父アドミラブルの救世主となれるか。9月の阪神でデビュー勝ちしたメイショウサチダケ(牡2、栗東・鈴木孝志厩舎)が、デイリー杯2歳ステークス(2歳・GII・芝1600m)で連勝を狙う。  メイショウサチダケは父アドミラブル、母メイショウハバ…

 父アドミラブルの救世主となれるか。9月の阪神でデビュー勝ちしたメイショウサチダケ(牡2、栗東・鈴木孝志厩舎)が、デイリー杯2歳ステークス(2歳・GII・芝1600m)で連勝を狙う。

 メイショウサチダケは父アドミラブル、母メイショウハバネラ、母の父アイルハヴアナザーの血統。近親のグランドシンゲキは93年のアーリントンCを制している。9月阪神の新馬(芝1400m)は逃げながら上がり3F最速を刻み、3馬身差の圧勝。まさに力が違うといった感じの勝ちっぷりだったが、今回は一気の相手強化となるため、試金石の一戦となる。

 父のアドミラブルは17年の青葉賞の勝ち馬。続く日本ダービーでは1番人気に推されたが3着に敗れ、その後は出走が叶わないまま、19年10月に無念の引退となった。20年にイーストスタッドにスタッドインし、初年度となる現2歳世代は34頭が血統登録されて、これまでにJRAで10頭がデビュー。しかし勝ち上がりはメイショウサチダケの1頭のみとなっている。

 種付け頭数は1年目の20年に70頭あったが、21年以降は44頭、27頭、そして今年が17頭と3年連続で減少。近親にフサイチコンコルドやアンライバルド、ヴィクトリーなどのGI馬が並ぶ血統馬だが、ディープインパクトの後継種牡馬があふれかえっている状況だけに、勝ち残るのは簡単ではない。

 アドミラブルを繋養するイーストスタッドの佐古田直樹マネージャーは「セリで産駒が高く売れているわけでもなく、中央に入る馬も少ない。正直に言えば、厳しい状況です。初年度産駒の成績が今後を決めると言えますね」と本音を口にする。そんな苦境で孝行息子となるかもしれないのがメイショウサチダケ。「新馬は強い勝ち方でしたし、一筋の光が差した、という感じでした。今回は重賞だから簡単ではないでしょうけど、いい競馬をしてくれないかな、と思っているんです」と期待を込める。

 青葉賞を当時のレースレコードとなる2分23秒6で制したアドミラブル。佐古田マネージャーは「血統もいいし、ポテンシャルはあるはずです」と決して諦めてはいない。メイショウサチダケがタイトルをつかみ取り、父に多くの牝馬を送り込んでくれることを願いたい。