、また新たな“優勝”を成し遂げたことに対しては喜びを露わにした。

「僕は、勝つためにできることは何でもするつもりでコートに立っているんだ。今日はチームメートのおかげで、僕はいい形で仕事をさせてもらえたよ。トーナメントの初代王者になったことは僕たちにとって大きな意義があるし、6月に再びNBAを制覇するための一歩としてとてもいい方向に進んだと思う」

 5つの大会を制するという、誰も成し遂げたことのない“優勝グランドスラム”を現実のものとしたデイビスの活躍にこれからも注目が集まる。