数多の猛者を沈めてきた井上と対峙するタパレス。準備は着々と進んでいるようだ。(C)Getty Images  キャリアを懸けた大一番に向け、準備は着々と進んでいる。12月26日に東京・有明アリーナで行われるボクシングの…

 

数多の猛者を沈めてきた井上と対峙するタパレス。準備は着々と進んでいるようだ。(C)Getty Images

 

 キャリアを懸けた大一番に向け、準備は着々と進んでいる。12月26日に東京・有明アリーナで行われるボクシングのスーパーバンタム級4団体統一戦で、WBC&WBO世界同級王者の井上尚弥(大橋)に挑むマーロン・タパレスだ。

【動画】アフマダリエフ戦で見せたタパレスの「必殺技」をチェック

 

 今年4月にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を判定決着の末に撃破し、WBA&IBF同級王者となったタパレス。プロキャリア40戦(37勝3敗19KO)をかけて着実にスターダムを上がってきた31歳は、井上との決戦に向けて標高1540メートルの高地にあるフィリピンのバギオ市でハードなトレーニングを積んでいる。

 下馬評は井上優位の見方が大半を占めている同対戦だが、現在のタパレスを間近に見た関係者は、「フィリピンの悪夢」の異名を持つベテランの仕上がりに太鼓判を押す。現地時間12月7日、母国のニュース局『GMA Network』の取材に応じたWBAアジアスーパーバンタム級王者カール・ジェームズ・マーティン(フィリピン)は、同胞による番狂わせの可能性を論じた。

 タパレスのスパーリングパートナーでもあるマーティンは、実際に拳を交わした感想として「彼のショルダーロール(肩で攻撃をかわす技)はアフマダリエフに対しても使っていて、イノウエに対しても効果的で、大きなアドバンテージになる」と断言。この“秘技”が炸裂した場合における井上の苦戦を予想した。

「タパレスが次の試合(井上戦)で、ショルダーロールを上手く応用することを願っているよ。もしも、効果的に繰り出せたとしたら、さすがのイノウエでも簡単じゃないはずだ。厳しい戦いになるはずだよ」

 さらに「僕は彼の驚くべきスタミナを間近で目にした。全てが良い状態になっていると思う」と語ったマーティンは、「トレーニングを見る限りでは、勝利にとても飢えている感じがした。どれだけ長く持ちこらえられるか、スタミナと忍耐力が必要になる」と、異次元のポテンシャルを秘める“怪物”を打倒するためのカギを指摘した。

 果たして、名手アフマダリエフをも苦しめた“秘技”は、井上をも飲み込むのか。「イノウエは悪夢を見て苦しむはずだ」と豪語するタパレスの仕上がりに、期待せずにはいられない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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