「終わったことなので、こうすれば、ああすればと言うのは無責任だと思います。しっかり負けたということ」 J1リーグ第32節…
「終わったことなので、こうすれば、ああすればと言うのは無責任だと思います。しっかり負けたということ」
J1リーグ第32節ヴィッセル神戸との試合を1-2で敗れた後、MF大久保智明はこう振り返った。
浦和レッズは4-2-3-1の布陣。DF荻原拓也、MF安居海斗、MF関根貴大は登録メンバーから外れ、右ヒザ半月板損傷と診断され全治約3か月のDF酒井宏樹に代わり、右サイドバックにはDFアレクサンダー・ショルツを起用。センターバックにはDF岩波拓也、トップ下にはMFエカニット・パンヤが入った。
右サイドハーフでアレクサンダー・ショルツと縦関係となる大久保は「細かいプレーもできる。プレースタイルは宏樹くんに似ている感じもあるし、大外に張って(伊藤)敦樹にランニングを増やしたいと思った。途中、(柴戸)海くんに代わった時は内側をとること、ショルツとは試合で組むのは初めてでしたが難しくはなかった」と口にした。
前半はセカンドボール争いを制した神戸がペースを握るも、リーグ最小失点の浦和の堅守は崩せずスコアレスで後半へと折り返す。
リードを奪いたい浦和は46分、大久保がペナルティーエリアにスルーパスを流し、それをエカニット・パンヤが受けてシュートを放つがGK前川黛也にセーブされると、72分にDFマテウス・トゥーレルに頭で押し込まれ失点。引き分け以下ならリーグ優勝の可能性が消滅する浦和はゴールを目指した。87分、敵陣中央からFW中島翔哉が柔らかい浮き球をゴール前へ供給すると、これを大久保が左足ジャンピングボレーで合わせるも前川のファインセーブに阻まれた。
「良い抜け出しもできた。ボレーを打って枠にいったのは成長だと思いますが、それを発言しても決まらなければ一緒なので黙々とやるしかありません」
■「勝ち切れるか、勝ち切れないかの積み重ね」
そして、アディショナルタイム6分が掲示される中、90+1分にFWホセ・カンテが同点弾を撃ち込み試合を振り出しに戻す。残り時間が着々と進む中、浦和が敵陣でフリーキックを獲得。GK西川周作もゴール前に上がるが、入れ替わるように前川がキャッチし正確なパントキックで攻め残っていたFW大迫勇也につながれ、無人のゴールへとロングシュートを打った。
その瞬間、大久保は猛ダッシュで数m先を転がるボールを懸命に追ったが間に合わず、ゴールネットが揺れると同時にピッチに崩れ落ちた。どうあがいても追いつかないことは分かっていても「最後まで追っていましたが倒れてしまった。まだ終わっていなかったので倒れるべきではなかったと思います」と悔しげに語った。
残り2戦で、首位・神戸との勝点は11差、2位の横浜F・マリノスとは9差となりリーグタイトルの夢は消えた。大久保は首位チームとの差を「戦うとより分かるというか本当に首位との差はないと思います。ただちょっとしたところで勝ち切れるか、勝ち切れないかの積み重ねがリーグ戦だと思うので、来季に向けて糧にしたい」とコメント。
そして「優勝がなくなり、2週間後に(アビスパ)福岡と試合がある。こういう時に“もういいや”となる選手もいると思いますが、振る舞いが問われる。あと2試合どういう形で終わるかで来年につながってくると思うので一度休んでリフレッシュして、次に勝つことで良い休みになると思っています」と続けた。
勝負の綾は紙一重で残酷なもの。それでもチームはめげることなく練度を高め勝利を求めていく。
(文・構成/石田達也)