スルスルっとドリブルでリング下へと切り込んでシュートを決めたかと思えば、鮮やかに3ポイントシュートを沈める。飄々とした様子で…

 スルスルっとドリブルでリング下へと切り込んでシュートを決めたかと思えば、鮮やかに3ポイントシュートを沈める。飄々とした様子で点を奪っていく赤間賢人(3年)は、189センチのオールラウンダーだ。

 赤間は昨年のウインターカップでその力をいかんなく発揮。藤枝明誠高校(静岡)のベスト4入りの立役者となった。

 最上級生となった今年は、6月の東海大会を制して夏に向けて弾みを付けたが、インターハイでは優勝に届かず、ベスト8に終わった。そのため、「インターハイでは悔しい思いをしたので、ウインターカップでは絶対日本一を取れるように頑張ります」と、赤間も高校最後の大会に懸ける思いは強い。

 その赤間は、「周りを生かすプレーをするようにと先生からも言われてますし、もっと増やしていかないといけないと思っています」と、ウインターカップに向けた課題を語る。その中でバスの意識は、以前より高まったとのことで、キッカケの一つとなったのが初参戦した「U18日清食品リーグ トップリーグ」。リーグ戦を通してポイントガードに挑戦したことだ。

「ガードをやらせてもらう機会が多く、今までは自分が点を取ることだけを考えてやっていましたが、周り生かすプレーもガードをやっていく中で見えてくるようになったので、そこは成長できたかなと思います」と、赤間は振り返る。

「U18日清食品リーグ トップリーグ」では、ケガの影響で209センチのボヌ ロードプリンス チノンソ(2年)が不出場の試合が多かったが、「今までリバウンドやディフェンスでプリンスに頼っていたところをチーム全員でカバーするようにしたので、チームディフェンスのところで成長できたかなと思います」(赤間)と、しっかりとチームとしての収穫を得ることができた。また、インターハイでは、「ゲーム中にミスが起きたときにコミュニケーションがなかったり、一人ひとりがバラバラなプレーをしたりしていた」ことが反省点として上がったため、以降の練習では3年生が中心となって声を出してきたと赤間は胸を張った。

 昨年大会で旋風を巻き起こした藤枝明誠。今年はその成績を超えることができるか⁉︎ 12月23日、藤枝明誠を引っ張るエース・赤間の高校ラストステージの幕が開く。

文=田島早苗