ビキニ選手・REIKAさんインタビュー(前編) 身長174cm、美しい褐色の肌、ゴージャスな雰囲気、そして日本人離れしたプロポーション──。日本フィットネス界のビキニ選手のなかで、圧倒的な存在感を誇るのがREIKAさんだ。 ビキニ選手として…
ビキニ選手・REIKAさんインタビュー(前編)
身長174cm、美しい褐色の肌、ゴージャスな雰囲気、そして日本人離れしたプロポーション──。日本フィットネス界のビキニ選手のなかで、圧倒的な存在感を誇るのがREIKAさんだ。
ビキニ選手として活躍するまでの経歴も、これまた異色である。北京オリンピックの代表候補まで上り詰めたのち、レースクイーンに転身して華々しい場所に舞台を移したかと思えば、次なるステージはフィットネスのビキニ選手としてアマチュアのトップに立った。
いったい彼女は、どういう女性なのか──。興味の赴くまま、話を聞いてみた。
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かつてはセーリング競技で北京五輪を目指していたREIKAさん
photo by Yazawa Takanori
── 国内外のボディコンテストで活躍しているREIKAさんですが、以前はセーリングの日本代表特別強化指定選手で、北京オリンピックを目指していたそうですね。
「はい。実は小さい時から水泳をやっていて、中学生の時にジュニアオリンピックに出場したことがあるんです。だから進学しても水泳をやろうと思っていたんですけど、入学した高校には水泳部がなかったんですよ! そこでヨット部にスカウトされて、セーリングを始めることにしたんです。まあ同じ『水』だし、いいかなって(笑)」
── いや、けっこう違うと思いますけど(笑)。高校時代はどのような成績を?
「ふたり乗りのディンギー(FJ級)で、インターハイで準優勝しました。私は福岡県の博多出身なんですけど、地元はヨット部が強い高校が多くて、レベルがすごく高かったんです。
一般的にヨットというと『優雅なイメージ』がありますけど、競技はとても激しいし、体力面はもちろん、海や風の状況を読まなければいけないので、すごく奥が深くて面白かったんです。今は競技を離れていますけど、またいつか乗りたいなって思っています」
レースクイーン時代のREIKAさん
── 高校を卒業したあとも競技は続けていたんですよね?
「いえ、高校で辞めて1年浪人をして、関東の大学に進学したんです。ヨット部のほかの子たちは全員、推薦で大学のヨット部に進んだんですけど、私としては違う生き方も経験したくって。本音を言うと、部活がきつくて『辞めたい』って思いながらヨットに乗っていたんですよ。だから浪人しながら、福岡でモデルやレースクイーンの活動などをしていました」
── じゃあ、大学で再びヨットを?
「それがいろいろあって、大学に入って半年ぐらいした時に、実業団のチームにスカウトされたんですよ。高校の時、それなりの成績を残していたので、どうやら私が関東にいるらしいと業界で噂になって(笑)。私としても母子家庭でしたし、ダラダラと大学生活を送るのも悪いかなと思った時期で......。実業団に入れば、お給料も出ますしね。
あとはやっぱり、目的があってこその人生。これはチャンスだし、よしやってみようって。そこで大学を辞めて実業団で競技に専念するようになり、ほどなくして特別強化指定選手になったんです」
── 当時の国内での戦績は?
「パートナーにも恵まれて、ほとんどの大会で優勝していました。実業団にいる時は、年間の3分の1は海外での遠征試合でしたね。ナショナルチームの一員として世界中を転戦しながらの4年間。ほとんど休みがなくて大変でしたけど、今となってはいい思い出です」
── しかし、北京オリンピックには届かなかった。
「そうなんです。優勝ペアのみが日本代表になれる最終選考大会で3位に終わってしまって......。その後、また4年間続けるという話もあったのですが、ほかにもやりたいことがいっぱいあったんで、引退することを決めました」
── その後は何をしていたんですか?
「博多時代にモデルやレースクイーンをやっていたと言いましたが、当時は不完全燃焼だったので、再び同様の活動を始めたんです。やるからには極めたい性分なので(笑)。レースクイーンは昨年までやっていましたね」
抜群のスタイルを活かしてレースクイーンも経験
photo by Yazawa Takanori
── REIKAさんは2017年からボディコンテストに参加していますが、そうするとここ数年は競技と並行しながらレースクイーンをやっていたんですね。
「そうですね。非常に楽しく活動させてもらいました。ただ、通常のレースクイーンと違うのは、レースに華を添えて観客を盛り上げるのがレースクイーンの務めだと思うんですけど、私の場合、ずっとセーリングをやってきたので、ドライバーさんの気持ちがわかるというか、選手目線でレースを見ていた感じなんですよね」
── さすがオリンピックを目指した海のレーサー。
「だから、すごく感情移入してしまって(笑)。私がまたボディコンテストに出場するようになると、チームの方も気を遣ってくれたというか、アスリートみたいな感じで接してくれたんです。たとえば、支給される食事も、減量中だろうってひとりだけ特別メニューにしてもらったり」
── そんなレースクイーンは聞いたことないですよ。
「はい、こんなレースクイーンいないと思います(笑)。だからボディコンテストで結果を出すようになると、ドライバーさんから『プロテインはどこのブランドがいいの?』とか『トレーニングはどうやっているの?』とか質問されるようになって。チーム関係者からは、レースクイーンじゃなく選手みたいな対応をされるようになったんですよ」
── それは面白いですねえ。けれどもレースクイーンは昨年で辞めてしまった。
「レースは大好きだし、続けたかったんですけど、私は自分の競技以外にパーソナルトレーナーもやっているので、なかなか時間が取れなくなってきてしまったんです」
── 月にどれくらい、パーソナルで教えているんですか?
「150本ぐらいですかね」
── えっ、それじゃあ時間は取れませんよね。
「それにレースは土日開催なんですけど、自分が出場するコンテストも、サポートしている生徒さんたちの大会も土日が多いんです。サポートではメイクからパンプアップの手伝いまでしますから、時間の制約もあります。
レースクイーン時代の最後のほうは、チーム関係者の方から『REIKAちゃんの場合はしょうがないからがんばってきてね』と言ってもらっていました。みなさんの理解と応援がなければ続けられなかったので、本当に感謝していますね」
(後編につづく)
たゆまぬ努力「減量15キロ」「食事は餌」「月150本のパーソナル」
【profile】
REIKA
ビキニ選手、フィットネスモデル、トレーナー。福岡県福岡市出身。セーリング競技で五輪特別強化指定選手に選ばれたのち、レースクイーンの道へ。その後、フィットネスの世界で頭角を表し、2019年のWBPF世界選手権で銅メダル獲得。2023年はマッスルコンテスト・ジャパン「女子ビキニの部170センチ超級」で優勝した。身長174cm。