米LPGA公式戦「TOTO ジャパンクラシック」(茨城県・太平洋クラブ美野里コース/6598ヤード、パー72)は5日、最終ラウンドが行われ、稲見萌寧が4バーディ、1ボギーの69で回り、通算22アンダー、逆転で復活優勝を飾った。稲見は今季初勝…

米LPGA公式戦「TOTO ジャパンクラシック」(茨城県・太平洋クラブ美野里コース/6598ヤード、パー72)は5日、最終ラウンドが行われ、稲見萌寧が4バーディ、1ボギーの69で回り、通算22アンダー、逆転で復活優勝を飾った。稲見は今季初勝利、ツアー通算13勝目。1打差21アンダー2位タイにペ・ソンウ(韓国)、桑木志帆が入った。

また、年間女王争いは申ジエ(韓国)が4位タイ、山下美夢有が27位タイとなったため、申が2.32pt差に肉薄した。

◆【実際の映像】稲見萌寧、悲願の米ツアー初優勝に「素晴らしい瞬間」と実況感嘆 桑木志帆とは“笑顔のハグ”

■稲見が後半パー5でしっかり伸ばす

畑岡奈紗、桑木、稲見の最終組は、序盤一進一退の攻防を繰り広げた。

桑木は3番でボギー先行。畑岡に首位を明け渡すも、4番でバウンスバック。稲見もこの日最初のバーディ。逆に畑岡がボギーで、桑木・稲見が20アンダー首位に並ぶ。

桑木と稲見は7番でこの日2つ目のバーディ、21アンダーに伸ばす。この間。前半3つ伸ばしたペ・ソンウ、12番までに6つ伸ばした申ジエが、畑岡と並ぶ2打差19アンダー3位タイまで順位を上げてくる。

前半最後の9番、桑木は3つ目のバーディを決め、22アンダー単独首位に返り咲く。この時点で、桑木22アンダー、稲見21アンダー、畑岡・申・ペ19アンダーで、最終組は勝負のサンデーバックナインへと向かった。

先を行く申は14番、ペは12番で、ともにこの日5つ目のバーディを奪い、20アンダーの大台に乗せる。だが、申は16番パー3でこの日初のボギーをたたいてしまう。

12番パー5、桑木のティーショットは右へ。何とかパーオンするも2パットのボギー。一方の稲見は会心の2打目を放ち、ピン手前2メートルへ。イーグルとはならなかったが、楽々バーディ。稲見22アンダー、桑木21アンダー、首位が入れ替わる。

16番で落とした申だが、17番でバウンスバックに成功、通算20アンダーのクラブハウスリーダーに立って4日間を終えた。

15番、稲見は3パットでこの日初のボギー。再び稲見・桑木がトップに並ぶ。13番以降、パーを続けてきたペは17番パー5で2オン2パットのバーディ。21アンダーとし、稲見・桑木を捕らえる。16番パー3、桑木はグリーンを外し、アプローチもオーバーしてボギー。稲見・ペの2人が首位となる。ペは18番パー、申と入れ替わり、クラブハウスリーダーに立って最終組を待つ。

最終組の稲見・桑木は優勝の行方を左右する17番パー5に入る。稲見は2オン成功、桑木の2打目はグリーン奥にこぼれるも、ナイスアプローチで寄せる。稲見のイーグルパットは左に外れる。桑木はバーディパットを落ち着いて沈める。稲見もバーディで続き、1打差は変わらず、稲見が22アンダー単独トップに立つ。

1打差で迎えた最終18番、稲見・桑木ともティーショットはフェアウェー。2打目、桑木はグリーン左に乗せるも距離を残す。稲見はピン手前のバーディチャンスにつける。桑木の長いバーディパットは右に外れパー。稲見のバーディパットは惜しくも左に抜けるも、パーパットを難なく沈め、両腕を大きく掲げ、笑顔で喜びを表現した。

稲見は優勝インタビューで、「今年は苦しい時期の方が多かったので、ここで優勝できて良かったと思います」と目に涙を浮かべながら語った。また、今回の優勝で得た来季米ツアー出場権については、「新しい未来が開かれたと思います。チームのみんなとしっかり話して来年どうするか決めたい」と話すにとどめた。

■主な上位選手最終成績

上位選手の主な最終成績は以下の通り。

優勝/22アンダー/稲見萌寧 2位タイ/21アンダー/ペ・ソンウ、桑木志帆 4位タイ/20アンダー/申ジエ、リン・ジーユウ(中国) 6位タイ/19アンダー/ジェマ・ドライバーグ(スコットランド)、ジャスミン・スワンナプラ(タイ) 8位タイ/18アンダー/リュウ・ユー(中国)、マリア・ファッシ(メキシコ)、竹田麗央、岩井明愛、青木瀬令奈、神谷そら、畑岡奈紗

西村優菜、ささきしょうこ、吉田優利は17アンダー15位タイ。福田真未、高橋彩華、仁井優花は16アンダー20位タイ。蛭田みな美、古江彩佳、鈴木愛、川岸史果は15アンダー23位タイ。櫻井心那、山下美夢有、上田桃子は14アンダー27位タイに終わった。

また、来季の米ツアーシード権をかけて戦う渋野日向子は12アンダー40位タイ、勝みなみは3アンダー71位と上位フィニッシュすることができなかった。

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文●河野道久