昨年のスーパーラグビー決勝で涙をのんだライオンズ(南アフリカ)が、因縁の相手である前王者のハリケーンズ(ニュージーランド)にリベンジを果たし、2年連続のファイナル進出を決めた。7月29日に地元ジョハネスバーグのエミレーツエアラインパークで…

 昨年のスーパーラグビー決勝で涙をのんだライオンズ(南アフリカ)が、因縁の相手である前王者のハリケーンズ(ニュージーランド)にリベンジを果たし、2年連続のファイナル進出を決めた。7月29日に地元ジョハネスバーグのエミレーツエアラインパークで準決勝をおこない、44-29で勝利。南半球で1位、2位の得点力を誇る両チームの戦いは、計10トライが生まれるアタッキングゲームとなり、ライオンズは19点ビハインドから逆転して歓喜の瞬間を迎えた。

 8月5日におこなわれる決勝では、堅守を武器に勝ち上がってきたクルセイダーズ(ニュージーランド)と対戦する。エリスパークという名でも知られる南ア最大都市のラグビー聖地で、スーパーラグビー決勝が開催されるのは初めてとなる。

 前半はハリケーンズのペースだった。6分、PGで先制したライオンズがグラウンド中央のスクラムから攻めようとしたが、パスが乱れ、ルーズボールをハリケーンズSHのTJ・ペレナラが足にかけてドリブルし、インゴールで押さえて流れを変えた。
 ディフェンディングチャンピオンはさらに10分、敵陣でのラインアウトからボールを回してSOボーデン・バレットがラインブレイクし、左WTBウェス・フーセンにつなぎ連続トライ。19分にPGで加点し、30分にはハーフウェイでプレッシャーをかけてボールを奪い返すとFLアーディー・サヴェアが50メートル走り切り(コンバージョン成功)3-22と点差は広がった。

 それでも、ライオンズはハーフタイム前にPRジャック・ファンルーエンがパワフルな突進でインゴールに押し込み、12点差に詰めて折り返す。

 レギュラーシーズンで難敵がそろうニュージーランド勢との対戦がなかったとはいえ、1位通過の意地を見せたいライオンズは、後半の立ち上がりがよく、43分(後半3分)、ゴールに迫ってSHロス・クロニエがトライラインを割り、コンバージョン成功で5点差。そして52分、ラインアウトからモールで前進し、HOマルコム・マークスがインゴールにねじ込み、ついに同点となった。

 その3分後、ハリケーンズがカウンターラックでボールを奪い返して攻め込み、細かいパス回しからCTBンガニ・ラウマペがトライゲッターとなって再び追う立場となったライオンズだが、57分、ハリケーンズの司令塔であるSOボーデン・バレットが反則を犯してイエローカードとなり、流れは変わった。

 ライオンズはすぐにPGを決めて4点差にすると、数的有利なままの61分、アドバンテージをもらってフェイズを重ね、CTBハロルド・フォースターがゴールに持ち込み、逆転。68分にはSOエルトン・ヤンチースがトライを決め、39-29とリードを広げた。そして73分には、途中出場のHOアルマンド・ファンデルメルヴァが敵陣深くでインターセプトしてFLクワッガ・スミスのトライを演出し、勝負あり。
 エキサイティングな逆転劇で、ジョハネスバーグのライオンズフィーバーはまだまだ続く。

 ライオンズは8月5日の決勝で悲願の初優勝を狙う。
 クルセイダーズが勝てば、9年ぶりの王座奪還で最多優勝記録は8回に更新となる。