千葉県千葉市の幕張海浜公園でJCXシリーズ第3戦「幕張クロス」が11月5日、開催された。このレースは全日本選手権への出場資格となるポイントが付与されるJCFシクロクロスシリーズにも認定されている。今年も晴天にめぐまれ、11月とは思えない暖か…

千葉県千葉市の幕張海浜公園でJCXシリーズ第3戦「幕張クロス」が11月5日、開催された。このレースは全日本選手権への出場資格となるポイントが付与されるJCFシクロクロスシリーズにも認定されている。

今年も晴天にめぐまれ、11月とは思えない暖かさ。午後には気温は24度にも達した。常設のMTBコースに芝生エリアを組み合わせて設営されており、森林のパンプトラック、直登の登りなど、テクニカルなセクションも含まれる。幅の狭い区間も多く、追い越しにも制限がかかってくる。昨年よりも難度が上がっており、コーナーの数も多く、気が緩め
ば、ミスも出やすくなるだろう。とはいえ、ペースアップができる平坦区間も長くコースはドライ。例年通り、ハイスピードのレースが予想された。



「昨年度より難しくなった」というコース。コーナーやアップダウンが多く、さらに加速できる直線区間も長い。力の差が出るコースだ



どのカテゴリーも大混戦となる名物の難所「忍者返し」

男子最上位カテゴリーのME1には90名がエントリー。全日本チャンピオンで第2戦を独走で制した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は幕張クロス4連覇中。圧倒的な優勝候補だ。鈴木来人(OnebyESU-ICV)、さらには、今シーズンを最後に、長く所属したチームを移籍する小坂光(宇都宮ブリッツェン)などが最前列に並んだ。



全日本チャンピオンジャージ姿の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)を中央にラインナップ

豪快にスタート。まず、キレのあるスタートダッシュを見せたのは副島。そのまま先頭で最初のコーナーを回る。後には鈴木らが続く。



一気に選手がコースになだれ込む

副島達海(大阪産業大学)、と柚木伸元(日本大学)がしばらく先頭を行くが、織田が二人を軽やかにかわし、先頭に躍り出た。



早くも独走態勢に入った織田



追う副島達海(大阪産業大学)、柚木伸元(日本大学)

織田は、早くも他の選手たちを振り切り、2周目から独走態勢に入った。追走はまとまらず、副島や柚木は単独で織田を追う形となった。



バニーホップでシケイン(障害物)を跳ぶ織田

その後に続くのが、鈴木と小坂、加藤健悟(臼杵レーシング)の3名。だが、追走のペースは上がらない。
織田は悠々と先頭を走り続け、そのまま単独でフィニッシュ。幕張クロスの5連覇並びに、JCXシリーズでも連勝を決めた。



独走で大会5連覇とJCXシリーズ連覇を決めた織田



祝福する弱虫ペダル作者の渡辺航氏



優勝した織田、2位の副島、3位の柚木

2位には副島、3位には柚木が入っている。

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【結果】
JCX第3戦 幕張クロス エリート男子(ME1)

1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)57:39.69
2位/副島達海(大阪産業大学)+00:21
3位/柚木伸元(日本大学)+01:47
4位/鈴木来人(OnebyESU-ICV)+02:50
5位/小坂光(宇都宮ブリッツェン)+03:12

※エリート女子WE1のレポートは次のページへ→

そして、女子の上位カテゴリーであるWE1では、前戦で強さを見せ、勝利をあげた渡部春雅(明治大学)、MTBのアジア選手権に日本代表で参戦した小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、石田唯、前戦でも健闘した大蔵こころ(早稲田大学)、小田恵利花(SNEL CYCLOCROSS TEAM)らがエントリー。



スタートラインに並ぶ女子WE1参加選手たち

好スタートを切った渡部が、そのまま先頭でコースに入っていった。テクニックに優れた渡部は、難しいセクションで差を見せ、早くも独走態勢に入る。石田と小林は、ともに先行する渡部を追う。



難所では女子選手も苦戦



ロスの少ないテクニカルな走りで先行する渡部

渡部は落ち着いた様子で先行を続け、衰えないペースで先頭を走り続けた。



先頭を追う石田唯、小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)

レースは最終周回に。ここで2位争いをしてきた小林のバイクに、メカトラブルが発生。リカバリーできず、リタイアに追い込まれてしまった。
渡部は先行したまま、ホームストレートに突入。前戦に続き、独走でフィニッシュラインを越え、連覇を達成した。



連覇を決めた渡部

2位には石田、3位には追い上げた大蔵が入った。



笑顔の表彰台。優勝した渡部、2位の石田、3位の大蔵

レース参加人数も増え、多くの方々が観戦に訪れ、そろそろシクロクロスシーズンが盛り上がってきたか、という印象だ。次戦はUCI(世界自転車競技連合)レースでもあり、国内レースの中でも1-2を争う人気大会である野辺山クロス。ここで主力選手が出揃い、本格的なシーズン開始となる。

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【結果】
JCX第3戦 幕張クロス エリート女子(WE1)

1位/渡部春雅(明治大学)39:05.41
2位/石田唯 +00:37
3位/大蔵こころ(早稲田大学)+01:22

画像:Satoshi ODA

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【JCXシリーズ・レポート】
第2戦・わたりラウンド