井上という強敵を前にしてもタパレスは自信を深めている。(C)Getty Images 25戦無敗(22KO)と文字通り敵なしの強さを誇る“怪物”とどう向き合うか。WBA・IBFスーパーバンタム級王者マーロン・タパレス(フィリピン)に…

井上という強敵を前にしてもタパレスは自信を深めている。(C)Getty Images

 25戦無敗(22KO)と文字通り敵なしの強さを誇る“怪物”とどう向き合うか。WBA・IBFスーパーバンタム級王者マーロン・タパレス(フィリピン)に課されるタスクは、とてつもなく大きい。

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 来る12月26日、タパレスが4本のベルトを懸けて対峙するのは井上尚弥(大橋)。今年7月に「難攻不落」と言われたスティーブン・フルトン(米国)を撃破。スーパーバンタム級での初陣にしてWBC・WBO世界級王者に輝いた当代屈指のハードパンチャーである。

 冒頭の戦績を見ても、タパレスにとって井上は容易に打ち崩せる相手ではない。現時点での下馬評でも30歳の日本人が史上2人目となる2階級での4団体統一を果たすと予想する声が大半を示している。

 もっとも、いかなるスポーツにも「絶対」は存在しない。ゆえにタパレスの勝利を推す声もゼロではない。インドネシアのスポーツメディア『Liga Olahraga』は「たとえ劣勢であろうとも、タパレスにはイノウエを倒す自信がある」と銘打った記事を掲載。「彼はナオヤ・イノウエの相手という現代のボクシング界で最もタフな課題に直面するかもしれないが、見栄を張るのではなく、勝つために戦うと主張している」と期待を寄せた。

 井上のタイトルマッチに限った戦績は20戦無敗(18KO)と図抜けている。しかし、同メディアは「イノウエは誰にとっても難しい、最強の相手だ」としたうえで、「タパレスはイノウエに何をされようとも、立ち向かう準備は十分にできている」と指摘。母国でトレーニングキャンプ中である本人のコメントを紹介している。

「ここまでは良いトレーニングができている。すべてが順調だよ。こんな大きな試合でベストを尽くして戦えるのは俺にとって誇らしい。ただ、良い試合をするためだけに日本へ行くわけじゃない。俺は勝つために行くんだ。疑念を抱いている人はいるだろうけど、俺たちは放っておくさ」

 井上を相手に世界を愕然とさせるアップセットを起こせるか。自信を深める31歳のフィリピン人戦士は、どこか不気味だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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