2020年、世界的に広がった新型コロナウイルスの影響で中止となった全国高校野球選手権大会。あれから3年の月日が経った今でも当時の球児達の胸の奥に残る無念を晴らすべく、はじまった「あの夏を取り戻せ」プロジェクト。当時高校3年生で野球部だった大…

2020年、世界的に広がった新型コロナウイルスの影響で中止となった全国高校野球選手権大会。あれから3年の月日が経った今でも当時の球児達の胸の奥に残る無念を晴らすべく、はじまった「あの夏を取り戻せ」プロジェクト。当時高校3年生で野球部だった大武優斗が発起人となり、学生や若者だけで全国から49チームを集め全国元高校球児野球大会を運営する。11月29日からの開催に先駆け、実行委員会が出場校の代表選手にインタビューを行った。その内容を一部抜粋してお伝えする。

一関学院高校OB 菅原諒太

普段の学校生活から一緒だった仲間たち

――高校時代に掲げていた目標について教えてください
 高校時代の目標は、甲子園ベスト8ですね。

――甲子園ベスト8を目標としていた当時の練習に対する思いなどを教えてください
 色々な地方からメンバーが来ているので、競争とかも激しかったですし、もちろん練習内容もキツかったのですが、やっぱり甲子園に行きたいという目標があったから頑張れたのかと思います。

――当時の印象的な練習メニューなどがあれば教えてください 
 一関学院の名物というか、夏に厳しい練習があるのですが、そこで学校から山の上にあるグラウンドまで数キロ離れていて、学校が終わってからグラウンドまで走るのがキツかったです。
 冬は神社に行って、ものすごく高い階段を10本走ったというのが思い出ですね。

――様々な地方から集まったチームメイトとの印象的なエピソードなどはありますか?
 野球部はクラス分けでも2年生からは全員同じクラスで、1日1日がずっと野球部のメンバーと一緒の生活で、それが楽しすぎました。野球もそうですが、学校生活もとても楽しかったという感じです。

感謝の気持ちを込めての胴上げ

――各都道府県で独自大会開催の動きが進み、岩手県でも大会が開催されると聞いたときの心境を教えてください
 実際は甲子園がないということは分かっていたので、正直やる気が入らないという部分もありました。それでも以前監督さんからいただいた言葉を思い出して、「絶対優勝しよう」という言葉がキャプテンの口からも出ていたので、優勝を目指して頑張っていました。

――独自大会計6試合の中で印象に残っている試合はありますか?
 準決勝の高田高校戦が自分の中では印象的です。理由としては、相手ピッチャーも本当に良くて、お互いになかなか点が取れない状況で、タイブレークまで突入しました。
 過去に甲子園出場したチームがノーアウト一二塁の状況でピックオフのプレーをやっていたことがあり、そのプレーを練習もしていないのに、タイブレークでいきなりやろうという話になりました。それで2回連続で仕掛けるも破られて点が入ったのですが、そこで自分は正直「終わったな……」と思っていました。
 しかしその裏に、4番打者が逆転サヨナラのセンターオーバーの当たりを放って、今思い出しても鳥肌が立つくらい凄かったなと思いますね。

――決勝戦は雨天順延で翌日に延期となりましたが、延期となった1日はどのようなことを考えていましたか?
 優勝するまであと一歩というところまで来ていましたし、そこで1日順延になったことで、リラックスしていい感じに集中力を保ちながら練習に取り組むことができました。監督さんからも「絶対優勝しろ」という言葉もいただいていたので、そこはあまり考えずに
練習して次の日を迎えました。

――雨天順延の翌日、決勝戦は盛岡大付属に4-1で勝利という結果でしたが、その試合を振り返っていかがでしょうか?
 決勝戦は3回表に3点を取ったのですが、相手ピッチャーも本当に良くて、何とか塁に出て繋いで取った点でした。自分の中では相手も有名な学校でしたが、そこは全員気負ったりせず、1球1球に集中しての攻防となったのではないかと思います。

――決勝戦に勝利し、優勝した瞬間はどういった心境でしたか?
 自分もベンチに入っていて応援していましたが、最後のバッターがセカンドゴロを打った瞬間に、嬉しすぎてアウトと言われていないのにベンチから駆け出していました。その時のことは本当に思い出になっています。
 マウンドに集まる瞬間は、これ以上の嬉しさを人生で味わうのかというくらい嬉しかったですね。

――優勝後に監督を胴上げされたとのことですが、当時のことについて教えてください
 優勝後に皆で集まって記念写真などを撮って、その後で胴上げを行いました。監督さんのあの言葉がなかったらどこで負けていたかも分かりませんし、監督さんのお陰だと思っているので、キャプテンから「胴上げをしよう」ということで胴上げを行いました。

お世話になった方々の気持ちを胸に

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 このプロジェクトのことを仲間に伝えたのは自分で、たまたまTwitterでこのプロジェクトを見て、すぐ仲間に連絡しました。皆に参加を提案したところ、皆も「参加したい!」という反応でした。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 まずはクラウドファンディングのお金を集めることが第一ですし、お世話になった方々にも見ていただきたいです。私たちは監督さんにも「来てください」と声をかけているので、そのためにもお金を集めることを頑張りたいです。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 2年前に失われた甲子園が今年開催されます。今までお世話になった方や、今でも応援してくれる皆さんの気持ちを胸に、楽しんで甲子園でプレーしてきます。
 頑張るぞ!

実行委員会は、甲子園でプレーするだけでなく、多くの歓声も体験してほしいという思いから1万人の動員を目標に掲げている。夏の甲子園を再現するために、球場に足を運び球児・観客の力を合わせてあの夏を取り戻そう!

無料チケットはこちらから▷https://re2020.peatix.com/

開催情報
2023年11月29日(水)・阪神甲子園球場
2023年11月30日(木)・姫路ウインク野球場・県立明石公園トーカロ球場・三木総合防災公園野球場​・高砂市野球場
2023年12月1日(金)・県立明石公園トーカロ球場​・尼崎ベイコム野球場
*阪神甲子園球場での観戦のみ無料チケットが必要です。


あの夏を取り戻せHP▷https://www.re2020.website/