ドジャースとの超大型契約を締結した大谷。その契約は後払い方式となっている。(C)Getty Images 名実ともに球界…

ドジャースとの超大型契約を締結した大谷。その契約は後払い方式となっている。(C)Getty Images

 名実ともに球界、いやスポーツ界を代表する“トップアスリート”となった。現地12月9日にドジャースと契約を締結した大谷翔平である。

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 何よりも世界を驚かせたのは、前代未聞の契約規模だ。ドジャースと締結したのは、10年総額7億ドル(約1014億円)。サッカー界の生けるレジェンドであるリオネル・メッシが2017年11月に当時所属していたバルセロナと結んだ6億7400万ドル(約977億円)を大きく上回る値段となった。

 無論、1014億円全額を一括で払うわけではない。それはあまりに非現実的だ。詳細は不透明なところが多いものの、今回の契約の大部分は「後払い」形式になっているという。

 後払い形式のメリットは多い。契約期間内の年俸額を抑え、チーム全体のペイロールに柔軟性を生み出すからだ。大谷の場合で言えば、単純計算で年俸7000万ドル(約101億5000万円)となるが、大部分を後払い形式にすれば、ドジャースはメジャーリーグが設けるぜいたく税を回避し、“余剰資金”を新たな補強に回せるようになる。

 一部報道によれば、後払いによって大谷の年俸は「4000~5000万ドル程度まで抑えられるかもしれない」とも言われる。では、大谷は10年契約以降でどれだけの金額を得るのか。アメリカのデータサイト『Fan Graphs』が試算している。

 仮に今回の契約で得た7億ドルのうち、半分以上の4億ドル(約580億円)を後払いとし、その期間を40年とした場合には、ドジャース在籍時に手にする年俸は年3000万ドル(約43億5000万円)。そして、契約満了後の2034年から78歳となる73年までに大谷は、毎年1000万ドル(約14億5000万円)が支払われる計算となる。

 もっとも、メジャーリーグにおいて後払い契約は珍しいものではない。ドジャースでも、主砲のムーキー・ベッツが32年の契約満了後に、12年間(33~44年)で後払い分の1億1500万ドル(約167億円)が得る運びとなっている。

 あくまで試算とはいえ、78歳まで支払いが続くのは、まさに生涯保証と言える。無論、球団が抱える負債は増える。だが、この契約形態について北米で最大級のネットワークを誇るスポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者も、「オオタニの加入により、ドジャースの世界的な魅力は増すばかりだ」と好意的に紹介している。

 何はともあれ「オオタニ狂騒曲」とも言われた去就はついに決着した。ドジャースから熱烈なアプローチを受けた大谷が、いかなる気持ちでサインをしたのかは興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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