「元祖メガネっ子アイドル」時東ぁみさん・インタビュー前編 2005年にミスマガジン2005つんく♂賞を受賞して芸能界デビューし、屈託のない笑顔と見事なプロポーションで瞬く間に人気を博した時東ぁみさん。「メガネっ子アイドル」というポジションは…

「元祖メガネっ子アイドル」時東ぁみさん・インタビュー前編

 2005年にミスマガジン2005つんく♂賞を受賞して芸能界デビューし、屈託のない笑顔と見事なプロポーションで瞬く間に人気を博した時東ぁみさん。「メガネっ子アイドル」というポジションは唯一無二で、活動の幅はグラビアにとどまらず、歌手や女優としても活躍した。

 2016年に結婚し、2022年に第一子を出産。女性としてもさまざまな経験を積み重ねてきた。そして36歳の年齢となった2023年、新たな挑戦の場として選んだ舞台が「フィットネス」の世界──。

 彼女はどのようなきっかけでフィットネスの魅力を知り、そして大会に出場するまでにハマっていったのか。バイタリティあふれる時東ぁみさんの熱い想いを聞いた。

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photo by TOBI

── 11月5日にAsia Physique Federation (APF)が主催する『APF JAPAN CLASSIC 2023』ウィメンズフィットウェアモデル部門で3位に入りました。まずは感想を聞かせてください。

「まず、入賞できるとは思ってなかったので、本当にうれしいです。今年5月の大会に初挑戦(5位入賞)させてもらったのですが、その時は初めて食事制限をしたり、またトレーニングで自分の心の弱さを感じて落ち込んだり......。ただ、今までにない経験ができていることに、すごい喜びを感じているんです。

 これまでライブや舞台、テレビなどでいろいろなステージに上がってきました。ですが、まったく違う緊張感がある世界なんだなって」

── 未知の世界だったんですね。

「はい。たとえば芸能界だと、自分の印象をがんばって残したり、『目立った者勝ち』みたいなところがあるんです。だけど、フィットネスの大会って変に目立ってもマイナスですし、どれだけ既定のポーズを綺麗に見せられるかが勝負なんです。

 テレビ番組では歌詞が飛んでも『ナマモノでいいですね』とか『珍しいものが見られました』なんてプラスに捉えられることはあります。だけどフィットネスの世界だったら、それは『完全にアウト』なんです」



photo by 本人提供

── 仕上げたモノがすべて。

「はい。ですから、本当に新鮮な緊張感がありました」

── なるほど。そもそもなぜ、フィットネスの大会に参加しようと思ったんですか?

「きっかけは、APFなどでチャンピオンになったトレーナーの方に私は習っているんですけど、その人から『大会に出てみたらどう?』と誘われて、興味を持ったんです。APFはフィットネス初心者でも出られる大会で、普通のビキニを着てヒールを履いて出るカテゴリーもあるんですけど、もうグラビアを卒業しているし、水着で出るのもどうかなって。

 そこで、トレーニングウェアで出場できるウィメンズフィットウェアモデル部門ならいいじゃないかなと思って。履くシューズはスニーカーですし、これが一番、自分っぽいなって思って参加を決めました」

── 健康的で活発な印象ですね。この手の大会は通常、肌を黒くして筋肉の見栄えをよくするものですが、時東さんは美白ですよね?

「もちろん、肌を黒くしたほうが筋肉は浮き上がって見えるんですけど、基本的に肌を焼きたくなくて。そこは私のスタイルじゃないなって。というか、肌の色が白い参加者は、私だけでした(笑)。

 でも逆に、肌を黒くしている人は、ウェアのカラーが派手というか似通ってしまうので、私は落ち着いた色のウェアを着用して、ひとり肌が白いことで目立ったというか......。これも戦略です(笑)」

── ははは、そういうことなんですね。

「大会に出て一番感じたのは、APFは『優しい大会』ということですね。出場する前は初めてのことで不安ばかりだったんですけど、とにかくスタッフの方々が丁寧で、すべて手取り足取り教えてくれるんです。これは初心者にはすごくうれしい。

 ほかにも『ファミリーフィジーク』というクラスがあって家族で参加できたり、オーディエンス賞やベストスマイル賞といった賞も設けられていて、とにかく誰もが楽しめる大会なんです」



photo by 本人提供

── どうしてもボディビルディングを頂点とするフィットネス系の大会は、ただならぬ緊張感が漂っていそうですけど、そうではなく始めたばかりの方でも気軽に参加できる。

「大会に出場する、というモチベーションはすごくいいと思うんです。トレーニングを始めるのは、ダイエットが目的の人が多いんですけど、よっぽど強い気持ちがないかぎり、途中で心が折れてしまうこともあると思うんです。

 だけど、大会のような目標を持つことができれば、短期間であっても一気にがんばれるんだって、私自身、知ることができたんです。不思議と大会を目指すと、体重計のちょっとした数字で一喜一憂しなくなりますし、大事なのは数字よりも、身体のキレイなライン。だから大会が短期間で、一番キレイに痩せられる方法だと思いますね」

── あくまでも痩せるのは"目的"ではなく、大会などに出場するための"手段"にすればいいということですね。

「そうですね。単にダイエットを目標にしないこと。できれば最初はパーソナルトレーナーをつけたほうがいいと思います。マシンの正しい使い方を始め、どこの筋肉を意識してトレーニングをするのかを理解できるだけでも、かなり効果が違いますね。

 セルフでやってしまうと好きなトレーニングばかりになって、バランスが悪くなってしまうので。全身キレイになりたかったら、まずはパーソナルトレーニングがオススメです」

── 先ほど食事制限の話をしていましたが、やはりそこはつらかったですか?

「はい。私、揚げ物が大好きなんですけど、最初の大会は2カ月前から『揚げ物断ち』をしたんですよ。そこは一番、メンタル的に落ち込みましたね(笑)。だから本当、大会に向けての食事を見つけるのに、とても苦労したんです」

── どのような食事管理で大会に臨んだのですか?

「大会に出場経験のある栄養士さんにお願いして、専用のメニューを立ててもらいました。私は世間でよく言う『塩抜き』や『水抜き』、それに極端に糖質を抜くといったような食事ではなく、栄養士さんの指導で脂質を下げる食事をしていたら、スルスルと体脂肪が落ちていきました。

 言われたとおりにやると、こんなにわかりやすく落ちるんだって驚いたんですよ。でも、指導されていた食事方法でも、つらいときは、つらい。メンタル的に落ち込むこともありましたよ(笑)。そのなかで、ついに見つけ出したのが『白だし』なんですよ」



photo by TOBI

── えっ、スーパーとかで売っている、あの白だしですか?

「はい。とにかく白だしをベースにスープみたいにして、鶏むねや卵、ワカメなどを調理すると、とにかく美味しく飽きずに食べられたんです。『あー、本当に白だしは神だ』と感じたし、『私はつくづく日本人なんだな』って思いました(笑)。もし苦しんでいる人がいたら、ぜひ白だしを活用してもらいたいですね」

── それは耳寄りな情報ですね。身体を作って、いざ大会に出場。ステージに上がって、肉体を見せるうえで一番大事なポイントはどこですか?

「やっぱりポージングですね。それがすべて、だと思います。私のクラスは、フロントとバックの2パターンのポージングで競うんですけど、大会前はポージングだけのトレーニングにも行っていました」

── それぐらい大事なんですね。

「先ほども少し言いましたが、筋肉が大きければいいわけでもないし、ポーズを派手にとる必要もない。とにかく、そのクラスで求められているサイズの筋肉で、バランスよく、一番キレイに見える正しいポージングをする。肩の水平や、腕やひねりの角度、細部まで見ていくと本当に奥深いんです」

── すべて、とおっしゃる意味がわかりますね。

「自分でやってみてわかったんですけど、本当に筋肉が一番キレイに見えるポイントを押さえたポーズなんですよ。きちんと習って、筋肉の見せ方が理解できると、すごい自分がカッコイイなって思えたし、これも新たな発見でしたね。知れば知るほど、ダサいポーズじゃステージに立てないなって思いましたし、そこは勉強になりました」

── 時東さんも芸能人として、大衆から見られるお仕事をしていますが、それを踏まえて見られる部分で新たな刺激があったわけですね。

「はい。もっとがんばってトレーニングしようと思いましたし、そういう意味では本当に大会に出るのはオススメです。初心者でも自分の体形に合ったカテゴリーはあるので、ぜひ挑戦してもらいたいですね」

(後編につづく)

「芸能界デビュー時は『地獄が始まる』と思ってなかった(笑)」

【profile】
時東ぁみ(ときとう・あみ)
1987年9月25日生まれ、東京都出身。2005年にミスマガジン2005つんく♂賞を受賞して芸能界デビュー。2016年に結婚、2022年に出産。身長153cm。B=85・W=58・H=85。